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GLEN ELGIN
Gordon & MacPhail
Connoisseurs Choice
Aged 36 years
Distilled 1968
Bottled 2004
Cask type 1st fill Sherry Casks
700ml 46%

グラス:木村硝子ティスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★★(7)

香り:皮付き葡萄、ほのかにベリージャム、カラメルソースのほろ苦さを伴う甘いリッチなアロマ。高貴なニュアンスがある。スワリングしていると麦芽の芯の部分、バニラを思わせる甘みが開いてくる。

味:まろやかだが少しベタつく口当たり。レーズンチョコレート、ほのかにカカオ、カラメルソース。ほろ苦さとあまずっぱさがしっかりと広がる。鼻抜けはベリーを含むフルーティーなシェリー香。
余韻にかけては麦芽風味、ややベタつく舌触りを残して長く続く。

ザ・GMという独特の甘みのあるまろやかなシェリー樽由来の香味から、淡く高貴な果実味。酒質由来の麦芽風味やほのかなピート香も感じられる。個性と樽感のバランスが取れた佳酒。加水調整によるひっかかりの少ない飲み口で、負担なく飲み続けられる。是非ストレートで。


現在のGMコニッサーズチョイスから、2世代前に当たる時期のボトル。個人的にはGMがGMであった時代というか、GMだからこそと感じるリリースでもあります。

それは色合いや風味に加え、このボトルが複数樽バッティングによるシングルモルトであること。
使われた原酒は1968年6月蒸留の1st fillシェリーカスク熟成のみで、味の傾向にブレもなく、恐らく当時のグレンエルギン蒸留所からニューポットをXX樽分として買い付け、まとめて自社保有の樽に詰めて熟成させていたのでしょう(結果蒸留時期が同じで味の系統も同じ樽が複数揃う)。

メーカーとしての規模に加え、長い歴史があるからこそ可能なリリース。
そのシェリー感は、近年主流になりつつあるスパニッシュオークの香木系ニュアンスを含むフレーバーではなく、カラメルソースのようなとろりとした甘みにウッディなほろ苦さが混じる独特のGMシェリーをベースに、ベリーや葡萄の果実味のある高貴なシェリー感のある構成。
先に書いたように樽の系統が複数樽の中で大きくブレている感じはなく、似た系統の樽でそれぞれ熟成されていると感じられます。

リリースの多かったGM社一連のシリーズ。店頭は難しそうですが、きっとまだBARや愛好家のストックとして眠っているモノも多いはず。
あともう2〜3本ストックしておきたいのですが、どこかに転がってないものか。。。

このグレンエルギンは、先日、友人との持ち寄り会に持ち込むので開封した一本。60年代のグレンエルギンというと、結構珍しいですね。GMなら大きくは外さないはず。。。と思ってましたが、やはりさすがの安定感です。
(さりげなく書かれているホワイトホース表記も個人的にグッときます。)

今から6年前、某ショップに売れ残っていたこのボトルを購入する際、同じコニッサーズチョイスで同じビンテージのグレンキースも在庫があり、どちらにするか悩んでエルギンにしたことをボトルを眺めていて思い出しました。

当時は3回蒸留時代のキースを買っておけば良かったかなと若干後悔したのですが、実はそのボトルは数年後に嫁経由で自分の手元に来るという奇跡的な縁を見せ・・・。なお、自分の好みを言えば、内容的にはダントツでこのシェリー樽熟成のグレンエルギンを買っておいて良かった。今のウイスキー市場を見ると、殊更そう感じます。