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GLENLIVET 
Founder’s Reserve 
(No Age) 
40% 700ml 

グラス:SK2など
量:100ml以上(個人所有)
場所:自宅
時期:開封後1~2週間程度
評価:★★★★(4)

香り:乳酸系の酸味にレモンピール、青い洋梨、シトラスを思わせる爽やかさと奥には乾いた麦芽のアロマ。刺激的な要素はないが、香り立ちそのものはニューポッティーで若さが主体的。
ウイスキー2に対して2:1位に加水すると若さが収まり、酸味のある麦芽香主体に変化する。

味:口当たりからニューポッティーな若いフレーバー、青い洋梨やグリーンアップル、徐々にほろ苦い麦芽風味、余韻は微かな草っぽさとドライアップル。
多少荒さもあるフレーバーで、香り同様に加水するとまとまりがよくなる。


グレンリベットが2015年にリリースした、オフィシャル通常ラインナップのノンエイジ品。価格的にはスタンダードクラスの位置づけで、並行品として入ってきたものを購入してみました。

同品は蒸留所の創業者であるジョージ・スミス氏を記念して(何の記念だ?)作られたボトルであり、同氏が操業に携わっていた約200年前の味が再現されているとかいないとか。
その実態は、ウイスキーブームによって世界的なシェア増加を背景に、12年クラスの原酒の使用量を抑える、いわば負荷軽減用に作られたシングルモルト。市場によっては12年に変わって同品がメインで流通しているようです。 
日本市場では本ボトルの正規輸入はありませんが、今後は値上げからの終売とかになってスタンダードクラスの一角として展開されていくのでしょう。

その味はというと、これはちょっと良くわからないですね。
現行品12年と比べて香味は強いものの、合わせて若い味も強く、スムーズでフルーティーというメーカー説明文とはずいぶん遠いところにあると感じます。
12年とどちらが良いかと聞かれたら、値段的にも完成度でも、12年を選んでしまいます。 

原酒の一部は従来のオークカスクではなく、ファーストフィルのアメリカンオーク樽で熟成させたという話。バーボンカスクだとすればもっとフルーティーな構成になるだろうし、よほど使った量が少ないのか、あるいは全体的に若い原酒で作られているのか。 
それこそ、このボトルの「200年前当時の味」という意味が、皮肉でもなんでもなく純粋に今から200年前の密造時代にジョージスミスの作った味。すなわち"税金逃れで樽に原酒を隠し、熟成期間が現在より短期かつ不定期だった時代のリベット"を再現したということなら、わからなくもありません。

加水やバッティングで調整されているため、若い原酒のえぐみや突き刺すようなアルコール感はないものの、香味そのものはいかんともしがたく。
ただボディはしっかりしており、加水しても負ける印象がなかったのは良いところと言えそう。もし飲まれるなら加水やハイボール(レモンピール添え)など、手を加えられて飲まれてもいいと思います。