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LINK WOOD
Moon Import 30th Anniversary
"THE SEA"
Aged 26 Years
Distilled 1984
Bottled 2010
700ml 46%

グラス:国際規格テイスティング
量:30ml以上
場所:持ち寄り会(@極みの会)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:柔らかいが厚みのある香り立ち。干し藁の香ばしさと乾いた植物感、ハッカを思わせる爽やかさに、微かにドライアップル、土っぽいピート香から徐々にスモーキーフレーバー。

味:スムーズだが厚みのある口当たり、蜂蜜のコクと甘さ、麦芽風味。皮付きの洋梨、内陸系のピートフレーバーが広がって、ほろ苦くスモーキーな余韻につながる。
いい意味で雑味のあるウイスキー、加水からフレーバーのまとまりも良い。


イタリアのボトラーであるムーンインポート社が開業30周年を記念してリリースしたうちの1本。
THE SEAはその名の通り海を銘打ったシリーズですが、アイラなどの島モノでリリースが構成されているわけでもなく、このリンクウッド以外にマッカランやスペイバーンなどの内陸系モルトも数多くリリースされていました。
また、このボトルは同社創業30周年記念であるにも関わらず、創業年の1980年ではなく1984年蒸留のリンクウッドというのも、なんともらしいですね。

そのラベルには海は海でも古代の海に生息する生物が書かれているものの、綺麗と言うよりは芸術的な独特なタッチのモノが多く、それが逆に目を引きます。
ムーンインポートからはこのシリーズだ以外に、人、花、動物、服、靴、車・・・同じようなトーンで様々なイラスト(もはや絵画)をプリントしたラベルでのリリースが行われていました。
値段は高かったですが、中身も良いものが多く、"飾るだけで無く飲める芸術"と言えるかもしれません。 
最近は様々なボトラーズメーカーが、中身とはあまり関係の無いイラストでシリーズを作ることも多くなりましたが、思えばムーンインポートは先駆けの一つだったんだなと感じます。

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(以前飲んだムーンインポートの2本。アードベッグとグレンキンチー。特にグレンキンチーは同蒸留所の中でのベストボトルに数えたいほど。)

そんなムーンインポート社が、創業30周年記念に詰めたうちの1本が今回のリンクウッド。
ビンテージは1984年という自分の生まれ年・・・ではなくて、とスコッチウイスキー的にはあまり良いビンテージでは無く、当たりを探すのが難しい時代。

これまでも1980年代のリンクウッドはいくつか飲んできましたが、リンクウッド蒸留所の1960年代、70年代初頭にあったスモーキーで厚みのある味わいを失っている時代・・・という先入観を覆す、かつてのリンクウッドに共通する芳醇さのあるグットボトルでした。
加水ですがコクがしっかりあり、良い意味での雑味、麦芽風味の広がりに内陸系のピーティーさ。
ムーンインポートが詰める原酒は最高品質のものだけ、なんて話も聞いたことがありましたがそれを裏付けるような構成に、びっくりしておかわりしてしまいました。
今回は口開けでこの味わいですから、今後さらに開いていくのだろうと思います。


さて、THE SEAシリーズの投稿にかけて、こちらもTHE SEAです。
ホテルからのオーシャンビュー。連休と夏季休暇を使って家族で沖縄に来ています。
直前まで台風16号と次弾装填の低気圧の動きにやきもきしていましたが、合間を縫う形で旅行期間中は天気良好のようです。
家族旅行なので釣りや酒絡みの話は難しいですが(不覚にも釣り竿すらもってこれなかった)、のんびりバカンスしてきたいと思います。