ブラックニッカ ブレンダーズスピリット 60周年記念 43% レビュー

BLACK NIKKA
BLENDER'S SPIRIT
NIKKA WHISKY
2016's
700ml(50ml) 43%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:50ml(販促用サンプル)
場所:自宅
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★☆(5-6) (!)
香り:注ぎたての瞬間はバナナクリームを思わせるような若干の若さ。スワリングするとリンゴや洋梨を思わせるエステリーで華やかな熟成香、その奥からクッキーやシリアルを思わせる甘さと香ばしさに、ピートスモークと微かな硫黄も感じられる。時間経過でこれらは馴染んでいく印象もあり、変化もありそう。
味:甘くまろやかな口当たり。香り同様に一瞬若さを感じたあとで、キャラメル、香ばしい麦芽やナッツの風味、淡く硫黄。中間からはグレーンの甘み、じわじわとピートフレーバーが存在感を増してくる。
余韻はピーティーでほろ苦く、葉巻のような甘いスモーキーさを感じた後でゆっくりと消えていく。
まろやかで嫌味の少ないブレンデッド。
まろやかで嫌味の少ないブレンデッド。
ロックにすると非常に飲みやすく、味わいに感じられた香ばしさや甘さはかりんとうのようでもあり、抵抗無く飲み進められる。
もちろん実売2000円から2500円前後という価格設定であるがゆえ、色々と制約があったと思われる原酒のフレーバーも感じますが、この価格帯のブレンデッドとは思えない複雑さ、しっかりしたアロマとスムーズでまろやかな飲み口、安いブレンデッドにありがちな後半以降のべたつき、嫌味が少なく、すっきりと消えていくスモーキーな余韻。。。
誕生は1956年、当時ニッカには本格的なグレーンウイスキーを製造する連続式蒸留器はなく、また当然宮城峡のモルトもなく。限りなく制約の多い中で作られたウイスキーでした。
その後、ニッカを代表する要素の一つとなるカフェ式連続式蒸留器が兵庫県西宮工場に導入され、1965年にはカフェグレーンがブレンド。1969年に操業した宮城峡の原酒も間もなく使われはじめ、現在の姿に近づいていきます。
ブラックニッカはあくまで手軽に楽しめる本格ウイスキーとして、普及価格帯の千円台に拘り、今は残らない様々なリリースを行ってきました。
近年では、より多くの人々にウイスキーの魅力を発信するべくブラックニッカクリアブレンドが誕生。ウイスキーブームとして本格的なウイスキーの需要が増え始めた昨今は、リッチブレンド、そしてディープブレンド、復刻版などをリリースしたのは記憶に新しく、文字通りスクラップ&ビルドを繰り返し、賛否両論を積み重ねた先に、今のブラックニッカの姿があります。
このブレンダーズスピリットは、そうした同ブランドの軌跡を全て込めたブレンド、という位置づけ。
構成原酒には、
・ブラックニッカが誕生した1956年蒸留の余市原酒。
・余市の新樽原酒。
・余市のヘビーピート原酒。
・宮城峡のシェリー樽原酒。
・グレーンは1999年まで西宮工場で造られたグレーンから最長25年以上熟成した原酒。
ハイボールも良さそうだが、粘性のある甘さと煙草を思わせるピートフレーバーが、ソーダと馴染むまで少し時間が必要な印象。発売後に再挑戦したい。
ニッカファン期待の新商品、ブラックニッカ誕生60周年を記念した、ブラックニッカ・ブレンダーズスピリット。この商品は11月1日発売ですが、発売日まで1週間を切ったところで販促用サンプルのレビューを掲載します。
まず、関連する薀蓄は後回しにし、香味の部分にフォーカスして紹介していきます。

ニッカファン期待の新商品、ブラックニッカ誕生60周年を記念した、ブラックニッカ・ブレンダーズスピリット。この商品は11月1日発売ですが、発売日まで1週間を切ったところで販促用サンプルのレビューを掲載します。
まず、関連する薀蓄は後回しにし、香味の部分にフォーカスして紹介していきます。
伝え聞く様々な情報から期待は膨らみつつも、「で、味は?」というのが、きっとファンの本音だと思います。
端的に言うと「お世辞抜きにブラックニッカの60周年に相応しい、作り手の気合を感じる1本」で、後々「あれ、良かったよね」と言われるリリースだと感じました。
端的に言うと「お世辞抜きにブラックニッカの60周年に相応しい、作り手の気合を感じる1本」で、後々「あれ、良かったよね」と言われるリリースだと感じました。
熟成原酒由来の華やかさ、グレーンの甘さ、穀物感。シェリー原酒由来のコクのある甘味とほのかな硫黄。
余韻にかけて存在感を増す余市原酒のスモーキーフレーバーに、今は亡き余市10年を感じる。思っていた以上にテイスティングの楽しさがあり、充実した構成です。
もちろん実売2000円から2500円前後という価格設定であるがゆえ、色々と制約があったと思われる原酒のフレーバーも感じますが、この価格帯のブレンデッドとは思えない複雑さ、しっかりしたアロマとスムーズでまろやかな飲み口、安いブレンデッドにありがちな後半以降のべたつき、嫌味が少なく、すっきりと消えていくスモーキーな余韻。。。
個人的な好みを言えば、シェリー樽原酒由来の硫黄は若干気になりますが、その他の要素の中でフレーバーの一つとしてバランスを保っています。
このブレンダーズスピリッツの位置づけを語る上で欠かせない、ブラックニッカ60年の歴史に触れていきます。
誕生は1956年、当時ニッカには本格的なグレーンウイスキーを製造する連続式蒸留器はなく、また当然宮城峡のモルトもなく。限りなく制約の多い中で作られたウイスキーでした。
その後、ニッカを代表する要素の一つとなるカフェ式連続式蒸留器が兵庫県西宮工場に導入され、1965年にはカフェグレーンがブレンド。1969年に操業した宮城峡の原酒も間もなく使われはじめ、現在の姿に近づいていきます。
ブラックニッカはあくまで手軽に楽しめる本格ウイスキーとして、普及価格帯の千円台に拘り、今は残らない様々なリリースを行ってきました。
近年では、より多くの人々にウイスキーの魅力を発信するべくブラックニッカクリアブレンドが誕生。ウイスキーブームとして本格的なウイスキーの需要が増え始めた昨今は、リッチブレンド、そしてディープブレンド、復刻版などをリリースしたのは記憶に新しく、文字通りスクラップ&ビルドを繰り返し、賛否両論を積み重ねた先に、今のブラックニッカの姿があります。
このブレンダーズスピリットは、そうした同ブランドの軌跡を全て込めたブレンド、という位置づけ。
構成原酒には、
・ブラックニッカが誕生した1956年蒸留の余市原酒。
・余市の新樽原酒。
・余市のヘビーピート原酒。
・宮城峡のシェリー樽原酒。
・グレーンは1999年まで西宮工場で造られたグレーンから最長25年以上熟成した原酒。
・宮城峡で作られた長期熟成グレーン。
など、これまでブラックニッカのターニングポイントやコンセプトにもなってきた原酒が使われていながらも、「おいしいウイスキーを、より多くの人に」という同ブランド従来からの方針はそのまま、12000箱(144000本)と十分な生産本数が確保されています。
その香味には、先にも書いたように幾つかの原酒由来と思しき要素を明確に感じることが出来ます。
1956年蒸留の60年熟成原酒がどの程度入っているかは少量だとは思いますし、新樽と思しき若い原酒も相当量使われているのでしょう。
など、これまでブラックニッカのターニングポイントやコンセプトにもなってきた原酒が使われていながらも、「おいしいウイスキーを、より多くの人に」という同ブランド従来からの方針はそのまま、12000箱(144000本)と十分な生産本数が確保されています。
その香味には、先にも書いたように幾つかの原酒由来と思しき要素を明確に感じることが出来ます。
1956年蒸留の60年熟成原酒がどの程度入っているかは少量だとは思いますし、新樽と思しき若い原酒も相当量使われているのでしょう。
ただ、"長期熟成原酒"を使ったという話はただのセールストークではないようで、強めた個性の要所要所をまとめ上げて全体のバランスを向上させています。
まさに、ブレンダーの技(魂)を感じる構成です。
竹鶴21年のような華やかな味わいでもなく、鶴17年のようにリッチなブレンデッドでもなく、ブレンダーズスピリットはあくまでブラックニッカなのですが、これは言うならばスーパーブラックニッカ。
おそらくボトルを予約されている方も多いと思いますが、購入された後、是非1杯はテイスティンググラスでストレートを楽しんで欲しいですね。
ウイスキーって、おもしろいですよ!
コメント
コメント一覧 (11)
原酒の構成を見ても結構力がはいってるなーとは思っていました。
ただ今のニッカの商品は、原酒不足の煽りをうけまくったラインナップですので
そのような中で迎えた、ブラックニッカ60周年、実は期待半分な感じでしたが、
いい意味で裏切ってくれそうで、発売が楽しみです。
昨年末に余市にマイウイスキーを取りに行った際にブレンダー陣にこのボトルの件を聞いてみたのですがどの方も歯切れ悪いコメントばかり、、
復刻ボトルラッシュやら原酒不足からのラインナップ変更の最中だったので使える原酒が相当絞られてただけでなくマーケティング上も色々みたいなコメントで、いい原酒がコスト的にも使えなさそうな雰囲気があってかなり不安だったので。
何にせよ期待を持って開栓出来るので嬉しいです。
グラス:キリンテイスティンググラス 量:100ml
香りは程よく、アルコール臭はあまりしないく、味はやや薄いような気がしました。
当然ながらストレートではシングルモルトとは違った、弱いブレンド的な味がします。
加水で呑むのであれば、その量は僅かな方が良いようです。
トワイスアップでは持ち味が消えてしまうような感じでした。
店頭にある内に追加購入する予定です。
新発売のボトルを飲むのはワクワクしますね。
明日は、先週、ヘリオス酒造から発売された「暦」を飲んでみようと思っています。
しっかりとしたピート、バランスのとれた甘味、飲み方を選ばない素晴らしい出来でしたが、もう少し味に奥行きがあればなお良かったと思います(値段のわりには頑張ってると思いますが)。
個人的には、G&Gなどに感じる”ニッカらしさ”を久しぶりに感じた気がします。ぜひ、長いスパンで楽しみたい逸品ですね
ブレンダーズスピリット、もう飲まれましたでしょうか。
自分も同様の印象で正直どうかなと思っていたのですが、サンプルを飲んでみてビックリしました。
ニッカの本気を見た気がします。こういうリリースを今後も期待したいです。
え、昨年時点でこのボトルってリリース決まっていたんですか!?
確かに考えてみたらブラックニッカ60周年はカウント出来ますが、自分は全く予想してませんでしたw
昨年時点だとまだ構想段階でコメントしきれなかったか、こんなんじゃダメだ!と大鉈が振るわれたか。
何にせよ良いリリースですから、今後も続けて欲しいですね。
感想共有ありがとうございます。
確かに味の中間から変化はブレンデッドだなという感じがありますし、加水やロックなどでの変化も同様ですね。
ただ飲みやすさと変なえぐみのようなフレーバーがないのは、この価格帯では流石だなと。
在庫があるうちに何本か買っておいてもいいかもしれませんね。
コメントありがとうございます。
まさに往年のニッカを思わせる味わいで嬉しくなりますね。
新たに始めた人も、昔からのファンも、笑顔で楽しめるボトルだと思います。
味の奥行きは。。。まあ価格が価格ですからw
予約受付されましたね。
気軽に買えるのはいい事だなぁ
味がどうなるかだがちょっと心配ですが
コメントありがとうございます。
再販、という話が出ていますね。
実際どうなのか、実は最近バタバタしててそちらにアンテナを広げられてないので情報が入ってきていないのですが、味が変わらない(あるいは更に良いもの)なら良いですね。
モノが手に入ったら飲み比べたいと思います。
2500円にしては破格だな、と改めて実感。当時、我がブログでS評価を勢いで付けたものの、今も後悔はしていません。
つい7年前は、竹鶴12年が2000円台、17年が4000円台だったことを考えると、ハイボールブーム前夜は、一番贅沢ができたのだな、と改めて実感する今夜です。