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LONGMORN 
16 years old 
48% 700ml 
暫定評価:★★★★★★(5-6) 

香り:柔らかくほど良くドライな香り立ち、焦がした麦芽、バナナ、ほのかに湿ったオーク。徐々にメープルシロップの甘さ。オフィシャルらしく多層的なアロマ。

味:一瞬生木っぽいぬめりのあるニュアンスの後でオレンジピールや麦芽感、微かに乾いた草のえぐみ。噛みごたえがあり、芳ばしさと心地よいスパイシーさが後半にかけて広がる。
余韻はビターで柔らかいスモーキーさが鼻に抜ける。バタースコッチ、薄めた蜂蜜、トーストを思わせる長い余韻。

竹鶴政孝が修業した蒸留所の一つであり、マッサンの影響で急速に知名度が高まったロングモーン。ブレンドにおけるトップドレッシングとしての評価に加え、オフィシャル旧ボトル、並びにボトラーズリリースの長期熟成モノは高い人気がある銘柄です。
ただ1970年代後半からは麦芽品種の違いからくる影響か、味わいの淡泊化が進み、1970年代前半蒸留あたりまでに見られた複雑さ、パイナップルなどを思わせる黄色いフルーティーさは近年すっかり影をひそめてしまいます。

今回、久々に現行品の16年を飲んでみると、香りはオフィシャルらしいブレンドによる多層感、味もリッチで飲みごたえがある。
突出してフルーティーなタイプでもないし、シェリーオーク由来と思しきヌカっぽさというか生木っぽさがマイナス要素でもあるんですが、オフィシャル単体として意識して飲むと随分違うもんだなーと見直しました。


そんなロングモーン16年にもNA化の波が到来しているようです
すでにイギリスのウイスキーショップWhiskyExchangeではオフィシャルの正式発表よりも先にニューリリースとなるロングモーン ノンエイジ が発表されています。

LONGMORN The Distiller's Choice
No Age 700ml 40%
https://www.thewhiskyexchange.com/P-31733.aspx
Longmorn The Distiller's Choice replaces the 16 Year Old. Aged in a combination of hogsheads, sherry casks and bourbon barrels, this is a sweet and spicy with notes of ginger and toffee.

蒸留所側から正式発表はないものの、上記説明文には16年から切り替わる旨の記述があります。つまり現在販売されてる16年は終売ってことでしょうか。

ロングモーン蒸留所は1994年まで石炭直火炊き蒸留をスコットランドで唯一採用していましたが、改修によりスチーム式に変更。また、1999年には一部実施していたフロアモルティングも休止しており、今回ニューリリースとなるノンエイジのロングモーンは、新世代と言える原酒がほぼ主体となるボトルと考えられます。
熟成年数以外に度数も現時点の48%から40%に変更。現在が中々飲みごたえがある中で、かなり穏やかな感じになるのでは・・・。
昨年記事にしたスキャパのニューリリース(日本では2016年2月発売)は、40%ながら中々ボディのある味わいでした。その再来を期待したいところです。