カテゴリ:
BOWMORE
TEMPEST
Small Batch Release 6
Aged 10 Years
First Fill Bourbon
700ml 54.9%

グラス:SK2、グレンケアン
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーでフレッシュな香り立ち。新鮮な貝殻付き牡蠣、シトラスやグレープフルーツのアロマ。徐々にオーキーで近年系のトロピカルフレーバー。少量加水するとシトラス系の爽やかなフレーバーと少し溶剤的な香味も前に出てくる。

味:コクのある口当たり、薄めた蜂蜜を思わせるオークフレーバーとグレープフルーツ、徐々にスパイシーで舌の上がピリピリしてくる。口の奥にはトロピカルフルーツを思わせるフルーティーなフレーバー、そして強くスモーキー。余韻はピーティーでスパイシー、長く力強い。

海外では一部市場で2015年冬頃にはリリースされていた、ボウモアテンペストのバッチ6。ファーストフィルのバーボン樽で10年間の熟成を経た原酒をバッティングし、毎年リリースされているボウモアファン御用達のシリーズです。

前作となるバッチ5がそれまでの2作に比べてレベルの高い仕上がりだったので、続編のバッチ6がどういう仕上がりになるのか気になっていました。
国内展開は正規のサントリー含めなんの情報もありませんでしたが、先月末、平行業者が少量国内に入れた模様です。
気になるお値段は、バッチ5が7500円程度、バッチ6は実売9000円台。この値上げは世の中の流れ的に仕方ないところなのか。。。
早速口開けをテイスティングしてみます。

一言で、2000年代としてはよく出来たボウモア。いい意味での荒々しさがテンペストという銘に相応しい構成だと思います。
バッチ5のほうがフルーティーさは強かったと思いますが、バッチ6もボウモアの個性といえるグレープフルーツを思わせる柑橘系フレーバーは備わっており、メーカーの位置付け的にも複雑さはバッチ5のやや下、バッチ3と同等となってます。
対してスモーキーさはシリーズでトップとなっており、ミドルで広がるピーティーさとスパイシーな刺激。そこから余韻にかけて戻ってくるトロピカルフレーバーがあり、この変化が一口目で「おっ、いいじゃないか」と思わせてくれる構成となっています。

原酒は2000年代が中心(というか100%2000年代か)で、90年代前半のボウモアと比べてコクは薄くなっているものの、このシリーズの共通項とも言える度数を感じさせない飲み口に、バッティングらしく多層感があり、近年のボウモアにありがちな紙っぽさはあまり感じません。テンペストらしいと感じたスパイシーさや荒々しさが、そうした香味をカバーしているのでしょう。
グラスはSK2やサントリーテイスティング形状では、磯っぽい香りと柔らかい柑橘香。グレンケアンや国際規格系ではシトラス系のフレーバーを強く感じます。美味しく飲むならSK2形状か。加水はフルティーさを引き出すような伸び方ではないので、ストレートかハイボール要員と言えそうです。

少なくとも、味の面では悲観するほどの出来ではありませんが、強いて言えば値上がりが気になるところ。まあこのへんは、同じカスクストレングス仕様のボトラーズリリースのボウモアと比較してまだアドバンテージがありますし、バッチ5が売り切れたら6に移行する、そんな感じで良いんじゃないかなと思います。