オーヘントッシャン 12年 40% オフィシャル ブラインド

AUCHENTOSHAN
Aged 12 years
The Triple Distilled
700ml 40%
【ブラインドテイスティング】
地域:ローランド(オーヘントッシャン)
熟成年数:15年程度
度数:40%
熟成樽:シェリー樽を含む複数樽バッティング
暫定評価:★★★★(4ー5)
香り:ライ麦パンやアーモンドを思わせるやや酸を感じる樽香。使い古した油、微かに湿布のような薬っぽさ。奥から乾燥した植物っぽさ、エスニックスパイスを思わせる独特の癖。
味:軽い口当たり。パン、黒砂糖、若干の古酒っぽさを伴う甘み。サトウキビのような植物感、錠剤の薬のようなニュアンス。奥行きはあまりなく、すぐに余韻にある樽由来の苦味へと繋がる。
余韻はビター、チクチクとスパイシーな刺激が蓄積する。
使い古した油のような癖に、やや強めの樽感。その上で軽さが目立つ不思議なウイスキー。ローランドモルトだろうか。樽香は近年寄りで、昨年信濃屋からリリースされたOMCオーヘントッシャン2000と同じベクトルのアロマがあった。
使い古した油のような癖に、やや強めの樽感。その上で軽さが目立つ不思議なウイスキー。ローランドモルトだろうか。樽香は近年寄りで、昨年信濃屋からリリースされたOMCオーヘントッシャン2000と同じベクトルのアロマがあった。

(今回のブラインドは、後述するウイスキーショップ・ドーノックの協力で実施。色の濃いほうがオーヘントッシャン。薄い方のコメントはまた後日。)
ローランドモルト伝統の3回蒸留を今に伝える蒸留所、オーヘントッシャン。
3回蒸留を行ったモルトの特徴は、香味成分がその分少なくなることに起因しての奥行きの軽さ、ツンとした刺激を伴う口当たりでしょうか。
今回のブラインド含め、これまで飲んできた3回蒸留のモルトには類似の点があるように感じます。
悩ましい出題でしたが、テイスティングの中でその要素に気がつけたのが今回の大きな収穫だったと思います。
ローランドモルト(3回蒸留)のルーツは、アイリッシュウイスキーにあると言われています。
ローランド地方はウイスキーが消費される都市圏にほど近い立地から、かつてウイスキーの一大産地としてブームを呼び、アイルランドやスコットランド全域から移民があった中で、アイリッシュの3回蒸留もまたローランド地域に持ち込まれたのだとか。 ただ、考えてみるとオーヘントッシャン以外で3回蒸留をしていたローズバンクやセントマグデランらは既に閉鎖。ボトルがリリースされる機会も少なくなってきました。
近年ではダフトミルなどの新しい蒸留所で3回蒸留が行われているようですが、オフィシャルボトルが一般に出回らない限り、ローランドモルト=3回蒸留とは言い難い状況です。
ではローランドらしさはどこにあるのか。「軽い味わいにある」なんて言い切ってしまうのも、ただ軽いだけならスペイサイドやハイランドの一部蒸留所も近年は軽さが目立っており、少々強引であるような気がします。
とすると蒸留所を取り巻く気候が影響もしての樽由来の香味や発酵への影響を考えるのが妥当か・・・テイスティングを通じてあーだこーだと考えてしまいました。
さて話は変わりますが、自分はブラインドテイスティング推進派です。
テイスティングスキルの向上はもとより、関連情報に左右されない素のウイスキー評価に繋げるため、積極的にブラインドを取り入れています。
ブラインドテイスティングは一人では出来ません。この点については行き着けのBARはもとより、ウイスキー仲間から現在進行形で多くの出題を頂いているわけですが、さらに「純粋なブラインドテイスティング」を行うため、酒販店にサンプルの選定をお願いしてみることにしました。
この依頼を引き受けてくださったのは、50mlの小瓶販売に特化したウイスキー販売店「ドーノック」。
ブラインドテイスティングは一人では出来ません。この点については行き着けのBARはもとより、ウイスキー仲間から現在進行形で多くの出題を頂いているわけですが、さらに「純粋なブラインドテイスティング」を行うため、酒販店にサンプルの選定をお願いしてみることにしました。

この依頼を引き受けてくださったのは、50mlの小瓶販売に特化したウイスキー販売店「ドーノック」。
「たくさんの人にウイスキーを楽しんでもらいたい」「ウイスキーファンを増やしたい」という考えから、昨年末に福井県にショップを立ち上げたばかりで、ショップページは徐々に内容を充実させているところだそうですが、既に様々なコンテンツが公開されており、見応えのあるサイトとなっています。
株式会社ドーノック
サンプルは写真の通り50ml。解答は糊付けで厳封された封筒に入って届くため、開封するまで判りません。 ボトルも1本1本シールで封止されていて、非常に丁寧な仕事です。(業界法の関係から背面に中身に関するラベルが貼られていますが、到着時に第三者に剥がして貰っています。)
通常商品の購入以外に、例えば何かのイベントやテイスティングスクールなどで使うアイテムの相談をすることも出来そうです。
今回は自分が参加しているウイスキーの勉強会、The Whisky Diversの中で有志を募って実施。第一回目ということで試験的に実施して見たところ、「出題者が見えない」このブラインドはことのほか面白く、良い刺激となりました。
改善点等踏まえ、今後もテイスティングサンプルをお願いしていく予定です。
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