カテゴリ:
BALVENIE
Aged 21 Years
PortWood 
Extra Matured in Point Casks
700ml 40%

グラス:国際規格テイスティング
量:30ml程度
場所:持ち寄り会@マッスルKさん
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:リッチな甘いアロマ、バニラ、グリーンレーズンを思わせる酸味控えめでしっとりと甘いシェリー香、ふくよかな甘みを予感させる。徐々に乾いた牧草のような草ぽいニュアンスも混じってくる。

味:まろやかな口当たりから、バニラや麦芽、シロップのかかったホットケーキの甘み、微かにカシューナッツ。合わせてリンゴのカラメル煮のようなオールドシェリーのニュアンス。余韻にかけてはやや粉っぽさ、ドライな渋みも感じられるが、柔らかく染み込むように消えていく。

品の良いオールドシェリー感と、バニラや麦芽を思わせる甘みが備わった1本。度数ゆえに飲みごたえはそれほどでもないが、ゆるく家飲みする癒し系モルトにはぴったり。ハイボールはNG、加水もそれほど。チェイサーと共にそのままストレートで。


バルヴェニーポートウッドは、シェリー樽で熟成させた原酒を中心にバッティングしたシングルモルトを、ビンテージポートワイン樽でフィニッシュした1本。WEB情報では、元の樽で熟成されていたポートワインは30年モノ、フィニッシュ期間は1年間程度とのことです。
樽の性質か、あるいは期間の関係か、ポートワインというよりはベースとなる原酒のニュアンスがメインとなり、フィニッシュとして連想する、のっぺりと上からのしかかるような濃い味わいはあまり感じられません。

お恥ずかしいながら、このボトルについては初めてのテイスティングとなります。
というのも「ポートワイン樽で21年かぁ、イロモノっぽいっちゅーか高まらなさそうやなあ」と完全な勘違いによる飲まず嫌い。一口飲んで、らしさのあるふくよかなモルティーさ、品の良いシェリー樽熟成の甘みと香りを感じ、「あれ!?結構良いシェリー感じゃん!」と素で驚いてしまいました。
その後素性を調べて納得。無知は罪、とはよく言ったものですね(汗)。
マッスルさん、良い機会をありがとうございました。

(バルヴェニー蒸留所外観。グレンフィディックと同じ敷地にあり、仕込み水や麦芽も共通でありながら、原酒の性質は全く異なる。同社のラインナップ、ブレンドの幅に繋がっている。Photo by K67)

上で少し触れているバルヴェニーの酒質、らしさは、バニラや麦芽のふっくらとした厚み、柔らかい甘さにあると感じています。特に加水調整されたシングルモルトで感じやすいです。
一方、オフィシャルの12年や15年、あるいは一部リリースされているボトラーズのシングルカスクのハイプルーフは、逆にアタックが強く、少し草っぽさが強調されるような構成。このアタックの強さが加水するとコク、柔らかさに逆転するのでしょう。どちらかといえば加水か、長熟を含むバッティング向きの原酒だと思います。

その点、このバルヴェニー・ポートウッド21年は加水で整ったまろやかな飲み口と、上述のらしい味わいがしみじみと楽しめる。
実は終売したオフィシャルラインナップだと思っていたのですが、調べてみると近年までラベルチェンジして普通に販売が継続されていたんですね。
新しいものがどのような味わいになっているか、機会があれば試してみたいと思います。