GM グレンエイボン 21年 1980年代流通 40%
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- ★6
- その他(蒸留所不明)
GLEN AVON
Single Highland Malt
Years 21 old
1980's
Gordon & Macphail
750ml 40%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)
味:柔らかくスムーズな口当たり。香り同様の甘みから、麦芽風味、干し草、ドライでゆるい甘み。中間はあまり広がらず平坦気味。
余韻はオールドシェリーの優しい甘み、ほのかな土っぽさ。ドライでウッディで緩やかに消えていく。
ゆるくまったりとしたカラメルソースやブラウンシュガーの甘味を伴う飲み心地が、いかにもかつてのGM加水らしい構成。樽構成はリフィルシェリー系統で、余韻に感じる微かなピートは蒸留所のヒントか。加水するとぼやけたような味に。
グレンエイボンは、GMがエボンサイド・ウイスキー社なる子会社?経由でリリースしているボトラーズ銘柄。ハイランドモルト(スペイサイドモルト)である以外中身は明らかにされておらず、愛好家の間では、グレンファークラス、マッカラン、グレンリベットなどが候補。
このボトルに関しては、角瓶時代のファークラスで、色の薄いロットの味わいに近いものを感じるので、ファークラスに一票です。
この銘柄はかなり多くのリリースが行われていて、中には50年を超える長期熟成や、バッチリオールドシェリーが効いて唸らされるような出来のものもあるのですが、総じて加水が効き過ぎていたり、色が薄くても妙にドライだったり、これはと思うものが少ないように思います。
あくまで個人的な推測ですが、GM側で微妙と判断された樽を中心に融通されているのかと思うこともあります。
(これまで飲んだグレンエイボンの中でベストヒットは、メゾン向けのグレンエイボン1959-2000。メゾン向けということで特別な樽だったのか、妖艶さを纏う素晴らしいシェリー感だった。)
今回のボトルは逆算すると、1950〜60年代蒸留の原酒。本来ならピートや麦の風味は今より強い時代であり、40%加水とはいえ当時を思わせるオールドなニュアンスは残っています。料理でいうなら素材の良さ、ベースの良さで飲ませているボトルと言える印象です。
おそらく今の原酒で同じような構成を作ったら、スカスカで飲めたものじゃなかったとも。(実際そういうボトルは無いわけじゃありません。)
これもまた古き良き時代だからこそ実現した、バランスと飲み心地。個性を求める飲み手には物足りないかもしれませんが、1杯目のモルトで準備運動的に香味を探してみると案外楽しめると思います。
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