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CRAGGANMORE
Distillers Edition 
Double Matured 
Distilled 2004
Bottled 2016
700ml 40%

グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封後2ヶ月程度
暫定評価:★★★★★(5)

香り:干し草のような乾いた植物感、アメリカンオークの癖とシロップの甘いアロマ、徐々に麦芽香もある。

味:スムーズな口当たりからほろ苦い麦芽風味、キャラメリゼ。干し草、やや薄めだがじわじわと土ぽいピートが染み込むようにほろ苦い味わいと共に感じられる。
余韻はスモーキーでビター、えぐみがある。カカオパウダー、アーモンド、を思わせるタンニンがはっきり感じられ、長く続く。

ルビーポートワイン樽で追加熟成されたためか、甘みに加えタンニンやえぐみといったニュアンスもスタンダードリリース以上に付与されている。今年のリリースは後者が少々強いイメージだが、40%加水でそれをまとめている印象。水を加えると甘みがより薄く、水っぽくなってしまう。


クラガンモアと言えば派手さはないが、華やかで柔らかい、麦芽風味主体のモルト。スペイサイドモルトですが、ハイランド的な特性が強く感じられます。
オールドボトルは特にそのニュアンスがわかりやすく、それがらしさとして感じられるところ。このダブルマチュアードはそうした酒質をベースに樽感が付与されているため、時に別物という仕上がりを見せることもあります。

今回の2017年流通品は、テイスティング記載の通りルビーポート樽由来と思しき甘み、それ以上にタンニンや樽のニュアンスが強く、いい部分も悪い部分も含めて、らしさはあまり強くない1本だなと感じます。
では蒸留所のらしさはさておき、全体の完成度はというと、小さくまとまっているイメージで、個人的にはこれもあと一手ほしい、中途半端さが。。。
結局のところ、クラガンモアという蒸留所は特別クオリティの高い樽に当たらない限りは、あまりいじることなく、そのままの特性を伸ばしたほうが良い仕上がりになるのかも。
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この一連のダブルマチュアードシリーズは、特に内陸モノは飲み手の好みによらず平均して飲めるだろうというリリースが少なくありません。万人受けというか、特に感動もしない変わりに「美味しいよね」と言ってもらえるクオリティが維持されている。
その中でも今年はダルウィニーに光るモノがある一方、クラガンモアは面白みに欠けると言わざるを得ない出来だと感じました。もっと出来る子だと思うのですが、ここ数年、キラリと光るクラガンモアのニューリリースに出会っていないのは残念です。