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NIKKA WHISKY
KINGSLAND
1970's
43% 760ml

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★(4-5)

香り:ツンとしたアルコール感、淡い蜂蜜、ハッカ、強くは無いがスモーキーなアロマも感じる。また、時間と共にレモンを思わせる柑橘香が開いてくる。

味:スムーズでマイルドな口当たり、麦芽風味、ホットケーキシロップの甘み、レモンキャンディー。やや芋っぽい穀物系のニュアンス。中間からピートのほろ苦さが感じられ、余韻はピーティーで焦げた木材、あっさりとしている。

香りが全体的に薄く、黎明期的な作りだが、味わいはしっかりとしたピートフレーバーが備わっており、作り手の拘りを感じられる。


1974年、ニッカウイスキーが創業40周年を記念すると共に、竹鶴政孝氏のウイスキーづくり60年の集大成としてリリースされた、キングスランドの初期ボトルです。
WEB上の情報では、1978年に現在も知られる角ばったボトルデザインにシフトした模様。その後長らくファン御用達の1本として愛されてきましたが、2015年のニッカショックにより40年にわたる歴史に幕を下ろしています。

キングスランドは余市モルトを主軸とし、スモーキーでヘビーな男性的なブレンデッドであることを売りにしてきました。 
といってもそれは1990年代以降、日本のウイスキー作りがモルト、グレーン原酒共に役者が揃って以降の話であり、黎明期である当時のブレンデッドの多くは、ブレンド用アルコールを混和していることに由来した香味の薄さは、如何ともし難く。。。しかしこのキングスランドはなかなかどうして、その中にもしっかりとモルティーでスモーキーな、余市モルトを思わせる個性が感じられます。

当時のニッカウイスキーの状況を振り返ると、1963年に連続式蒸留機を導入してグレーンウイスキー造りを開始。1969年には宮城峡蒸留所を建設し、それぞれ10年、5年が経過した時点。
その間多くのリリースがあったことを考えれば、まだ原酒が潤沢とは言い難いと思いますが、その香味からは徐々に環境が整いつつあることも伺えます。
時代の流れ、そして竹鶴政孝の想いを感じながら楽しみたい1杯です。