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ICHIRO's MALT
CHICHIBU
Aged 5 Years
Cask type Bourbon and IPA Cask Finish #3867
Travel Exclusive
700ml 59.4%

グラス:創吉テイスティング
量:50ml+30ml以上(サンプル@TBさん、ボトル@Nさん)
場所:自宅飲み
時期:開封後1ヶ月以内
評価:★★★★★★(6)

香り:フレッシュでツンとしたアルコール感に加え、ハーブやホップ、グレープフルーツやドライパッションフルーツを思わせる、爽やかな酸のある香り立ち。徐々に乾いた麦芽や植物の苦味、これはまるでIPAだ。時間経過でホップ香が収まると、奥からオーキーなフルーツ香も感じられる。

味:香り同様にフレッシュで勢いがあり、酸味のある麦芽風味とホップ、グレープフルーツ、中間からはねっとりとした口当たりに変化する。余韻はほろ苦くビターで微かにオーキーなフルーティーさ。高アルコール度数らしくヒリヒリする。


バーボン樽で熟成したあとでIPAを熟成させていた樽でフィニッシュしたシングルカスクボトリング。 
日本国内の空港免税店で販売されているイチローズモルトの限定品であり、WWA2016日本地区大会のシングルカスクモルトウイスキー部門で最優秀賞に輝いたボトル・・・なのですが、今年はこのボトル以外にエントリーが無かったというのは見なかったことにして中身を評価したいと思います。

飲んでみると、今までに飲んだことがないような衝撃的な味わい。
っていうか香りも味も、IPA感がバリバリ出ていて、そのものが混ざってるのか、あるいは製造行程で麦芽の代わりにホップでも入れたんじゃないかというフレーバーです。 (過去にはもう一樽大阪フェス向けにもボトリングされたそうですが、そちらはまた違った構成なのだとか。)

こうなってくるとフレッシュでスパイシーな口当たりも悪くない。香味の良し悪しとしては、ウイスキーそのものは相変わらず若いわけで、当然そうした要素が出るであろうところ。IPA樽の強さでその若い嫌味な部分を押さえ、かつ秩父原酒が持つ酸味や麦芽風味を取り込み、これはこれでアリなんじゃないかというフレーバーに昇華しています。
重ねて言うと、それはただIPA味というだけなんですけど(笑)。

IPAについては解説不要と思いますが、インディアン・ペール・エールの略で、総じて多量のホップが使われ、フルーティーで苦味が強い特徴があるエールタイプのビールです。
IPAって何?って方はそもそも受け付けない可能性がある反面、私はこのタイプのビールが好きで、抵抗なく楽しめました。IPA好きな方々に飲ませてみたいボトルでもあります。 
それこそハイボールにしたらビールになるんじゃないかと、馬鹿なことを考えてグラスの残りに炭酸を加え、ハイボールでも飲んでみましたが、麦芽風味に加えて近年系のトロピカルフルーティーさに、後一歩でヤバイという危うさのある華やかさ。ビールにはなりませんでしたが、さらに面白さが感じられました。


成田空港ではかなり強気のお値段で売られていたというこのボトル。まさか2名の方からテイスティングの機会をいただけるとは思っていませんでした。
貴重な機会を頂きまして、本当にありがとうございました!