ソサイエティ・ジャパンのボトルリストがヤバすぎる件
「〜〜がヤバすぎる」なんてタイトル、中身の薄いWEBマガジンみたいで使いたくはなかったのですが、正直この記事についてはこれ以上に適切な表現が見当たらず、あえてこの表現を使うことにします。
これまで、ソサイエティの日本支部は、ウィスク・イーが運営していましたが、昨年ソサイエティ本体の経営母体が変わったことを受け、日本支部もまた新たに設立されるザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサイエティ・ジャパン(以下、ソサイエティ・ジャパン)へと移行することが、本年2月に発表されていました。
そしてつい先日、ソサイエティ・ジャパンから、新体制での記念すべき第一弾となるボトルリストが届いたわけですが・・・この内容が一言で「ヤバイ」と、愛好家の間で話題になっているわけです。
元々、ソサイエティのボトルは蒸留所名が独自のナンバリングで表記されていたり、テイスティングコメントも「ポエム」的な表現が多用されているなど、オリジナリティ溢れるところが魅力の一つでした。
上の画像は、昨年末に配布されたボトルリストの一部です。
ソサイエティのNo.3はボウモアで、「マハルでのロマンチックなピクニック」「マハルの野草や花々をさざ波のようにふるわせる優しい潮風」などのコメントに、色合いが「結婚指輪のゴールド」とか、人前で話すと赤面してしまう程度にはポエミーです。
でもまあ感じるところがあるというか、ある種のネタというか、その他のコメントやスペックから想定できる部分も多く、それも含めてソサイエティボトルの魅力と言えます。
では、これが体制変更によりどう変わったか。前置きが長くなりましたが、先日届いた新体制後の初会報、ボトルリストの「完璧なテイスティングコメント」をご覧ください。
投光照明石油掘削装置ムーンプール。
ポパイ、トラガルファーにて。
未知のハーブ。
トラガルファーで敵の船を燃やす。
シャクルトン小屋の乾燥ペンギン。
秋のアダムとイヴより汚い楽しみ。
確実に、目玉が転がり。。。
我々の想像を超える何かであり、様々な意味で今回のリストにおけるベストボトルであることは間違いない。
No,53.240 カリラ
No,66.91 アードモア
ストレートでパーティーディナー、加水でデザート、仲の良い友人で集まった楽しい時間まで内包するカリラのコメントを締めくくる「16年間エックスバーボン樽」。
アードモアの「自転車修理店の救急箱のような様々な香り」、「かなりイライラさせるピート」、「減少した味わいに現れる情熱」、「油の中にある甘み(小さな宝石)」。。。
もはやポエムの域を超えている何か。
社会的地位によって何かが変わるアベラワー。工場にトリップして大工と交流することが出来るグレーンウイスキー。
人生は快適さの終わりから始まる。
メキシカンな朝食から始まる。
13年間オロローソ。
ラベルとボトルに関する説明、この辺も中々読み応えがある。
通常シングルカスクしかリリースしないソサイエティの伝統的なブレンド。
味覚審査官がカスクを選び抜き、秘密の検査官が書き記した完璧なテイスティングコメント。
きれいな樽強いウイスキーという何か。
しょっぱなから飛ばし過ぎじゃないですか、ソサイエティさん(笑)。
まあ、ポエムなコメントは以前から大なり小なり名作(迷作)がありましたし、新しい組織における翻訳の手違い等もあるものとしてさておき。
真面目な話、ボトルスペックにカラーチャートや使用樽、さらには度数すら書かれてないのは、選ぶ側からすれば致命的。それでいてソサイエティなのに蒸留所名が書かれており、親切心かもしれませんが会員が求めているのはそこじゃないのでは。。。

どうしてこうなった。現状はこの心境。
新しい組織への移行は混乱がつきもの。ウィスク・イーとの間でもいくつかのトラブルもあったようですが、ユーザーケアは別問題です。
さすがにこれはないと思いたいですが、ソサイエティジャパンの新しい担当者さんは、実はウイスキーに明るくないのか?
今回の一件を通じて逆に興味が湧きました。
5月に開催されるバーショーへにソサイエティジャパンとして出展されるようですが、まず間違いなく注目のブースになると思います。
愛好家の間では様々な意見、想いはあるところですが、ソサイエティ新体制での今後にも、注目していきたいです。
【ご参考:4/25日発売の全ボトルリスト】
コメント
コメント一覧 (6)
「贅沢すぎる贅沢」とかどんだけだよって感じですし、
「図書館でくつろぎながら水割りで」とか、図書館で飲んで良いんだ、って……
読んでいるだけで、しばらく時間をつぶせそうです(笑)
初期観測時代ではペンギンの干し肉でもストックしていたのでしょうか・・・
シャクルトン小屋の中で乾燥するぐらいペンギンが長居しているって事でしょうか・・・
どの道ポエミー通り越してウイスキースペックで見ること自体がアリエナイー(棒
テイスティングコメントだからこそ表現できることもあると思いますが、それにしても文化の違いというか、色々考えさせられるものがありますねw
今回のリストは本当に驚き、楽しませてもらいました(笑)
おっしゃるように、近年でもキラリと光るボトルがいくつかあり、このシングルカスクでありながら、これだけのクオリティというのはソサイエティの魅力でもあったように思います。
一方で、今回のは少々というかかなり装飾的な魅力になってしまいましたが、少なくともこのラフロイグは飲んでみたいです(笑)
コメントありがとうございます。
ペンギン肉でジャーキー作り?なのでしょうか、色々想像できない表現が多様されていて、だからこそ興味を惹かれるものがありましたw
そういえばWEB通販の方は多少コメントが改善されたそうですが、樽の種類は相変わらず書かれていないのだとか・・・まだまだ道は遠そうです(汗