カテゴリ:
ARMOR
Highland Blended Whisky
Aged 21 Years
1980's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:不明
評価:★★★★★★(6-7)

香り:華やかな熟成香、リンゴのコンポート、熟した洋梨、ひっかかりのない円熟したフルーティーさに、バタークッキー、徐々に穀物を思わせる乾いたニュアンスも感じられる。

味:まろやかでリッチな口当たり、エステリーで甘酸っぱいドライアプリコット、蜂蜜、乾いた麦芽風味から、徐々にスモーキーで内陸系のピートが開いてくる。
余韻はほろ苦く土っぽいピートフレーバーが染み込むように残る。

モルティーなオールドブレンデッド。ストレート以外はロックでも温度差で開く熟成香を楽しめる。


八王子にある酒屋、京晴さんが1980年代に輸入していたウイスキー。
この他に、ピュアモルトの8年、12年、ブレンデッドの21年、シングルモルトの18年、20年などがあり、実はどれもなかなか良い出来です。
今回テイスティングした21年も、1980年代に味を落としたブレンドメーカーが多いことを考えると、モルティーな熟成香が充実していて上出来な部類。ハイランド表記があるあたり、内陸系の原酒で構成したものと推測します。

このブレンドを作ったピーター・J・ラッセル社はグループ企業としてブレンデッドメーカー、ボトラーズメーカーを複数持ち(代表的な銘柄はチーフタンズやシールダイグなど)、かなり豊富な原酒を調達できる環境にあったようです。
ただしアーマーのような短期間のみ生産されたボトルとなると、手元にあった原酒で作った可能性も否定できず、使用原酒の特定は困難に。まあハイランドの中でもディーンストンのような個性の強い蒸留所ではなく、ストラスアイラ、タムデュー、ダフタウンのような、素性の良い原酒がメインではないかと思います。

(アーマー・シングルモルトの18年と20年。中身はグレンファークラスと言われている。どちらも1988年頃の流通、ふくよかなシェリー感で角瓶時代のファークラスの味わいが楽しめる。一時期までは隠れた銘酒だった。)

ちなみにこのアーマー21年特級表記ですが、2年前に来店した際は京晴さんの店頭で普通に売っていました。
WEBサイトを見るとまだ在庫もあるようですが、連動してるのかなあ(汗
たまにコルク臭が移った個体があるようですが、構成原酒である1960年代蒸留の片鱗も楽しめる1本だと思います。