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BOWMORE
TEMPEST
Batch No,1
Aged 10 Years
Bottled 2009
Cask type 1st fill bourbon
55.3% 700ml

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後3~4ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:磯っぽさとスモーキーな香り立ち、グレープフルーツ、オレンジピール、ほのかにハッカ。最初はツンとした溶剤系の刺激があるが、時間経過でカスタードのような甘みに加え、紙っぽいニュアンスも感じられる。少量加水するとヨードの甘み、磯系のアロマが際立つ。

味:オイリーでとろりとしたコク、力強さと厚みのある口当たり。フレーバー構成はオーキーで、バニラ、焦げたキャラメル、熟したパイナップル、グレープフルーツピール、土っぽいほろ苦さと鼻腔に抜けるヨードとスモーキーさ。余韻はピートスモークと淡くウッディーな渋み。ピリピリとしたスパイシーさが舌の上に広がる。
少量加水するとオーキーなフルーティーさが強くなると共に、余韻の戻りでトロピカルなニュアンスも感じられる。


今となっては懐かしい、テンペストのバッチ1。バーボンバレルのみを使った、所謂近年系リリースの代表格とも言える構成です。
バーボンオーク系のリッチなフレーバーに、ボウモアらしい磯っぽさとスモーキーさが加わっているだけでなく、余韻にかけて広がるフルーティーさが1960年代蒸留のそれを彷彿とさせると評判のボトルでした。
10年表記で味わいから推察するに構成原酒は1998や1999年の蒸留が中心。このビンテージ(特に1999年)はフルーティーさという点ではボウモアの当たり年と言っても良いレベルのボトルが数多くリリースされている印象です。

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(テンペストのフルーティーさはパパイヤやマンゴーというより、パイナップルやグレープフルーツ。先般からオマケで記載している沖縄旅行には、テンペストバッチ6を持参し、南国フルーツとボウモアのコラボを堪能。)

テンペストは1年に1度、樽構成は同じでもキャラクターは変わりながらリリースされ続けており、ボトラーズ、オフィシャル含めボウモアの基準になるボトルだと感じています。
バッチ3、バッチ4で若干迷走しましたが、ここ2年間は復調気味。最近リリースされたバッチ6と比較すると、バッチ6のほうがわかりやすいフルーティーさと勢いがあり、ハイボール向きだと感じます。
ストレート、少量加水で飲んだ時の味の厚み、複雑さはバッチ1やバッチ2が強いですが、逆にバッチ1は樽感の強い関係からハイボールはややボケた印象になることもしばしばです。

今でこそこうしたキャラクターのボウモアは「当たり前」になりましたが、このテンペストがリリースされた2009~2010年当時、ボウモアのカスク系リリースといえば、市場にあるのはパフューミー要素から抜け出せ切れていないカスクストレングスとダスクなどで、明確に旧時代と線引きが出来ていたのは12年くらいでした。
時期的には蒸留は90年代に入っていたものの、上位グレードには 80年代の原酒を使い続けていたのでしょう。18年などは2016年現在でもまだパフューミーです。
そう考えると、このリリースは旧時代からの脱却と言っても間違いは無く、愛好家の感動は相当であったようにも思います。

リリース当時の国内流通価格は、サントリー強気の1万円。しかし平行品が超絶円高(1ドル80円前後)で5000円前後で入り始めたことで値崩れ、リリースから1~2年後には随分入手しやすい価格で購入できた記憶があります。
ボウモアのボトラーズリリースは、このテンペストを超えなければならないわけですから、とんでもないハードルを作ったものだと、飲むたびに感じるわけです。

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というわけで、沖縄シリーズ。昨日が旅行最終日であるため最終回。水平線の夕日です。
過去何度も見てきた海と夕日のコラボですが、必ずしもこのような夕日にならないこともあり、旅行期間中に見れるという一期一会の景色は何度見ても良いモノ。
台風が近くまで来ていましたが、天気が持ってくれて本当に良かったです。