メーカーズマーク プライベートセレクト 萌木の村 ポールラッシュ生誕120周年記念 55.5%
- カテゴリ:
- アメリカンウイスキー(バーボンなど)
- ★7

MAKER'S MARK
PRIVATE SELECT
Paul Rusch's 120th Birthday
Barrel Finished With Oak Staves
750ml 55.5%
グラス:木村硝子テイスティンググラスの後バカラロックグラス
場所:自宅
時期:開封直後~
評価:★★★★★★★(6ー7)(!)
香り:バニラやバタークッキーを思わせる甘い香り立ち、ブルーベリー、植物や穀物の軽やかさ、ウッディーでスパイシーなアロマが続く。
味:濃厚でコクがあり、度数を感じさせないまろやかな口当たり。メープルシロップ、チェリーのシロップ漬け、オレンジママレード。序盤は甘酸っぱさの有る甘みから中間から後半はバランスの良いウッディネス、ほろ苦さが微かな焦げ感を伴って長く残る。
樽感が強く濃厚な味わいだが、余韻にかけて収束し、軽やかであまりしつこさがない飲み心地がメーカーズマークらしさとして感じられる。ストレート、ロック共に良好。テイスティンググラスよりはロックグラスやショットグラスで楽しむほうが香りのネガが少ない。夏のバーベキュー、野外で飲みたい1本。 シガーとの相性もいい。


この7月、オーナーの元に届いたばかりの萌木の村オリジナルボトリング、メーカーズマーク・プライベートセレクトです。
ボトリング本数は237本。戦後、萌木の村がある清里の地の発展に大きく貢献した、ケンタッキー州出身の牧師、ポール・ラッシュ氏の生誕120年を記念したボトルでもあります。
同氏の生誕記念としては、今年の4月に先立ってシングルモルト白州もボトリングされており、生まれた地と、復興に尽力した地で育まれたそれぞれのウイスキーとのコラボは、同氏の生誕を祝うに相応しいチョイスと言えます。
メーカーズマーク・プライベートセレクトは、一度払い出したメーカーズマークのカスクストレングスを、フレンチオークを主体とした5種類10枚の木材(インナーステイブ)と共に再び樽詰めし、数ヶ月間後熟したものです。
この方法は既に市販されているメーカーズマーク46でもお馴染みであるだけでなく、蒸留所や現地ショップではオリジナルボトルも展開されていて、どの樽材を組み合わせるかで味に変化を与える狙いがあります。
今回のボトルのインナーステイブの比率は裏ラベルの通り、甘みの強いP2とCuに、スパイシーな香味の46が10枚中8枚となっており、濃厚で甘みが強く、苦味のニュアンスが少ない味わいが付与されているようです。
バーボンウイスキーは樽に新樽縛りがあり、連続式蒸留も行われる関係から、ともすれば香味が単調などという声も少なからずあるところ。近年では香味のライト化も著しく、長期熟成原酒も枯渇気味と聞きます。
そんな中で現地ウイスキー業界としては、原料比率や酵母を変えたり、メーカーズマークのインナーステイブだけでなくフィニッシュに異なる樽を使用したり、あるいは最初の熟成からアメリカンオークでなくフレンチオークの新樽を使うなど、多様性を生み出す様々な試みが行われ、これまでの常識が変わりつつあると感じます。
このメーカーズマークは、通常の熟成とは異なるニュアンスはありますが、それ以上に狙ってこの味わいを作り出したというところに、ポールラッシュ氏の「最善を尽くせ、そして一流であれ」とする開拓者精神が体言されているように感じます。
このメーカーズマークは、通常の熟成とは異なるニュアンスはありますが、それ以上に狙ってこの味わいを作り出したというところに、ポールラッシュ氏の「最善を尽くせ、そして一流であれ」とする開拓者精神が体言されているように感じます。
本ボトルは萌木の村ホテルバー・パーチだけでなく、一部繋がりのあるBAR等にも展開されている模様。是非バーボンの新しい可能性に触れてみてください。
以下、余談。
今回のボトルのオーナーであり、萌木の村の代表である舩木上次氏が、Forbes Japan誌による"日本を元気にする88人"に選ばれました。
舩木氏は、ウイスキーに限っても清里ウイスキーフェスの開催で中心的な役割を果たすだけでなく、清里フィールドバレエ・オリジナルボトルでご存知な方も多いはず。
ご本人は「自分は88人目ですから」と謙遜されていましたが、選定の有無に関わらずその実績は疑いようもないところ。
自分も舩木氏のようにウイスキー業界を元気に出来るような、そんな活動をしていきたいものです。
コメント