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LINLITHGOW
The Whisky Exchange
Aged 25 years
Distilled 1982
700ml 62.4%

グラス:リーデル
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(カームバー)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:ツンとハイトーンな香り立ち、鼻腔を刺激するアルコール感。生焼けホットケーキの生地、麦芽、微かにバニラと青っぽいニュアンスも感じられる。グラスの残り香はムワッとする麦芽香。

味:とろりとした口当たり、香り同様にハイトーンで強い刺激があるが麦芽系のニュアンスが強く、時間経過でバニラ、洋梨の甘みも開いてくる。またシトラスを思わせる爽やかさもある。
余韻はスパイシーでハイトーン、ややドライ。麦芽風味と微かな草っぽさを伴い長く続く。

口当たりは強く、3回蒸留のエッジの立ったローランドらしい香味。一方で麦感をベースとした濃さがあり、加水すると刺激が収まって一体感のある味わいに。ストレートでらしさを感じた後はぜひ少量加水も。


正直、良い印象のないリンリスゴー(セントマグデラン)の1980年代。
ただでさえこれというボトルに出会ったことがない蒸留所であるだけでなく、それも1982年蒸留で閉鎖間際の暗黒時代です。
個人的に"盛りコメ"ボトルの中でも盛大な盛りっぷりと感じるインプレッシブカスクのセントマグデラン25年とほぼ同スペックで、食指の伸びないリリースだったのですが・・・。
つい先日、帰省と合わせて普段伺わないBARに来店したところ、直近抜栓した中でのオススメボトルとのことで注文してみました。

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(京都カームバーのバックバーの一部。周囲をボトルに囲まれる配置、これは探り応えがある。。。)

ラベルのセンスが光る、2007年にウイスキーエクスチェンジがリリースしたちょい古ボトル。
一口飲むと麦系の厚みがしっかりとあり、アタックは強いがバランスは決して悪くない。思わずボトルスペックを忘れて1970年代蒸留かな?とか思ってしまいました。
樽はおそらくリフィルシェリー系でしょうか、あまり主張する感じはありませんが、品の良い果実味と爽やかさで、強くでている麦芽系の風味をアシストしています。

欲を言えば、もう少し果実味が強ければ★7確定でも良い、高まるモルトウイスキーだったろうなと思うのですが、この手の麦芽風味がしっかりあるモルトも最近貴重になってきたところ。逆にこうした熟成感から、乾いた木材のようなニュアンスが強くで過ぎていない点が、バランスの良さに繋がっているとも言えます。
こういうボトルは、まだ暫く寝かせておいても面白そうです。

ボトリングから約10年が経過し、度数と酒質由来のアタックの強さも多少丸くなっているのか、将来性も感じられた今回のテイスティング。
後10年、20年くらいは酒質的に問題ないと思いますが(コルクは気化したアルコールでやられる懸念がありますが)、現時点でも、往年のモルトウイスキーファンの琴線に響く1本だと思います。