ロイヤルサルート 21年 40% 近年流通品

ROYAL SALUTE
Blended Scotch Whisky
21 years old
2010's
700ml 40%
グラス:創吉テイスティング
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1~2年程度
評価:★★★★★★(6)
香り:品の良いシェリー香。徐々に華やかなオークフレーバーも伴うドライな香り立ち。ライチ、麦芽、林檎のコンポート、嫌味の少ないモルティーさ。加水するとシェリー系のアロマが後ろに入るが、逆にオーク系の華やかなフレーバーが引き立つ。
味:スムーズで甘い口当たり。最初はとろみのあるシェリー系の甘さがあるが、中間からはほろ苦い乾燥した藁や麦芽系の風味、林檎のコンポート、ケーキシロップ、ほのかな植物感。一口一口のフレーバーは強くないが、余韻は蓄積するようにウッディーでドライ、若干のえぐみを伴い長く続く。
少量加水するとよりスムーズな飲み口で甘みが引き立つ。
ストラスアイラやグレンキースをキーモルトとした高級グレードのブレンデッド。
シーバスリーガルには公式サイトがありますが、ロイヤルサルートってなぜかオフィシャルサイトが見当たらないんですよね・・・。
近年日本で広く流通しているデザインのボトルですが、本国では既にラベルチェンジが行われているようで、一つ前のデザインという事になります。
オールドボトルは1970年代、1980年代をそれぞれ本ブログで紹介していて、状態の良いボトルを引けば熟成感あるオールドシェリー系の香味が楽しめることは紹介したところ。
では現行品はというと・・・以前開封した免税向けの1本はドライでエステリー系で、なんていうか飲み進めるのが苦しいほどでした。
ところが今回、ボトル整理中に出てきた抱き合わせ購入のサルート(開封は1年半頃前)は、現行品では中々のアタリ。ボディはライト傾向で近年のブレンドっぽいえぐみも感じられますが、品の良いかつてのGM系のシェリー香や、モルティーでオーク系の華やかさとフルーティーさ。突き抜ける旨さは無いですが、自宅でのんびり飲むと癒される味わいが楽しめます。
なんでしょうこの違い、ロット差?
ボトルデザインから近年のモノであるのは間違いないのですが、箱がルビーフラゴン用だったりと、どういう経路をたどったのか所有者の自分がわからない怪しさのあるボトルでもあります。
飲み方としてはロックにすると冷やした中でも品の良い甘いアロマが健在。ドライさが和らぎ心地よく、飲み口はよりスムーズで余韻にかけて香味が広がっていきます。
氷に負けないというか、氷に耐えているイメージで、こういう飲み方も大丈夫だよと、作り手のメッセージを受け取った気がしました。
コメント
コメント一覧 (6)
陶器瓶しか見なかった銘柄にイ・モンクスというスコッチがありましたが、もう消えちゃったんでしょうか?
話題を変えさせていただきますが。
26日に「ウイスキー案内」という書籍(洋泉社1300円+税)が発売されました。
監修が目白田中屋の栗林幸吉さんで・・ありきたりの題名に対し内容はかなり特異。
190ページ中108ページを占めるのが「垂涎のウイスキーコレクション」というボトル写真と解説なのですが、大半がオールドボトルで入手困難なものという。
私は店頭で中身を見てから買ったのですが、こりゃかなり物好きでなきゃ買わんだろな~
見て驚いたのが「メーカーズマーク1983ヴィンテージバーボン」なるもの。
19樽を選び、特別な場所で貯蔵、1996年に瓶詰めという・・
先日ブラックトップでやりとりしたような話と違うよね~どゆうこと?
これがもし本国の市場で販売されなかったとすれば、「バーボンの歴史」に書かれた「海外市場は過熟成のバーボンをさばくには絶好の場所」とする的な企画商品だったんじゃ?とこれまた邪推しちゃいますなあ・・
イモンクスは最近見かけませんね。市場にあるのもオールドボトルですし、終売してしまったのではないでしょうか。
栗林さんが書かれた本、実は私はまだ読めていないのですが、表紙のデザインからして相当ディープだなと、まさにそっち方面に生息している方々が買われる本だと感じています。
(表紙がジャッコーネ向けのボウモア9年ですからね、渋すぎです(笑)。)
メーカーズマークの話にしても、結局メーカーのスタンスは一枚岩ではなく、その時その時あるものでそれっぽくストーリー付けして立ち回ってるってことなんですよね。
慈善事業じゃないですし、そうした考え方も理解できます。
1990年代前後で日本市場には年数表記が無くても明らかに色の濃いバーボンが出回っていましたから、木材なのか、カラメルなのか、あるいは過熟原酒を多少加える形で使っていたのか、味の違いが邪推に繋がってしまいますね。
栗林幸吉さんとは顔なじみとまではいきませんが、何度か質問させていただいたりティスティング会で残ったというラニョーサブラン・エリタージュを味見させてもらったりしました。
田中屋の名物手書きコメントも売り場が1階にあったころは棚からはずされたものが壁にびっしり貼ってあって壮観でしたね。
グレンリベット25年に「これはすごい!・・箱だ」とあったり、駄洒落もいっぱいのコメントですが今回の書籍にもあったら私的には大受けだったですがね。
田中屋さんは1F時代は行ったことがないんです。多分自分が本格的にウイスキーを始めた頃は既に今の店舗に移っていましたので。
手書きコメントは思わず読んでしまいますよね。自分の中で一番印象に残っているのは「買ったら損」とまで書いてあったとあるボトルです。
それこそおっしゃられるようなウイスキーコメント図鑑とか・・・ローカルすぎますが、一部のマニアにはバカウケでしょうね!
今、ロイヤルサルートならぬロイヤルサイテーションを飲んでいます。
HKDNPだからと開けたのですが、これが中々。
個人的に入れ込んでいるキリンシーグラム(現キリン)時代の、
プレミアムウイスキーと同等以上の味に思います。
具体的には、「クレセント」以上、「Once upon a time」くらい。
当方は甘味を主体にピートが裏地を張ってその中に麦や果物の香りがあるのが好みなので、
その観点からの評価ですが、ウイスキーの味とは樽とワインと水飴の味なのではないか。
例えば以下の様な
https://blog.thewhiskyexchange.com/2014/11/what-was-a-sherry-cask/
外国の解説ではシェリー樽とは特定の産地で使うワイン用の樽で、
つまりポートとかシャンパンとかDOCGと同じ意味かと思います。
するとウイスキーの味には麦芽の素質を共通項に、
a)間接的に木を飲む香木系の味
b)上に加え、ワイン又はフォーティファイドワインの香りを付与したもの
となり、それ自体の味はその時代の作柄と樽や葡萄酒や林齢で決まるとして、
直射日光への暴露とか、保存状態の良し悪しとかが攪乱項になり、
そのボトルの味と、どの程度の時間で香りが開いてくるかを決めるのでは。
細かい香味の分類は知らぬ存ぜぬで、
「うまければ良かろうなのだ」主義で飲んでいますので何の味という話はさておき、
オールドのうちで焼けてしまったシーバスと比較すると上の様に思われます。
サントリーなどはスギを使えないかと「膳」を企画し、
実際には香りがきつすぎるから僅かにブレンドしただけと聞きますが、
本当に使えないのか、闊葉樹ではどうなのか、などと考えています。
興味深いコメント、ありがとうございます。
実際、熟成中のウイスキーの度数は通常60%前後はありますので、樽材は溶けます。
なので、我々は麦の蒸留酒と共に、熟成期間中に溶け出た樽そのものを飲んでいる側面もあると感じています。
そのため、樽材が何かは非常に重要で、近年増えているスパニッシュオークのシェリー樽は香木系のニュアンスを、アメリカンホワイトオークは黄色系のドライフルーツやバニラ的な香味が付与されやすいと感じています。現在クラフト系の蒸留所が、杉意外にも桜など様々な樽を使う実験もしているようですが、果たしてどうなるのか、結果が非常に楽しみです。
やはりウイスキーが熟成の酒である以上、樽の影響は非常に大きいですから。
ちなみに、ワンスアポンアタイムとこのロイヤルサルートの共通点、少なからずあると思っています。カラメルっぽい独特のシェリー感が、ワンスアポンアタイムにもあり、後から混ぜてるためか多少べたつくというか仕上がりは荒いのですが、以前ブラインドで飲んだ時は80年代くらいのホワイトヘザーかな?と感じたくらいでした。