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LONGMORN
The Distiller’s Choice
(No Aged)
40% 700ml

グラス:SK2、創吉テイスティング
量:100ml程度
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★(5)

香り:あまり奥行きや重さの無い、ライトで爽やかな香り立ち。若さを連想する酸味や乾いた木材のえぐみ、徐々にバニラの甘さ、微かなハーブ。柑橘系のニュアンスもあるがスワリングすると飛んでしまう、なんとも儚い感じ。

味:飲み口はライトで若干のクリーミーさ。香ばしい麦芽風味と香り同様の若さ。中間からはあまり広がる印象が無く、薄めたキャラメルのような甘さでのっぺりとしている。余韻はスパイシーで麦芽と果実の皮のようなほろ苦さ。微かにケミカルなフレーバーも感じられる。

ロックにするとクリーミーな口当たりが強く感じられるが、逆にセメダインのような溶剤的な香りが鼻に抜けていく。ハイボールにすると不思議と嫌な部分が感じられなくなり、ほのかなクリーミーさを残しつつ、レモンでも絞ったかのような爽やかさでゴクゴク飲める。


2016年1月に発売された、ロングモーンのニューリリース。
発売開始そのものは現行品のロングモーン16年の記事と合わせて紹介しておりましたが、そんなボトルが早くも手元に届きました。
原酒構成は3種類の樽が使用されており、ファーストフィルのアメリカンホワイトオーク樽、特段指定のないシェリー樽、そしてウイスキーカスクの3種類。ただ、シェリーはリフィルか比率として少ないように感じられます。
テイスティングノートの記載の通り、全体的に若さがあり、ファーストフィルのアメリカンオークと言いつつも、感じられるのは若干の柑橘系のフレーバーと木材のえぐみ。ボトラーズのようにバーボンフルーツバッチリ、という仕上がりになっていなかったのは残念でした。
何より現行品の16年と比較して、構成がライト傾向にシフトしたのは、1994年以前の石炭直火蒸留時代の原酒から完全に脱却した故かもしれません。

本ボトルの発売当初、情報を得たのはイギリスの大手酒販メーカー、ウイスキーエクスチェンジから。
オフィシャル公式発表より酒屋掲載のほうが早いとかどういうことやねん、と元広報マンとしては色々ツッコミを入れたいところですが、さらにツッコミを入れたくなったのが、当時エクスチェンジでは「16年に取って代わるボトル」として販売を開始していたところ。しかし1月末から2月頭にかけての現地ニュースでは「16年はラインナップに残る。」とした記述があり、気が付けばウイスキーエクスチェンジから該当する記述は消えていました(汗)
というわけで、このボトルは16年終売の代替品ではなく、ただのニューリリースだったようです。

一方で、原文をそのまま掲載するなら
Longmorn 16 Year Old will "remain part of the range", however the company adds that "more information available in due course".
http://www.thespiritsbusiness.com/2016/01/longmorn-introduces-nas-expression/
と、ラインナップに残ることは書かれているものの、詳細な情報は後だしであることも書かれており、フラグのにおいを強く感じます。
なにせ、今回リリースされたディスティラーズチョイスは、お値段94ドルと、日本円にして約1万円強、現行品の16年とほぼ同じ価格設定となっています。このままの条件で現行品16年が販売継続するとは到底思えません。
また、上でも少し触れましたが、ロングモーンは1994年に蒸留方法を変更し、1999年頃にはフロアモルティングもやめてしまっています。原酒の質が大きく変わっているのは明らかなところで、同じ形状のボトルをいつまで販売し続けるのかは気になっていました。値上げか、あるいはラベルチェンジか、何かしらの動きはありそうです。


最近、気になるボトルをウイスキー仲間と共同購入しており、今回のボトルも仲間が海外から引っ張ってきてくれました。自分の慣れている環境で、比較的まとまった量をストレートだけでなく、加水、ロック、ハイボールと飲めるのは、対象ボトルをじっくり深堀り出来ていい感じです。
もう一本突如リリースされたレディーバーンの末裔も手元にありますので、後日テイスティングを掲載したいと思います。