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アラン21年
ARRAN
21th Anniversary
Limited Edition of 5988 Bottles
Cask type Oloroso Sherry Hogsheads
700ml 53.2%

【ブラインドテイスティング】
蒸留:ベンリアック
年数:20年程度
度数:50%程度
樽:リフィルシェリー系複数樽

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:50ml(サンプル@Sさん)
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:チョコレートを思わせる甘いアロマ、ハッカのようなスーッとするアルコール感、奥からほうじ茶、焦げたような木材のニュアンス、スワリングするとアプリコットのようなフルーティーさ、モルティな甘みも混じるが、基本的にはチョコレートと木材。

味:とろりとした口当たりからチョコカステラ、シーズニングシェリー系のプルーン、焼き芋のような香ばしさ、ウッディーでスパイシーな刺激へと繋がっていく。フィニッシュはドライでビターな香味が広がり、長く続く。
加水すると香り以上に味で好意的な変化が見られる。スムーズな甘みが広がり、バランスが非常に良くなる。

酒質はニュートラルで、香り、味共に樽由来の香味を邪魔しない、麦芽系のニュアンスのみがある。加えてツンとしたアタックの感じは、近年のベンリアックに近い印象を受ける。香味にブレというか幅があり、いくつかの樽をバッティングしたリリースだろうか。樽感は近年の擬似シェリー系だが、ファーストフィルホグスにしてはシェリー樽の要素が薄く、アルコール感もそこそこ残っているので、リフィルシェリーバット主体で複数樽ではないかと推測。


先日宮城のSさんとのサンプルトレードで出題頂いた、ブラインドテイスティング4連戦。
こちらの遅レスゆえ変則的になってしまいましたが、1問目は先日偶然にも投稿したマクダフ30年。タイミング的にはSさんのブラインドのほうが先でしたが、ミンティーなフルーティーさからマクダフ指定。そして2問目は飲みたいと思って飲めていなかった、アラン21周年記念ボトルでした。
(このブラインドのために4本プラスαで新規抜栓頂いたとのこと。。。ありがとうございます!)

同ボトルは、蒸留所創業年となる1995年から、1997年までの3年間に蒸留、オロロソシェリーホグスヘッドで熟成された原酒から厳選してバッティングしたという1本で、約6000本というリリースから、結構な量の樽が使われているようです。。。なんて月並みな説明は今更言うまでもないですね。
シェリー樽熟成のボトルであるコトは明らかなフレーバー構成ですが、20年熟成以上のホグスヘッドにしてはシェリー感はバランス寄りの仕上がり。テイスティングで感じた通り、ファーストフィルの濃い樽にリフィル系の樽も含まれているのかなと思います。

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(アラン蒸留所のポットスチル。新しい蒸留所だけあって配置はどこか近代的。この細長く伸びたネックが、雑味の少なく、かつ麦芽風味を残したプレーンな酒質に繋がる。Photo by K67)

アラン蒸留所は、一昨年に創業20周年を記念するボトルを発売したところです。
1995年蒸留の原酒オンリーで作られたこのリリースは、サルファリーな要素が気になって、悪くは無いのですが惜しいなという気持ちが拭えませんでした。
そして今回発売された21周年は、今年はもう周年は出ないだろうと思っていた中で、こんなの出すのかというレベルの不意打ち。飲んでみると20周年にあった硫黄系の要素が無く、ウッディなシーズニングタイプですが、良い意味で驚かされました。

個人的にはストレートより少量加水したほうが、味にまろやかさが感じられて良かったです。
ブラインドの反省点は。。。どうもこのアランのプレーンなキャラクターが取りにくいんですよねえ(汗)。
それ以外の要素はほぼ感じた通りなので、テイスティングとしては悪くないのですが、やはり悔しい。。。