松井酒造 ピュアモルト倉吉に見るジャパニーズウイスキーの課題
- カテゴリ:
- ジャパニーズウイスキーの基準
- 松井酒造
※ピュアモルトウイスキー倉吉 当ブログでの評価はこちら。
元々同社の製品はリリース当時から自社蒸留しないで輸入原酒を使ったことや、ラベル表記が紛らわしいとか、いろんな意味で話題になっていました。
元々同社の製品はリリース当時から自社蒸留しないで輸入原酒を使ったことや、ラベル表記が紛らわしいとか、いろんな意味で話題になっていました。
そうした中で同社に対する評価や投稿の中には、「日本のウイスキー業界全体に共通する問題」について「松井酒造だけの問題」として批判されている方も少なからずおり、それに答える形で松井酒造も"何が問題なのか"を履き違えている節がありました。
同社が更新したWEBページには、代表者と思われる方のメッセージ(と写真)が掲載されていますが、その内容からもピントがずれていることが伺えます。
同社が更新したWEBページには、代表者と思われる方のメッセージ(と写真)が掲載されていますが、その内容からもピントがずれていることが伺えます。
本質的な問題はそこじゃないんだけどな〜・・・。
松井酒造合名会社WEBページ ウイスキーについて
http://www.matsui-shuzo.co.jp/whiskey.php
確かにこのピュアモルトウイスキー倉吉は、
ですが、ラベルが似てる似てないの話は、パクられモトとなる某社側が動いてない以上、疑惑の域を出ません。
後は同社のクレーム対応が、火に油を注ぐような内容だったというのも非難される一因にあるのですが、そこはあくまで企業姿勢の話です。
松井酒造合名会社WEBページ ウイスキーについて
http://www.matsui-shuzo.co.jp/whiskey.php
一方、同メッセージでは
「日本の方々は ウイスキーについて、うんちくを言われる方が たくさんいますが、メーカーは 大変迷惑な時もあります、自由に言うのは良いですが もっとわかった上で話すことが重要だと私個人は思います(原文ママ)」
として、我々に対し、コメントするならウイスキー業界の現状をわかった上でコメントせよと投げかけています。
「日本の方々は ウイスキーについて、うんちくを言われる方が たくさんいますが、メーカーは 大変迷惑な時もあります、自由に言うのは良いですが もっとわかった上で話すことが重要だと私個人は思います(原文ママ)」
として、我々に対し、コメントするならウイスキー業界の現状をわかった上でコメントせよと投げかけています。
色々と疑問が残る言葉遣いはともかく、メーカー側の本音としてそういうことがあるのも理解は出来ますし、冒頭述べたように一部誤解されている方々がいるのも事実でしょう。(それをダイレクトに言ってしまうのもどうかと思うんですが。)
であればちょうど良い機会ですので、本件の問題点を整理しつつ、日本のウイスキー業界の現状、今後何が必要なのかということを自分なりにまとめていきたいと思います。
まず松井酒造の一件で疑問点となるのは、同ウイスキーには自社の原酒が使われず、スコットランドから輸入した原酒、いわゆるバルクウイスキーが使われていることです。
そのため、「ジャパニーズウイスキーを意図する記述をしておきながら、海外原酒を使うなんて詐欺じゃないのか」というコメントをされる方も見受けられましたが、これは日本の法律上は問題ありません。
それどころか、使っていることを明記しているだけ"他社製品"より"親切"であるとも言えます。
続編にて解説しますが、これが日本のウイスキー業界の内包する課題のひとつです。
同銘柄における最大の問題点は「ラベルや説明文などの売り方が紛らわしかった」ということです。
しかし、これも消費者をだまそうと意図してそういう売り方をしたのか、単に消費者が勝手に勘違いしただけかは証明が困難であり、かなりグレーゾーンな話だと言えます。
であればちょうど良い機会ですので、本件の問題点を整理しつつ、日本のウイスキー業界の現状、今後何が必要なのかということを自分なりにまとめていきたいと思います。
まず松井酒造の一件で疑問点となるのは、同ウイスキーには自社の原酒が使われず、スコットランドから輸入した原酒、いわゆるバルクウイスキーが使われていることです。
そのため、「ジャパニーズウイスキーを意図する記述をしておきながら、海外原酒を使うなんて詐欺じゃないのか」というコメントをされる方も見受けられましたが、これは日本の法律上は問題ありません。
それどころか、使っていることを明記しているだけ"他社製品"より"親切"であるとも言えます。
続編にて解説しますが、これが日本のウイスキー業界の内包する課題のひとつです。
同銘柄における最大の問題点は「ラベルや説明文などの売り方が紛らわしかった」ということです。
しかし、これも消費者をだまそうと意図してそういう売り方をしたのか、単に消費者が勝手に勘違いしただけかは証明が困難であり、かなりグレーゾーンな話だと言えます。
確かにこのピュアモルトウイスキー倉吉は、
見るからに某社のシングルモルトにラベルが似てるとか、
ポットスチル等の設備を備えていないのに倉吉蒸留所名義であるとか、
倉吉では原酒を1年未満しか保管していないと思われるのに「熟成」とか、
突っ込みどころは数多く有ります。
ですが、ラベルが似てる似てないの話は、パクられモトとなる某社側が動いてない以上、疑惑の域を出ません。
さらに日本のウイスキーには熟成の定義はなく、蒸留所の話にしても焼酎の蒸留設備があれば、蒸留方法に指定の無い日本の法律上はウイスキーを蒸留できてしまいますから、倉吉蒸留所が作った(ブレンドした)ウイスキーとして、事実に反しているとは言いがたいのです。
もっとも、8月中旬に発売されるという、シェリーカスク倉吉8年は、THE KURAYOSHI MALT WHISKYと、ピュアモルトウイスキー表記ですらなくなっているのですが。。。
疑問がないワケではありませんが、言うならばルールではなくマナーの問題というヤツですね。
松井酒造の肩を持つわけではないですが、感情論抜きに中立的に考えると、このあたりが妥当なところかなと。
本件に関して納得できないという方は司法や行政に訴えかけるのも手ではありますが、疑問があるなら何も言わずに購入しない、仕入れないということだと思います。
疑問がないワケではありませんが、言うならばルールではなくマナーの問題というヤツですね。
松井酒造の肩を持つわけではないですが、感情論抜きに中立的に考えると、このあたりが妥当なところかなと。
本件に関して納得できないという方は司法や行政に訴えかけるのも手ではありますが、疑問があるなら何も言わずに購入しない、仕入れないということだと思います。
後は同社のクレーム対応が、火に油を注ぐような内容だったというのも非難される一因にあるのですが、そこはあくまで企業姿勢の話です。
コメント
コメント一覧 (14)
松井酒造のHP見てきました。
酷い文章してますね。中学生の作文かってレベル。
読んでいてむかむかしてきました。
メーカーホームページで感情を逆なでされるなんて
初めてでした。不快以外の何物でもありません。
不買運動ですね。それ以前に無視ですね。
やはり、倉吉酒造のコメントは物議を醸していますね・・・。
私個人は、メーカーはアレコレ言う前にすばらしい商品を出してくれれば
それでいいのではないか、という立場ですが・・・。
メーカーも商売として売る以上、売るためにあの手この手は理解しますし、蒸留からボトリング
まで一貫して手がけるとなるとリスクも相当なものと思いますし。
しかし、問題のコメントを発表する必要はあったのかとはおもいます。
消費者としてあそこまで言われて、じゃぁ飲んでみるかと気持ちよく飲もうと思う人は
少ないと思うんですよね。
もしかしたら今後日本のボトラーズメーカーとしてすばらしい商品を出してくれるのではと
思っていたので少々残念ではあります。
「サントリーウイスキーはインチキウイスキーだ!」と名指しで決めつける書籍が何冊も出版されていたのです。
今でも「本物のXX選び」とか「買ってはいけないOO」といった本ではメジャーなブランドに「危険な添加物まみれのまがいもの食品」とか非難するのが珍しくありませんが・・
糾弾されてるメーカーはいちいち反論したりせず黙殺するのがほとんどです。
80年頃世界最大の販売量だったサントリーオールドについて「特級ウイスキー規格最低限のウイスキー原酒しか使わず穀物以外からのアルコールに香料着色料でごまかした偽物ウイスキーだ」と攻撃されていたのです。
「世界最大100万樽が眠る」という宣伝もホラで輸入原酒でやっと製品にしてるのだとも決めつけられていました。
ニッカウヰスキーはまだましだという論調でしたが・・
そしてサントリーはやはりこれらを無視・黙殺でしたから、反論しないから事実なんだろうと判断した消費者はけっこういたと思われます。
現在もある「特選街」という批評誌の当時のウイスキー特集では・・
「どの国産ウイスキーもスコッチと飲み比べると、しょせんこの程度かと言うしかない」との評でした。
これら当時の批判はどこまで事実だったのでしょうか?
ひとつの考えは、事実国産ウイスキーの品質が低かった。
または、批判は偏見による思い込みに過ぎなかった。
あるいは、スコッチなどのレベルが低下して並ばれた。
当時のウイスキーの中身の真実は内部関係者以外にはわかりませんし・・
味わいについては主観でしかなく実証は困難ですもんね。
ともあれ、メーカーの姿勢が糾弾されるのは今回の松井酒造よりずっと昔から大々的にあったのだという歴史はふまえておかねばなりますまい。
現在記事のまとめとなる第3回目を更新準備中ですので、個別の返信は全ての投稿が終わり次第行わせていただきます。(一連の中で、こういうスタンスでいるという考えを示した上での返信の方が良いと思うので。)
ただ、倉吉さんの一件については中立的に考えるとこの回に書いたようになるのですが、心情的には非常に疑問というか、すっきりしない部分が多く残ります。
その辺も最終回にしっかりコメントできればと考えています。
引き続き宜しくお願いします。
私もこの記事を書くにあたり何度も読み直しましたが、ここのメーカーに必要なのは蒸留のための技術でもなく、正しい広報知識だと思うくらいです(笑)
これだけ見るとある種の炎上商法かとも思えるのですが、実際クレーム対応から全てこんな調子で、企業姿勢としてどうかと感じる部分ばかりです。
消費者としてはお金を払って、そして口に入れるものを買うわけですから、安心して納得できるものを買いたいですね。
松井さんの場合は自ら油を撒いて火をつけにいっている感じがしなくもないのですが・・・。
私は文中にもかいたように松井さんと似たような思想も持っています。まずは味が良ければという考え方の消費者も少なからず居ると思います。(例えば倉吉ピュアモルトがかつての竹鶴12年と同じクオリティと値段でリリースされていたら、ここまで言われることも無かったような気がします。)
共感できる部分もありますが、それでも進め方、仁義の切り方が物事には大事です。
本音で語るのは結構ですが、「本音と建前」という言葉もありますし、もう少しやり方があるんじゃないかと思います。
他方で同情できる部分としては、変なユーザーが粘着していたというのもあるんですよね。
それがあの一言に繋がってしまったとすれば、本件を整地するためには現状を必要最低限シェアして、その上で何が問題なのかに正しくフォーカスする必要があるなと。
たかだか愛好者のブログ一つではありますが、こうした話はウイスキーワールドなどのメディア媒体では書けないでしょうし、この記事をきっかけに風向きが変わって、何が問題だったのかが正しく認識されるきっかけとなってくれればと願っています。
サントリーの一件は現在のウイスキー愛好家の間でもわりと有名ですよ。
サントリーオールドなどは、ウィキペディアにも書かれてしまっていますからね。(その怪しい書籍の一つをソースとして。)
ただ、こうした話がどこまで本当だったかはわかりませんが、実際自分が関係者に聞いたり調べたりしている話では、それを匂わせる内容が様々なところから出てきます。
一つ調べれば誰でもわかる話としては、サントリーのグレーン工場が稼動したのはいつだったかという点があります。グレーン工場が稼動し、そしてそこから5年ないし10年くらいは経過しないと満足な原酒は手に入らないはずですが、その間サントリーは順調にブレンデッドウイスキーの売り上げを伸ばし、右肩上がりの成長を続けていました。
さて、このブレンデッドには何が使われていたのでしょう・・・つまるところ、火のないところに煙は・・・とも言えるのかもしれません。
コメントありがとうございます。
時代が違いますからね。今の状況では(モルトブームに便乗と)そう思われてしまっても仕方ないかなと思いますが、今後の動きに期待だけはさせてもらいます。
百聞は一見に如かずで私もとにかく飲んでみようと思い、
試飲できるお店で一口頂きましたが・・・
なんですかねコレ、本当にウイスキーですか?
目隠しして飲まされたら「消毒用エタノール」って答えそうなくらいの代物でした・・・
近所でも知らねーし。
今、の住所も廃業した工場のあとだしねー(^^)/
コメントありがとうございます。
最近のボトルは飲んでいないのでなんとも言えませんが、一応使っているものは国内外とも正規の蒸留所で作られた原酒ですので、ウイスキーであるとは思います。
また機会を見つけて新しいロットを飲んでみますね。
コメントありがとうございます。
色々初耳で、というか衝撃の情報でびっくりしました。
近い話は聞いたことがありましたが、ここまでだとすると、ちょっと大概ですね。
自分でもさらに調べてみたいと思います。