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BOWMORE 
Ceramic Dragon 
Aged 30 Years 
1990-2000's 
43% 750ml 
 
グラス:グレンケアン
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★★(7-8)

香り:樽感強くウッディなアロマにナッツや土の香りのあるピートフレーバー。微かにヒネ香。
枝付きレーズン、アーモンドチョコレート、キャラメル、奥からピンクグレープフルーツ、グァバ、熟した果実のフェロモンを思わせる香気。

味:リッチでウッディな口当たり、フルボディで43%とは思えない強さと複雑さがある。
濃く入れた紅茶、ヘーゼルナッツ、染み込むようなピートフレーバー。徐々にグレープフルーツ、ドライマンゴー、所謂ボウモアフルーツが広がる。
余韻は長く塩素や海のニュアンス、スパイシーで燻した麦芽のスモーキーさ。フルーティーな戻りもある。

少量加水すると香りが開く。ドライフルーツのフルティーさ、味はメープルシロップのような甘さに強くピートも立ってくるが、バランスが難しく加水はしても1ショットに対して数ml程度が無難。

 
1990年代から2000年代初頭にかけて流通した、ボウモアのハイグレードラインナップ。
ボウモア蒸留所の近海に潜むという伝説の海竜が描かれている、通称ドラゴンと呼ばれるボトルです。
日本国内向けとしては並行輸入品が主体だったようですが、1997年にはサントリーが正規輸入を発表。当時の定価は10万円と設定されたものの、並行品は2万円を下回る価格で販売されていたそうです。今考えるととんでもない流通価格ですね。

中身は1960年代蒸留のボウモアで、流通時期によってはピーティーなタイプ、フルーティーなタイプ、噂ではパフューミーなロットもあると聞きます。
実際、以前飲んだタイプは今回よりもフルーティーだった気がしますが、開封後の変化もあるため、ボトル所有して飲み比べたわけでもないので判断付かず。
一方、ボウモアのビンテージによる風味の遍歴を考慮すれば、ロット毎の変化も起こり得る。パフューミーなロットがあったとすれば、蒸留が1970年代以降の原酒を使った、最終ロットあたりと思われます。
 
ドキドキしながら飲んでみると、パフューミーな要素はなく状態も非常に良い。
オフィシャルバッティングらしく多層的で、43%加水とは思えないくらい力強くリッチな飲み口。シェリー樽の要素やピート、麦芽、酒質由来の複雑さ、土壁とも例えられるピーティーさ。それら様々な風味を支える形で、奥からフルーティーなフレーバーが感じられます。
この辺はボトラーズにあるトロピカルフレーバー主体な構成とは違う、オフィシャルならではの60年代蒸留ボウモアという感じです。
ラベルに加えてこの中身、高まるボトルをいくつか飲んでいたのですが、さらにテンションが上がってしまいました。
 
今回のボトルはウイスキー仲間のR氏の個人ストックからいただきました。
今度開ける予定なんだけど、先に開けて状態確認しちゃおうか、とのお言葉で久しぶりのご対面となりました。「煽ったって俺は絶対開けないからな!」と宣言していたのに、結局開けてくれる同氏のツンデレぶりは立派な萌え要素です(笑)。
次回は麻雀でお互いの血(ウイスキー)を掛け合いましょう!