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GLENGARIOCH
Aged 15 years
Sherry Cask Matured
Exclusive to The Global Traveller
700ml 53.7%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後3ヶ月程度
評価:★★★★★★(5-6)

香り:かりんとうやダークチョコレートのほろ苦く甘いアロマ。同時に梅やあんず棒の酸味、淡くベリー感。徐々にサルファリーな硫黄香、度数以上に強いアルコールのツンとした刺激も感じられる。

味:甘酸っぱく粘性のあるリッチな口当たり。かりんとう、レーズンチョコレート、カカオパウダー。じわじわとサルファリーでビターなニュアンスが支配的。
余韻は硫黄由来の苦味を伴い、ハイトーンでひりつくようなフィニッシュ。

度数以上に強いアタックがいかにも近年のギリーらしい。加水すると若干硫黄香は若干残るが、コクがあってマイルドな飲み口に。香りはハニートーストのような甘みも感じられる。ストレートよりは加水向きのモルト。


グレンギリーの免税店向けボトル。日本国内市場には12年ないしファウンダーズリザーブが中心ですが、実際は今回のシェリーカスク15年以外に、ビンテージシリーズなど様々なラインナップがリリースされています。
オフィシャル以外の領域を見ると、ここ数年は1990年代蒸留のリリースがボトラーズから増えてきて、その味わいは1990年代前半、後半、そして2000年代でそれぞれ変化があって個性としても楽しめる。もっと評価されていいのになあ、とこのブログ上で呟くのはこれが初めてではないですね(汗)。

さて、今回のシェリーカスクですが、当ブログでは素晴らしい写真でお馴染み、T.Ishiharaさんが「このギリーは美味い!」と絶賛されており、気になっていたボトルでした。
(グレンギリー蒸留所外観。いつの時代も独自の個性を持ち、愛好家からの評価も高い。Photo by T.Ishihara)

2000年前後、ここ最近のグレンギリーらしいハイトーンな酒質に、シェリー感は硫黄由来のニュアンスが底支えとなって甘酸っぱいベリー系のフルーティーさがあるイメージ。オフィシャル12年にも共通する酸味、オイリーなフレーバーもアクセントとして感じられます。
また1997年以降、グレンギリーはほぼノンピート原酒と言われており、この15年からも明確なピート香は感じません。

一方、近年のグレンギリーのシェリー系は硫黄が出ているものが多いイメージがあり、これもその例に漏れず。系統としては、先日記事にしたアデルフィのグレンギリー1998にも近い感じです。
樽はスパニッシュではなくアメリカンホワイトオークと推測。サルファリーなフレーバーは気になる人は気になると思いますが、気にならない方の満足感は高いと感じると共に、こういうボトルが時間経過でいい方向に変化するのではないか、とも感じます。
実際、このボトルは開封後1ヶ月以内の時点から、3ヶ月ほど経過した現時点まで様子を見ているものの、ギリーらしい個性が開いてきたり、既に変化も見られているところ。
将来の姿を想像しながら、テイスティングを楽しませていただきました。