カテゴリ:
The MACCALLAN
Single Highland Malt
Years 18 old
Distilled in 1978
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅テイスティング会
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:黒砂糖、レーズン、湿ったようなウッディネスとやや古酒感。落ち着いた華やかさのあるシェリー香が広がり、奥から香木系のニュアンスも感じられる。

味:スムーズでまろやか、柔らかいコク。果実味のある黒砂糖系のシェリー感は、レーズン、ダークチェリー、チョコレートケーキ。後半はやや単調でボディは緩め、穏やかなウッディネス。
余韻はドライで染み込むように長い。鼻抜けに華やかなシェリー香が広がり、充実している。

スムーズでバランス良く、引っかかりなく飲める、1本を通して負担なく楽しめる。突き抜けた香味ではないが、万人ウケとはこういうことかもしれない。
加水はポジティブな変化は見られず、ストレートで楽しみたい。

すっかり飲む機会がなくなってきた、マッカランのオールドボトル。現行品から1世代前の18年ですら、とんでもない価格ですから、今後ますます飲めなくなっていくんだろうなぁ・・・と、先日開封した旧10年を飲みながら考えていたところ、思いがけず飲める機会が巡ってきたのが友人主催のテイスティング会です。

まず誤解の無いように前置きしておくと、このマッカランは美味しいマッカランです。
後の1979年から4年間のみリリースされるグランレゼルバ18年発売の前年にあたり、同18年よりは穏やかですが、現行品と比べたらその差は歴然。久しぶりに飲んだそれはやはり旨いなと、マッカランの良さを再確認する味わいであると共に、経験値の違いからか以前飲んだ時とは違った印象を与えてくれました。

オールドマッカランと言えばスムーズでろやかで、程よいコクと奥深いシェリー樽由来の香味が特徴的。特に1960年代以前のそれは、果実味や土っぽさ、麦由来の香味と合わせて独特と言っても良いフレーバーを兼ね備えています。
一方、1970年代後半は樽構成が徐々に変わり、酒質の勢いが無くなったというか、加水で整えた部分が強く感じられるようになり、良く言えばスムーズで飲みやすいと言える一方、厳しい表現を使えば薄くなったとも。
今回のボトルも、全体的にリッチで嫌味の少ないシェリー感が充実していますが、余韻にかけてはだいぶ穏やかです。

マッカランではゴールデンプロミス種への切り替えが1968年から順次行われたとの話。1970年代後半となれば確実に切り替わっているはずです。
麦の品種として、ゴールデンプロミスの評価は飲み手側で賛否分かれます。製法との兼ね合いもあるため一概に麦の影響100%とは言えないものの、1970年代は多くのモルトウイスキーから香味から複雑さが失われていった時代です。
マッカランにとってゴールデンプロミスが特別視されるのは、単なるPR戦略か、あるいは雑味の少ない酒質の方が熟成後に加水するにあたってシェリー感は残るので、スムーズでメローなウイスキーが造りやすかったためと推察しています。

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画像引用、参照 https://scotchwhisky.com/magazine/latest-news/15511/10-000-glass-of-macallan-is-a-fake/

さて、マッカラン繋がりで最近の話題を1つ。先日、とあるホテルのBARで、1杯100万円オーバー、1878年蒸留のマッカランが開封されたという話がニュースになりました。
マッカランのオールドボトルといえば、フェイクの温床、怪しいボトルが多いことで知られています。特にマッカランは一時期オフィシャルが買い戻しを行っていたという話もあり、きっとフェイクなんじゃないかとか話題になるんだろうと思っていたら、案の定フェイク疑惑が記事にもなっていたわけです。

記事中に写真がありますが、このボトルのコルク、素人目に見ても怪しいです。現在コルクを含めた検証が行われているそうで、あくまで見た印象としてですが、流石にこのコルクは綺麗すぎる・・・。仮にリコルクのような対応がされていたとしても、まるでシェリー酒か何かに浸しておいたモノを刺したように感じます。 


ウイスキーのコルクは、ボトル縦置きであってもじわじわとアルコールで溶けていきます。
60度を越えるようなボトルであれば、20年も置けばコルクは痩せほそってスカスカ。40%クラスであっても、上の写真のように少なからず侵食されます。
仮にフェイクだとした場合、例えば、以前ロイヤルマリッジでコメント頂いた話ですが、そこまで古くないマッカランを詰めているとか、そういう可能性もありそうです。
何れにせよ、検査の結果が気になりますね。

※ご参考
このマッカランのフェイク問題については、自分のウイスキー仲間も記事を書いていますので、もしよければ一読ください。

マッカランのフェイク問題 -Whiskylink

【世界ウイスキー時評】フェイクウイスキー狂想曲 -Tasters.jp