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BLACK PRINCE 
Aged 12 Years 
1980’s 
43% 750ml 
構成原酒:グレンスコシアなど?

グラス:SK2など
量:個人所有
場所:自宅
時期:開封後2ヶ月程度
評価:★★★★(4)

香り:ハーブのような薬品香、乾いたコーンの軽やかな穀物香、バニラを思わせる甘み、徐々にビターでほのかにレーズンの酸味。
基本的にはライトなグレーンの香りが主体だが、麦感にリキュールを思わせる不思議なアロマもある。

味:ライトな口当たり。香り同様に穀物由来の風味と乾いた干し藁のような植物感。バニラ、サトウキビ、ウェハース。
余韻はシュガーシロップの甘さとほろ苦い麦芽風味、微かなピート。
古酒っぽい風味はあるが、オールドラヴァーの間でも好みは分かれそう。

なんともセンスというかやる気の無いロゴが特徴のブレンデッドスコッチウイスキー。
などと言うと本ボトルの由来である、英仏100年戦争における英国側の英雄、"黒太子(ブラックプリンス)"ことエドワード王子のファン並びに現地の方々に痛い視線を頂きそうですが、ここは極東の島国ですので安心してこのボトルを評価しようと思います。
エドワード王子は、かのジャンヌダルクと対を成す歴史上の登場人物でもあるのですが、自分の美的センスでは、どう見てもこのラベルから英雄と呼べるオーラを感じることはできないんですよね、これが価値観の相違というヤツなんでしょうか。
では中身はというと、グレーン感の強い味わいで1980年代の零細企業チックなブレンド。
グレーンやカナディアン等が好みな方は琴線に触れるかもしれませんが、これまた価値観の相違というヤツで自分はちょっと苦しいです。

ブラックプリンスは1988年(1990年代?)にバーンスチュワート社が商標を買収、それまではグレンスコシアがキーモルトだったようですが、その後ディーンストンやトバモリー等も加わって原酒の安定供給がされるようになったそうです。
当時の洋酒辞典などを開くと、球体のジャグボトル等と合わせてラインナップが掲載されています。
銘柄としてはその前からリリースされており、本ボトルは1980年代後期の流通品、リリース元はバーンスチュワート社とは異なるメーカーとなっています。(流通時期によってはバーコードのあるラベルも見られます。)