ベンリアック 12年 シェリーウッド ついに終売へ
シングルモルトウイスキーの入門者向けとして、あるいは愛好者のデイリーユースとして親しまれてきた「ベンリアック12年シェリーウッド」が、メーカー生産終了に伴い、国内在庫限りで終売となるという知らせが先日届きました。BENRIACH
Aged 12 Years
Matured in Sherry Wood
Matured in Sherry Wood
46% 700ml
【テイスティングノート】
ややドライでウッディーなニュアンスがあるが、スワリングしているとホットケーキシロップのような甘い香りに微かにレーズンを思わせる酸味が混じってくる。口に含むとキャラメルやカステラを思わせる甘み、ドライプルーン。ボディはやや軽めだが、度数があるので安定している。余韻は序盤の甘みに適度にウッディーな渋みを伴いゆっくりと消えていく。
ベンリアック蒸留所を買収したビリー・ウォーカー氏によるブランド一新の流れの中、シェリー樽100%の同銘柄が発売されたのは2009年のこと。
当時オフィシャルの同価格帯でシェリー系と言えばマッカラン、そしてグレンファークラスの12年。味が落ちたと評されて久しい両銘柄の"ポスト"として、時に比較されながら、らしい甘みとウッディーな香味で「コスパの良いシェリー系ウイスキー」の地位を確立していきました。
その後、2014年頃のラベルチェンジで、シェリー樽由来の甘みがドライでスパイシーな傾向に変化こそしましたが、それでも「初めに飲むならこの1本」と、オススメボトルの一つに挙げる愛好家も多かったと認識しています。
そんな人気ブランドが終売となる背景には、昨年の売却で経営母体が変わったことによる方針変更、あるいはシェリー樽の高騰・不足が顕著ということなのでしょうか。。。
まさに惜しまれつつ引退する名選手となってしまうわけですが、事実は受け止めるしかありません。この記事では今後愛好家が求める"ポスト・ベンリアック12年シェリーウッド"の候補となるボトルをいくつか書き出して、結びとします。
まず同系列のグレンドロナック12年。ペドロヒメネス樽を使っている関係か、甘みが強く少し椎茸っぽいニュアンスが混じるようにも感じますが、紹介するまでも無く鉄板です。
後はシェリー樽100%ではないものの良い仕事をしているダルモア12年、飲みごたえは少し緩いですがシェリー樽の香味が豊富なアベラワー12年、タムデュー10年がその次点に続く。
後はシェリー樽100%ではないものの良い仕事をしているダルモア12年、飲みごたえは少し緩いですがシェリー樽の香味が豊富なアベラワー12年、タムデュー10年がその次点に続く。
また、ベンリアックのポストというには多少癖がありますが、クリーミーさが魅力のエドラダワー10年も悪くない。ブレンデッドではネイキッドグラウス12年もオススメです。
もし上記のボトルの経験が無いという方は、ベンリアックの在庫を買い求める以外に新しい発見のきっかけとして、色々試して見る良い機会ではないかと思います。
コメント
コメント一覧 (2)
同銘柄はまさしく、ファンでして。家に切らさないようにしておりました。
2年ほど前でしょうか、値上げが行われた前後だと思うのですが同銘柄らしい赤みがなくなり、シェリー樽熟成かもわからないような色になった時期があります。味もどこか若々しく樽に力がないのかニューメイクのような味わいも感じました。
しかしここ最近はまた以前のような赤みも戻り、原酒のマネジメントに苦労しつつもクオリティ重視で嬉しく思っていたところに...今までありがとう。
ファンの方々にとっては残念なニュースでしたね。
あの当時、ベンリアックの味の変化は「あれ、いつの間に!?」という感じで、ラベル上部のSherry Wood表記が一回り以上小さくなった変化に、「これがリリースに使える樽の質の違いを表しているのか・・・」などと思ったりもしました。
ドロナックなどもそうなのですが、一度悪くなったあとで最近はバランスが良くなったボトルでもあったように思います。
無くなってしまうのは残念ですが、最近は同様に良くなってきているボトルも見られるので、安住の地を求めての旅路、自分のブログがガイドになれば幸いだと思っています。