カテゴリ:
BENRIACH
Aged 17 Years
Finished in PX select casks
700ml 46%

グラス:名称不明
量:25ml
場所:BAR飲み(Caperdonich@新橋)
時期:開封後2ヶ月程度
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:ほのかにサルファリーで黒砂糖やチョコレートの濃い甘みを感じる香り立ち。奥にはアーモンド、ドライプルーン、徐々に湿った木材、椎茸っぽいアロマも感じられる。

味:リッチでねっとりとした口当たり。プルーンやデーツ、ビターチョコレート、ほのかに椎茸、硫黄、徐々にウッディーでタンニンが舌に染み込む。 余韻は序盤はビターだが、プルーンや黒蜜の濃い甘みが残る。

PXカスク由来の濃厚さと甘み、ウッディネスがしっかりと感じられる。メーカーコメントにある「シガーボックス」が、ピートと硫黄、どちらを意味するのか気になっていたが、残念ながら硫黄だった。


昨年12月に国内展開された、ビリー・ウォーカー時代の名残とも言えるウッドフィニッシュシリーズの一つ。
以前リリースされていたペドロヒメネスフィニッシュ15年の後継品、同15年よりも2年間長いフィニッシュで、さらに濃厚なフレーバーを獲得したと言う1本です。

ベースとなった原酒はリフィルアメリカンオークバレル(おそらくバーボンバレル)で熟成されていたものとのこと。PX樽の強いフレーバーがどっしりと覆い被さり、最初からシェリーだった原酒と比較して口当たりが多少軽いかな・・・という以外に、あまり原酒由来の個性は感じません。
樽由来の要素は甘みの濃い味わいであるため、硫黄要素が大丈夫な人なら適性があるウイスキーと言えますが、PX樽の独特なニュアンスは、シェリー樽好きといっても一括りには出来ないのが難点です。

グレンドロナック同様、ベンリアックはビリー氏が蒸留所を買収して以降、こうしたフィニッシュ系のリリースが一気に増えた感がありますが、このカスクマネジメントが同氏のウイスキー造りのスタンスなのでしょう。
あるいは、買収直後スタンダードな樽構成しかない中で、目新しさを出すための苦肉の策だったのかもしれません。
この他、シェリーバットのシングルカスクで700本ボトリングできる魔法のウイスキーなど、ビリー色に染まったベンリアックのストックはまだまだあるでしょうから、こうしたリリースは暫く続いていくのではないかと思います。