カテゴリ:
SUNTORY WHISKY
TOKI
Japanese Blended Whisky
750ml 86proof (43%)

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅(@サンプルテイスティング)
時期:直近開封
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:ツンとした刺激、軽やかで華やか、乾いた木材を思わせるオーク香、蒸かしたサツマイモや薄めた蜂蜜の甘いアロマ、微かにハーブの爽やかさもある。奥には幾つか異なるニュアンスがあり、少量の加水で前に出て複雑さが増してくる。麦芽香、焦がした木材、徐々にバター飴のような甘い香りも感じられるが、あまり長くは持続しない。

味:スパイシーな口当たり、香り同様にオーキーでドライな口当たり、中間から後半にかけては粘性のあるモルティーなコク、干し藁を思わせる香ばしさ、総じてバランスは良い。
余韻は軽くスパイシーであっさりしており、微かなピートフレーバーと麦芽のほろ苦さを感じる。
少量加水すると口当たりは滑らかで、オーク系の華やかさにドライアップルを思わせる酸味も感じられる一方、若い原酒のえぐみやべったり感が後半にかけて強調され、全体を通してはストレートよりやや単調な味わいになってしまう。


サントリーがアメリカ、カナダ市場向けの限定ボトルとして、今年6月に発売したブレンデッドウイスキー「季」(TOKI)。 
日本市場にニューリリースが無いと思ったら、買収したビーム社のお膝元、アメリカ市場に出してやがりましたか。
構成原酒は山崎、白州、知多のサントリー御三家。その中でもホワイトオーク系の樽で熟成された白州原酒に、知多のヘビータイプグレーンをキーモルトとしているようです。
この感じだと山崎もパンチョン系の原酒だと思いますが、味わいから他にも色々使ってそう。ソース不確定ながら、白州は12年程度熟成した原酒をベースにしているという話もあります。

そんな情報の通り、香味共にアメリカンホワイトオークの乾いた木材のようなオーキーなフレーバーが主体。シングモルトでは珍しくもない香味ですが、ブレンドでここまではっきりとあるのはスコッチではあまりないタイプです。
またヘビータイプグレーンを使っていることもあってか、ブレンデッドウイスキーながらスペイサイドの平均的な12年モノくらいの飲み応え、味の広がりは感じられ、単にオーキーなだけでなくいくつか潜んでいるフレーバーに複雑さも感じます。

バランス良く嫌味も少ないブレンデッドですが、若い原酒も使われているためか、香味の持続力が弱い気もします。特に加水は総合的に見るとそうした要素が出てしまい、あまり良い変化とは言えませんでした。
飲むならストレートかロック、そしてハイボール。特にハイボールは加水で感じられた酸味が心地よく、すっきりと飲める爽やかな味わい。
まさに夏向きで、柑橘系のピールなどを追加しても良さそうです。

価格は40ドル程度。日本で言うところ響JHと同グレードかちょっと下くらいのイメージ。
日本に入る場合は同価格というか、同じ原酒構成にはならないと思いますが、現状はまあ値段なりの味わいだと思います。
現時点では海外市場オンリーでテイスティング出来なかった銘柄。しかし先日ツイッター繋がりで「飲みますか?」と声をかけて頂き、サンプルを送って頂きました。
飲み終わりましたらキッチリお礼を詰めてお返しいたします。
フォロワーのIさん、ありがとうございました!!