ニッカウイスキー 余市 モスカテルウッドフィニッシュ 2017 46%

NIKKA WHISKY
YOICHI
Moscatel Wood Finish
Bottled in 2017
700ml 46%
グラス:リーデルヴィノテクスピリッツ
量:30ml
場所:BAR飲み@ナデューラ
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)
香り:やや若くフレッシュな酸味と共に、香ばしい麦芽香とスモーキーさ。ライムやレモンピールの柑橘香、上乗せするようなねっとりとしたサルタナレーズン、オレンジママレードを思わせる甘いアロマ。
味:コクがあってねっとりとした口当たり。オレンジママレード、ブラウンシュガー、甘みは徐々に砂糖漬けレモンピールのように酸味のある傾向に変化する。
中間からウッディなタンニン、焦げたトースト、土っぽさを伴うピートがしっかりと開く。
余韻はほろ苦くドライでややハイトーン。ヒリヒリとした刺激にピートフレーバーが長く続く。
多少ちぐはぐなところはあるが、余市らしくボディに厚みがあり、モスカテル樽の樽感を受け止めている。また原酒の若さはピートがネガティブな部分をマスクして、力技でバランスをとっているイメージ。
加水も悪くない、樽感が馴染んでストレートとは違う一体感を楽しめる。
昨日に引き続き、ニッカのリミテッドリリース。今日は余市のモスカテルウッドフィニッシュです。
リリース背景の推測や、モスカテルワインの紹介は昨日一気にやってしまいましたので、その部分は割愛させていただくとして・・・今日はベースとなっている余市の酒質や全体の構成の話から。

昨日に引き続き、ニッカのリミテッドリリース。今日は余市のモスカテルウッドフィニッシュです。
リリース背景の推測や、モスカテルワインの紹介は昨日一気にやってしまいましたので、その部分は割愛させていただくとして・・・今日はベースとなっている余市の酒質や全体の構成の話から。
ご参考:ニッカウイスキー宮城峡モスカテルウッドフィニッシュ2017
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1068065018.html
今回のリミテッドリリース、宮城峡のほうは、樽由来の甘みやウッディーさに対して原酒の若さが目立つようなちぐはぐな味わいに時間が必要と感じたところ。この余市もまた若さはあるのですが、それが気にならないというか、冗長気味ですが酒質と樽感、そしてピート、それらが主張しあった上でバランスがとれていると感じます。
今回のリミテッドリリース、宮城峡のほうは、樽由来の甘みやウッディーさに対して原酒の若さが目立つようなちぐはぐな味わいに時間が必要と感じたところ。この余市もまた若さはあるのですが、それが気にならないというか、冗長気味ですが酒質と樽感、そしてピート、それらが主張しあった上でバランスがとれていると感じます。
使われている原酒の熟成感は、オフィシャルの構成からプラスアルファという感じで、幅広い原酒が使われて平均10年程度。長熟原酒がふんだんにという感じではないですね。
よもやフィニッシュの期間分だけ通常のシングルモルトのレシピにプラスされたとは思いたくはないですが、共通するニュアンスは樽感の奥に垣間見えます。
他方、この手の酒精強化ワイン樽で熟成感されたウイスキーは、熟成期間が長すぎると酒質部分の香味を樽感が圧殺してしまいますので、フィニッシュの香味がわかり、酒質由来の香味もわかりという、蒸留所としての個性を楽しむ上での熟成のバランスはこの辺りがちょうど良いのかもしれません。
モスカテル樽のシェリー樽に通じる甘くビターな香味に、コクと香ばしさのある余市の酒質。スモーキーなピートフレーバー。
通常のシングルモルト余市と飲み比べなどで、樽由来の香味の違いなどが伝わりやすくあるとも感じます。
コメント
コメント一覧 (4)
前回の余市ヘビリーピーテッドもこの店で購入することが出来ました。価格は非常に良心的な店で感謝しています。
くりりんさんの評価からヘビリーピーテッドのような感動は期待できそうにもありませんが、開封を楽しみにしています。
余市も宮城峡も同じ樽で仕上げたにもかかわらずそれぞれの個性があり、加水すると味わいが大きく変わるところが面白いと思いました。
個人的にはニッカらしいフィニッシュ物としてはアップルブランデーカスクやシードルカスクで仕上げた物が出たらいいなと思います。
おお、それは店長さんの粋な計らい、犬さんの人徳ですね。
2年前のヘビリーピーテッドと比較すると、原酒の熟成感が大きく異なっていると感じます。
今年の方はモスカテルで上乗せしているというか、若さをごまかしているというか・・・。
そのあたりが気になると前回ほどの感動は見込めないかもしれませんが、限られた中でうまく仕上がっているボトルであるとは思います。
じっくり楽しんで見てください!
確かに、おっしゃられるようにチャレンジングなリリースで、限定品が出るとは聞いていましたが、フィニッシュモノとは思っていませんでした。
また、どちらも同じモスカテルでありながら仕上がりが異なるのが、ベースの違いの面白さでもありましたね。
アップルブランデー樽は、試したけれどうまくいかなかったというような話を聞いた記憶があります。ただそれはフィニッシュならわからない気がしますし、原酒が苦しい時期だからこそ、様々な取り組みでユーザーを楽しませるリリースを続けていってほしいですね。