イチローズモルト 秩父 東京バーショー2016向け 記念ボトル
ICHIRO'S MALT
CHICHIBU
Exclusively Bottled For Tokyo International Bar Show 2016
(Aged 5 Years)
Distilled 2011
Bottled 2016
Cask type Bourbon Barrel
700ml 59.7%
グラス:創吉テイスティング
量:30ml以上
場所:BAR飲み (Bar Ambrosia)
時期:開封後一週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)
香り:注ぎたてはグラスから酸味のあるオーク香、ツンとした刺激の木香のアタックの奥に、クラッカーやナッツのような香ばしさ、蜂蜜を思わせる濃い甘みを感じる。加水すると酸味や焼酎っぽさが際立つ。
味:フレッシュで酸味を伴う麦芽風味と共にピリピリと刺激の強い口当たりだが、舌の上で転がしていると刺激の奥からクリーミーなバニラ、リンゴ、ドライパイナップル、ほのかにアジアンスパイス。オーキーなフルーティーさが開いてくる。
余韻は華やかでスパイシー、微かに地ウイスキー的なえぐみ、麦芽のほろ苦さが全体を引き締め、スッと消える。
先日開催されたバーショー2016の会場で販売された、イチローズモルトは秩父の限定ボトル。
このボトルを購入するために、バーショー開場数時間前から並んでいた方々もいらっしゃったということで、ウイスキーブームすげーなあと、驚嘆するしかありません。午後から行った自分とは気合が違いますね(笑)。
まあそんな話はどうでもいいのですが、気になるお味は、これまでリリースされた秩父の中では良い出来だと思います。
先日記事にしたアスタモリスの秩父が、口当たりからパッとフルーティーさが開いて後半が単調気味なのに対し、バーショー2016はスパイシーでフレッシュな口当たりから、徐々にクリーミーな舌触りと樽由来のフルーティーさ、麦芽系の味が開いてきて、一杯を通じて味わいが持続する。熟成年数以上に良いバランスに仕上がっているのです。
これは良い熟成状況にあった樽というだけでなく、麦か酒質か、その他の工夫もありそうです。
若さゆえ香りに刺激が強いので、気になる方はSK2やサントリーテイスティングのような、液面が近いグラスが良さそうです。
加水は刺激が軽減されるものの、時間経過で粘性とともに酸味や地ウイスキー的な焼酎っぽい癖が出てきてしまうため、ストレートでフレッシュな味わいを楽しむボトルかなと。
このボトルは池袋のBAR Ambrosiaさんで頂きました。
ハーフショットを飲んで「おっ」と思ってからの1ショット。まず最初は「あー秩父だねえ」といういつものアレですが、そこからの変化がいつもと違う、なかなか楽しませてもらえました。
同店にはバーショー2015向けの秩父もあり、こちらはフレンチオークで異なる樽感、個性が備わっています。
飲み比べてみましたが、バタークリームのような甘い樽香など、その違いが面白かったです。
コメント
コメント一覧 (4)
店頭買い/宅呑み派には、限定数量の壁が(諦め笑)
珍しい樽フィニッシュ(ワイン・ コニャック)の小分け(ベヒーボトル サイズ)にして数量増リリース求む(哀願)
良質な短熟品には、長熟品とはまた別な良さが
熟成感とは異なる、されど一つの完成形というか満足度/納得感ある一本
記事のボトルもそんな一本ぽいですね
以下、また余計な情報を(爆汗)
おすすめ優良コニャック
① ダニエル ブージュ/プルミエアロマ/45度/GC地区 プロプリエテ-オフィシャル/5年熟成 加水タイプ
maker 基本方針は新樽熟成の無添加路線に拘る/本品は異色の古樽熟成-樽香控え目/花や果実の華やかな香味
② ダニエル ブージュ/ロワイヤル 60度 カスクストレングス/GC地区 プロプリエテ-オフィシャル/15年熟成 ノンチルフィルター
此方は基本路線の樽香強め/質実剛健type(香味開く迄かなりかかる)
同一 maker ですが①②は異質な造り(コニャックにありがちな後添えの小細工感は一切無し)
コニャックにもボトラーズ的なネゴシアン(デラマン等)もありますし、まんま英国ボトラーズ品(アーリーランテッド仏国蒸留英国熟成)もあります(ケイデンヘッド・BBR等)
長文過ぎるのでヤメときます(呆れ)
イチローズモルトは販売即完売の商品が多いですから、家飲み派だと厳しいところもありますね。
秩父モルトは酒質が軽く、そしてニューポットの段階から癖が少なく素直なので、10年に満たない早い段階でピークが来てしまうように感じます。
さらに気温の関係か樽の出方でも酸味が強く出る傾向があり、熟成による酒質の変化が満足に起こらないまま過熟の傾向が出ているものもあります。
つまりピークを迎える条件が厳しい蒸留所だなと感じるわけですが、このボトルは秩父では珍しく、バランスのいい熟成の傾向にある仕上がりだなと思えました。短熟なんですが、スコッチの長熟にも共通する樽感があり、フレッシュでフルーティーという秩父の目指すべき形の一つはこれなんじゃないかと思います。
オススメコニャックの情報、ありがとうございます!
ダニエルブージュは以前デキャンタなども購入してみたのですが、あの黒さと強めの樽香の割りに、あまりボディーが強くないので敬遠してしまっていました。ロワイヤルの60%はコニャックのハイプルーフは経験が無いので飲んでみたいですね。
探してみたいと思います!
特に強調したいのは①プルミエ-アロマの方なんです
スペックの字面を眺めると②ロワイヤルが琴線に触れるの必定
5年熟成の加水typeに期待できる道理が一つもない(笑)
ですがその道理を覆す、コニャックの美点が端的に顕われてます
(華やかなアロマ香/味わいはスッキリ/グラスの残り香は清涼)
若いのに完成度高い逸品という主旨です
無添加コニャックに body の厚みはなく、25年以上の長熟でなら其なりのもありますけど、コストや入手性を考慮しますと、お試しとしてお薦めしづらかったのです
(プティ シャンパーニュ地区の、ヴインテージ品が実はお薦め)
いやーまさにです、スペックだけ見て「ふーん」レベルで済ませてしまっていました(汗)。
見透かされてますねw
ただ思い返してみると、若いコニャックといっても、しかもあまりいじってないタイプのものはそう経験がないところで、酒質を見る上では貴重と言えるかもしれませんね。
ましてオススメされるようにコニャックの美点が味わえるともなればなおのことです。
コニャックも最近値上がりしてきたので、ちょい古あたりを当時価格で狙っていくのは良いかもしれません。プティシャンパーニュは良いもの悪いもの結構はっきり分かれている感じで、中々手を出しづらいんですよね・・・。