松井酒造 倉吉 18年 ピュアモルトウイスキー 50%
KURAYOSHI
PURE MALT WHISKY
PURE MALT WHISKY
Matsui Whisky
Aged 18 Years
Aged 18 Years
Made in Nippon
50% 700ml
50% 700ml
グラス:グレンケアン
量:50ml(サンプル@TBさん)
場所:自宅
時期:1ヶ月以内、直近。
暫定評価:★★★★★(5ー6)
香り:注ぎたてはあまり香りが立たず、ツンとしたアルコールのキックだけが感じられるが、徐々にポン菓子やパンを思わせる甘い麦芽香が開いてくる。少しのレモンピール、乾いた牧草を思わせる植物感やえぐみもある。
味:香りとは異なり度数を感じさせない口当たり。蜂蜜レモンキャンディと麦芽風味、食パンの白い部分、徐々にピリッとしたスパイスや干しワラを思わせる植物感。
余韻も麦感主体、バニラクリームを思わせるまったりとした甘みが少量、微かなスモーキーさ。時間差でえぐみが出てきて舌に残る。
松井酒造の倉吉ピュアモルト3種、そのハイエンドとなる18年モノ。
先日掲載したノンエイジのピュアモルトやシェリーカスクとは異なり、樽香はリフィル系で淡いものの、麦芽風味が豊富で年数なりに熟成感のあるボトルに仕上がっています。
ブレンデッドモルトの仕上がりとしては使った原酒が少ないのか、香味の繋がりにちぐはぐさの残る味わいですが、これまでの2本とは異なって普通に飲み進められるボトルだと感じます。
倉吉ピュアモルトは、国内並びにスコットランド北部の蒸留所から原酒を買い付け、日本の鳥取でブレンド・加水・マリッジしたとされています。
見た目はサントリーのそれに似ていますが、飲んだ印象は麦芽風味主体でハイランドモルトを思わせる香味が中心。蒸留所を予想するとディーンストンやトミントール、インヴァーゴードン系列のバッテッドバルクを買ってきたかなと。樽の出方も日本のそれではなく、スコッチの系統だと感じます。
販売元に問い合わせたという情報では、倉吉シリーズでニッカやサントリーからは原酒を購入しておらず、スコッチとジャパニーズで計4蒸留所から原酒を調達したという話。とするとNAにはジャパニーズが使われているかもしれませんが、この18年は、上記のオールスコッチモルトの可能性もあります。
少なくともジャパニーズについては、残る選択肢の中で有名どころとは個性が合致しないのですが。。。価格で邪推してしまうと希望が見えてこない気がするので、これ以上深追いするのはやめましょうか(笑)。
先にテイスティングした2本にも感じましたが、この一連のシリーズに共通するのは口当たりの水っぽさ、よく言えば柔らかさがあります。
今回の18年だと度数は50%あるわけですが、それほどとは感じません。これが鳥取の水で加水した効果なのかもしれませんね。
余談:この3種類で終わりかと思いきや、8月には倉吉ピュアモルト8年 シェリーカスクがリリースされるそうです。いやもうなんといいますか、すごい勢いですね(汗)。
お値段は1万円とのこと。前回のようなボトルでないことを祈るばかりです。
コメント
コメント一覧 (7)
微妙な感じが伝わってきました(微笑)
今更ですが酒造 maker さんは情報開示をし無さすぎですよね
『厳選した原酒をマリッジ致しました(キリリッ)』
・・・解んねぇよ(爆)
ピュアモルト表記については国によって解釈が異なる?のでしたっけ
概ねヴァデッドモルトという事で良いのですかね
(初期の山崎なんかは単一蒸留所産でもピュアなモルトという意味でピュアモルト表記でしたよね)
『マスターブレンダーの腕の見せ処で御座いまして、門外不出の秘伝と為っております(キリリッ)』
・・・解んね(苦笑)
これで良く分かりました(笑)
他のものを購入した方が得策ですね(^^;
ウイスキーは、そう簡単に良いものを作り出せるほど甘くはない、ということを物語っているようです。
伝わりましたか(笑)
ピュアモルト表記は時代によって異なるという感じです。
かつてはピュアモルト=シングルモルトという広義的な解釈がされていましたが、カーデュー事件などで見直しがされて、今ではご理解の通りピュアモルト=ブレンデッドモルトウイスキーで統一されています。
日本の法律がザルっていうのも原因としてあるわけですが、それに胡坐をかいてしまうのは・・・特に今回はやりすぎという感じがしますね。
疑問に思われた方は多いようでメーカーに質問殺到、メーカー側逆ギレでフェイスブックなどは凄いことになっています(汗)
伝わりましたでしょうか(笑)
18年だけは何とかギリギリ選択肢に入るかなーという気もしなくもないのですが、それでも1万円オーバーですから、他の安心して購入できるスコッチモルトを探されたほうが得策かなと思います。
結局ウイスキーは、原酒保有量と作り手の技術力、さらには良質な樽を調達してくる資金力が無ければ、安定して供給することは困難なんですよね。ジンや焼酎、他の蒸留酒とは違い、そうした差がモロに出てしまう。
だからサントリーは強い、大手は強いんですが、クラフトはクラフトで、シングルカスクなどで個性的なウイスキーを出して挽回してほしいと思っています。
こちらのブログ初めて拝見させて戴きました。
凄いです。 知識量、ご経験、をベースとした発想と表現力。
あらためて勉強になります。
当方鳥取生まれの鳥取育ち。
えぇ、もちろん倉吉、3本とも購入致しました(笑)
何せ発売時は地元鳥取県産のウイスキーって事でしたから。
もう、ホントに何と言うか・・・。
このガッカリ感・・・。
NAに関しては「芋焼酎を樽に詰めたのか。」と思うような味わい。
シェリーカスクは「何でこんなに甘い? 国産ウイスキーの配合多過ぎ?」と感じました。
18年は「ウイスキーらしい、ちゃらしい、けどこれなら安いウイスキーでも・・・。」
とっ、もちろん味の好みは皆さん好き好きなのでこれはこれで、お好きな方もおられるでしょうが・・・。
どちらにしてもコスパ悪すぎな感は拭えません(笑)
地元倉吉の会社です。
ホントに頑張ってほしいです。
コメントいただきましてありがとうございます。
まず、お褒めの言葉を頂き、ありがとうございます。
ブロガーの自分にとっては、参考になる、勉強になるとコメント頂ける事がモチベーションの一つですので、非常に嬉しいですね。
今後ともよろしくお願いします!
さて、倉吉ですが・・・おっしゃられるように好みはありますので、味云々についてはあくまで個人の趣向に過ぎませんが、そのPR方法や中身のレベルと価格とのバランスなどを考えると、ちょっとこれは・・・という印象はぬぐえません。
現地生まれで現地育ちの因幡屋ガレージさんはなおのことそう感じたのではないでしょうか。
実は法律に知見のある友人と、この販売方法について検証したのですが、限りなくグレーゾーンですがギリギリアウトではなく。狙ってこのゾーンに落とし込んだのだとすれば、その労力をなぜ中身のほうに向けられなかったと、少々残念な気持ちが残ります。
なお、ウイスキー製造業界関係者の間でもこのリリースは問題視されていて、ジャパニーズブランドの問題意識と今後のあり方について、意見交換のきっかけとなる働きはしたようです。
これは所謂怪我の功名と言うやつですね。
そろそろ8年のシェリーカスクがリリースされる頃ですが、自家蒸留するしないに関わらず、販売方法と中身の構成については見直して欲しいなと強く感じています。