ニッカウイスキー カフェシリーズの新商品を6月発売(レビュー有り)
新商品の2銘柄は、既存ラインナップであるカフェモルト、グレーンに次ぐ、カフェシリーズの一角に位置付けられています。
NIKKA COFFEY GIN
700ml 47%
NIKKA COFFEY VODKA
700ml 40%
※6月27日発売予定
※希望小売価格:4500円
元々ジンやウォッカは、蒸留機によって精製したアルコール。つまりウイスキー蒸留設備があるどの蒸留所でも作る事が可能であり、イギリス、アメリカ等では新興蒸留所を中心にオリジナルブランドが製造されている模様。
イギリスでは今、ちょっとしたジンブームにもなっているようですね。
日本はと言うと、愛好者は一定数居る中で、同じ蒸留酒でも少々マイナー領域と言わざるを得ません。
直近だと京都蒸留所がリリースするクラフトジン"季の美"が話題になりましたが、それも一部コアユーザー間であり、ましてウォッカなど。。。カクテルで飲まれることは多くあるも、そのまま、あるいはロックなどの飲み方は、ウイスキー以上に少数派と言っても過言ではない状況です。
かく言う私もBARでカクテルを注文したり、新商品が出ればテイスティングはしますが、ホワイトスピリッツを普段飲みにするかというと中々馴染めません。
(ジンやウォッカを愛飲されている方を否定する訳ではありません。)
そんな日本市場に、ジンとウォッカを投入するその心。ウイスキー愛好者の間では、熟成しないで販売できるホワイトスピリッツは、クラフトディスティラリーが「原酒が熟成するまでの間、繋ぎとして販売するもの」とする認識があり、商品がユーザーに受け入れられるか以上に「ニッカはそこまで原酒がヤバいのか・・・」と勘ぐってしまいました。
ただ、それは両リリースを一口飲めば、新規の市場獲得を狙っている、実に野心的なリリースであることが伝わってきます。
今回、クロスオーバーの販促サンプルと同時に、カフェジンとウォッカのサンプルも入手。様々な飲み方にトライしているところです。
なお、これらのサンプルはメーカーから直接貰っている訳でも、依頼されてるわけでもありません。知人繋がりで入手しているもので、以下は両リリースについての自分の本音ベースの話です。
後日個別に記事化しますが、まずは全体概要から。
カフェジンは、レシピに通常使われるジュニパーベリー以外、オレンジ、柚子などの和柑橘、そして林檎を使用し、一般に販売されているジンのギスギスとしてドライな飲み口とは異なる、柔らかく、どこか奥ゆかしい爽やかさが特徴的。更に山椒を効かせることで、余韻にかけてフレッシュな香気が立ち上ります。
カフェウォッカは、穀物の甘みとほのかな酸味、そしてコクのある口当たり。ここまで飲みやすいウォッカは記憶にありません。
どちらにも共通してアルコール臭さは少なく、一般的に流通している同ジャンルの既製品を飲み進まない自分が、冷やさず常温ストレートで抵抗無く飲めてしまうほどの飲みやすさがあります。
両リリースのコンセプトは、カフェスチルによって香味成分を多く残す、香り高く味わい深いスピリッツ。
ジンもさることながら、ウォッカは特に効果を感じやすく、カフェグレーンやカフェモルトより普段飲みに使える飲み飽きないバランス。その味わいは、下手なウイスキーなら代用品にもなり得るのでは。。。という印象です。
まさに日本人をターゲットとしたようなスピリッツ。舌の慣れているコアなユーザーからすれば、癖や刺激の物足りない味わいかもしれませんが、このリリースから入ってさらに様々な銘柄の魅力を経験出来れば、新しいブームに繋がる可能性もあります。
しかし物は良くても、厳しいことを言えば、その売り方でしょうか。
例えばハイボールブームの仕込みのように、CMや缶飲料などの手を出しやすいところから入るのではなく、いきなり本命をドカンと出して本丸を狙ってくるこの感じは、不器用だな〜という気がしてなりません。
値段も希望小売価格4500円、実売4000円前後となると、同ジャンルではプレミアムな価格帯。コアユーザーから注目されているレンジではありますが、果たして一般的な家飲みに馴染むか。。。という疑問もあります。
ただ、中身は自分の知る限り唯一無二とも言える魅力があり、これが一般市場に広く出回る面白さ。長寿となるか、短命で終わるか。
聞くところでは、5月13日、14日開催のバーショーでPRも行われるとのこと。反響を見ていきたいですね。(自分は今年の夏の家飲み用に、どちらも買うと思います。)
長々書いてしまいましたが、本日はこの辺で。後は個別レビューに続きます。
コメント
コメント一覧 (7)
飲食業をされている方ですか?
それとも、ショップの方でしょうか。
クロスオーバーに続いて大きなニュースですね。
ウォッカはスミノフを以前は買っていましたが、一昨年に製造元が変わり味が落ちたと評判でしばらくウォッカから遠ざかっておりました。
発売したらジンも含め1本ずつ買って味を見てみようと思います。
※1
あまり個人情報について訊かれるのは投稿主様が困惑するかと思われますよ。
はじめまして。ウォッカでしたらソビエスキが美味しいです。季の美も和美人も日本のスピリッツという事で原料は米ですが酒質の弱さが否めません。柔らかいとも表現されますがカクテルベースには弱いと感じました。ニッカのウォッカとジンは麦が原料でしょうか。非常に興味深いことは確かです。
投稿主様、プライベートに関して失礼いたしました。陳謝いたします。ご勘弁ください。
ご配慮ありがとうございます。
まさかニッカがカフェスチルでスピリッツを・・・聞いた瞬間驚くと共に、「何を考えているんだ、しかも4500円って強気すぎだろ・・・」と思ったのが本音のところでした。
キリンが連続式蒸留機で氷結を作っているという話は聞いていたので、ニッカお前もか・・・なんて考えてしまったのですが、ただ、飲んでみてそのイメージがガラッと変わったのは記事の通りです。
スミノフは。。。そう言えば韓国に製造が変わりましたね。友人のバーマンが嘆いていました。
このウォッカの味わいは、皆さんがどう評価するのか、自分も非常に興味があります。
コメントありがとうございます。
あまり気になさらないでください。
どこどこに勤めてます、なんてのは大っぴらにいう話ではありませんが、とりあえず飲食、酒販、酒類製造等に関わる職業ではありません。
ただ、こうして趣味を通じて知り合ったり、自分のことを応援していただいている方々から、こんなのあるよと声をかけてもらっているといった感じです。
所謂、酒の醸す縁、でしょうか。
キノビは確かにボディが軽いですね。冷やして飲む分には良いのですが、確かにカクテルには弱いのかもしれません。
カフェジンは麦とコーンを原料としたスピリッツがベースとなっています。(後日製造行程を含めた説明写真をUPします。)
柑橘系のフレーバーが柔らかいので、例えばジントニックなどではライムの量を調節する必要はあると思いますが、コクはしっかりあり、ベースとしては使いやすいように思います。
この辺はその筋の方の意見も聞いてみたいですね。
確かに、市場に出てみないと最終的な価格はわかりませんが、人気の高いNo,10と比較して1000円前後違う可能性がありますね。
ここは自分も強気だなと感じているポイントです。後は中身と比較してどう評価されるか・・・。