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GLEN ROTHES
Limited Release
Aged 30 Years
Distilled 1975.8
Bottled 2006.4
Bottled No, 885/3708
700ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後3年程度
評価:★★★★★★☆(6→7)

香り:ナッティーでドライな香り立ち、焦がしたバニラやキャラメル、オーク、ハーブを思わせる爽やかさも混じる。
樽感が強くリッチなアロマだが開封後の経年でバランスが取れており、加水するとトーンの高い爽やかさと乾いた植物感。

味:口当たりはリッチで度数以上の存在感。香り同様にナッティーな香ばしさとほろ苦い麦芽風味、淡い内陸系のピートフレーバー、雷おこし。じわじわとオーキーなフルーティーさ、鼻抜けに干し藁のような乾いた植物感。
余韻はウッディーで心地よくドライ、スパイシー。うっすらとキャラメル、アーモンドや胡桃を思わせるほろ苦さが長く続く。
加水すると序盤が柔らかい広がりになり、後半にかけてグレープフルーツのワタを思わせるフレーバーも感じられる。


グレンロセスのオフィシャル限定リリース。個人的に開封直後は「うーん」と思ってしまったボトルです。
決して悪くは無いのですが、テイスティングコメントの中でも書いてあるように、ナッティーでドライな印象が非常に強く、長期熟成のロセスに求めるフルーティーさとは違う傾向にびっくりしてしまいました。
こりゃあかんなぁと放置プレイして経過すること2年少々、存在すら忘れていたモノを久々にテイスティングすると強いドライさが軽減され、味の奥にはオーキーなフルーティーさも出てきて、こいつはイケるじゃないかと認識を改めて現在に至ります。
構成としては樽感が比較的強いものの、リフィルシェリー系の樽にいくつかバッティングされているようで、明確にこれとこれという指定は難しいです。

最近でこそグレンロセスはビンテージ表記のボトルではなくNAや複数年数バッティングをリリースしていて、いっぱしにオフィシャルモルトの一角という感じですが、古くはブレンデッドウイスキーにおけるトップドレッシングとして評価され、シングルモルトはあまりリリースされてきませんでした。
そうした中で、近年はボトラーズリリースが活発となり、オフィシャルとしてもBBR社が丸瓶にサンプルラベルという独特のデザインでリリースを始めたことで、様々なビンテージを飲むことができるようになりました。
個人的にグレンロセスの1960年代から1970年代蒸留は、オフィシャルにしてもボトラーズにしても安定して旨いという印象が強いです。

ただ酒質的にそこまで強いわけではないので、30年を越えるシングルカスクでは樽負けしている「樽材をしゃぶっているような味」のモノも少なくありません。何本か抱えて飲みましたが、嫌いじゃないけど親友にはなれないような、微妙な距離感が最後まで残る感じでした。
では最近リリースされているオフィシャルはどうかというと、えぐみが強かったり、妙に若かったりとやや迷走気味なボトルもありますね。ただ10年~20年の熟成で、近年にしては上質なシェリーカスクのリリースがあったりで底力を感じる蒸留所でもあり、今後もそうしたリリースが続くことを期待したいです。