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BUNNAHABHAIN 
THE WHISKY AGENCY & THE NECTAR 
Aged 23 years 
Distilled 1991 
Bottled 2015 
Matured in a Refill Sherry hogshead 
700ml 45.8% 

【ブラインドテイスティング(TWD方式)】
地域:ハイランド(グレンドロナック)
熟成年数:25年
度数:43%
樽:シェリーバット
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:カラメル、ブラウンシュガー、 ほのかにベリー果実味のある充実したシェリー感。サトウキビやアロエのような植物感のある甘さ。微かに硫黄を感じるが時間経過で軽減される。

味:甘くスムーズな口当たり、シェリー感はレーズン、イチジク、 リンゴなどのドライフルーツと麦芽風味。中間からサルファリー、タンニンも感じられるがそれほどキツいものではない。 フィニッシュはほのかにスパイシーで焦がしたカラメルのほろ苦い 甘味、タンニンが舌に染み込むドライで長い余韻。

【フレーバー評価(5段階)※】
バランス:3
ボディ:3
香り:4
樽感:5
甘さ:5
複雑さ:3
熟成感:4
華やかさ:3
酸味:2
苦み:3
刺激:2
ピート:1

※テイスティングにおいて、 香味に関連するそれぞれの要素がどれだけ感じられたかを数値化し たもの。3で平均的、数値が高くなれば強く、濃く、 厚く感じられる。なおこの5段階評価は最終的な評価(★評価) には直結しない。


TWDにて、Yさんからの出題。
これは中々面白いボトルで、 解散時にYさんから強奪いたしました(笑)。
ブナハーブンは何気にシェリー系のリリースが多い蒸留所、 かつてオフィシャルからリリースされた1968等は抜群に旨いの ですが、1980年代、1990年代のシェリーカスクは、 えぐみが強いというかゴムっぽいというか・・・ 正直如何ともしがたいところ。
現在販売されているもので、 濃いシェリー系だとオフィシャル25年は閉口モノですし、 ボトラーでも突き抜けたレベルのものはなく。 やっぱりバーボン系のほうが良いんかねーという認識が固まっていました。

ところが、 このボトルは古典的なシェリーを思わせる柔らかい甘さ、 ドライフルーツの風味も感じられる、甘味、樽感の濃さ、 ともに近年モノとしては文句ないレベルです。
ただ少々硫黄感があり、ここが自分にとっては残念で、これさえなければ・・・と。しかし時間経過で軽減されるようで、昨日の夜確認のため飲んだところ、最初に飲んだ時よりずっと良くなっていました。
他のボトルで例えるなら、アランのエンジェルズリザーブや20周年記念ボトルが大丈夫ならこのボトルもまた口開けから濃厚で良いシェリー系のボトルとして楽しめると思います。

そう言えば1990年前後蒸留のシェリーホグスヘッド原酒は、他蒸留所含め味の良いモルトが増えているように感じます。
樽を組み替える際に鏡板等で何か工夫をしているのでしょうか。それとも1960年代蒸留で1990~2000年頃にかけて増えたボトラーリリースのどっかんシェリー、その樽のお古が出回り始めたのか。何れにせよこういうリリースが進化して欲しいです。


TWDの活動で使っているテイスティングシートが多少形になってきたので、今回は写真ではなく文字で起こしてみました。一般的なウイスキーのテイスティングノートは、点数と香り、味、の3項目(あるいは味がフィニッシュと分かれて4項目)ですが、結局ボディがどれくらい厚いのか、樽の強さなどは文字ではわかりにくい部分も多く。
記載は長くなってしまいますが、こういうまとめ方はどうかなと試験的に使ってみました。
テイスティングコメントは極力フレーバーの抽出のみにして、各要素の強さは5段階評価にしたという感じです。
これも何回か使ってみて、伝わりやすいテイスティングフォームの工夫をしていきたいですね。