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ABERFELDY 
Highland Single Malt 
Aged 28 Years 
700ml 40% 

グラス:サントリーティスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(GOSSE)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:リッチで甘く華やかな香り立ち。はちみつ、バニラ、リンゴのコンポート、合わせて麦芽、干し藁の嫌味のない香ばしさ、植物感。軽やかにドライでバランスの良さを感じる。

味:まろやかで甘い口当たり。しっかりとした麦芽風味、おしろい、ワクシー、オーキーなニュアンスは蜂蜜、洋梨、かすかに白桃のニュアンス。リッチで麦芽風味に濃縮感がある。
余韻は軽やかなウッディネスを伴ってドライ。微かな土っぽさを伴うほろ苦い麦芽風味と干し藁、淡い蜂蜜の甘みがあっさりと消えていく。


仲間内でちょっとした話題になっているボトル、アバフェルディの免税向け(?)リリース28年。
アバフェルディは、ウイスキードリンカーからすればオフィシャルリリースにハズレ無しと言えるほど信頼性が高い蒸留所。特にシングルカスクはバーボン、シェリー問わず良いモノが多い印象で、近年リリースで突き抜けた1本が存在するだけでなく、通常品でも21年が抜群の安定感です。

この28年は某酒屋さんが告知したところ、ものすごい勢いで購入希望者が殺到。もちろんこの酒屋さんが信頼できるというのもありますが、それは前段階としてアバフェルディへの評価があってのことと思います。


同蒸留所のキャラクタはー、ハイランドの基本的なスタイルとも言える麦芽や蜂蜜の甘みに、樽に応じたフルーツ感、程よくドライでバランスの良い酒質というのが自分の印象。
今回のボトルは、そんなキャラクターを濃縮したような味わいで、度数は通常品と同じ40%でありながら、口に含むとどっしりとした麦芽風味、バニラ、林檎などの濃いフレーバーが広がり、バランスも良好です。
樽の構成は複数使われているのでしょうが、リフィルホグス系が主体の通常ラインナップの延長線上という感じで、尖ったところはなく、しっかり磨き上げられている印象を受けます。

可能であれば40%ではなく46%、48%の仕様を飲んでみたいボトルでもありますが、これは40%加水だからこそ得られるバランスであり、飲み進めることで差が出てきそうです。
突き抜けて陶酔する味わいではありませんでしたが、この完成度は加点せざるを得ませんね。

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ちなみに、先にも述べましたが同蒸留所のラインナップには同系統のフレーバーを備えた21年があり、これもまた旨いのです。
もちろん21年とは完成度に差がある印象で、例えるなら28年が高級フレンチレストラン、21年は評判の下町のレストランという感じですが、どちらも美味い料理は出てくるイメージ。
今回テイスティングした28年は、ボトルそのものの良さだけでなく、オフィシャルラインナップ全体に通じる良さの評価軸となるようなグットリリースでした。