カテゴリ:
OBAN
Distillers Edition
Double Matured
Distilled 2001
Bottled 2016
700ml 43%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y’s Land IAN)
時期:開封後2ヶ月程度
暫定評価:★★★★★(5ー6)

香り:スモーキーで焦げたようなアロマ。ローストアーモンド、落穂。時間経過でエステリーでオレンジチョコ、カカオを感じるシェリーのニュアンス。微かに硫黄も。

味:ピリッとした口当たり、塩気、焦げたカラメル、焙煎した麦芽のほろ苦さ。合わせてメープルを思わせる甘みと微かに油絵の具のような癖、チェリー、プルーン、シーズニングのニュアンス。スモーキーでスパイスを伴うビターな余韻が染み込むように残る。

蒸留所の特徴という点ではブリニーな味わいにピートフレーバーと、ハウススタイルが感じられるように思うが、焦げたような苦みが目立ち少々アンバランスでもある。しかしこの原酒はどこで熟成させているのだろう。


ハイランドの港町で作られるウイスキー。オーバンは個人的に好きな蒸留所の一つ。ボトラーズ含めてリリースが少ないため、こうして毎年リリースされるMHDのダブルマチュアードが結構楽しみだったりします。

同リリースはアモンティリャード・フィノシェリーのシーズニング樽で2度目の熟成が行われています。
シェリーの性質上、オロロソやPXのように濃く仕上がりませんが、アーモンド、オレンジ、カラメルソースの甘みといったシェリーの由来の要素に加え、新樽からそのまま作るシーズニング樽らしく樽材から出たと思しき木のエキスの癖が混じっています。
(また、香りには微かにサルファリーな要素も感じられましたが、これは以前のリリースにはなかったような・・・。)

一方、ベースとなるモルト原酒としては、オフィシャル通常リリースのものと同じかと思いきや、ピートや焦げたようなモルティーさが、通常リリース以上にはっきりと感じられました。
MHDのダブルマチュアードは、毎年決まった時期に蒸留され、熟成された原酒によって作られているところ。1年のうち、この期間の仕込みはダブルマチュアード用、として切り分けているのでしょう。
同リリースは、ここ数年ビターなニュアンスが目立つ出来だったと記憶していますが、今年のものは特にその点がはっきりとして、樽感と乖離しているというか、ややアンバランスに感じられました。
開封後、少し時間を置いて"なれ"させた方がいいのかもしれませんね。