グレンファークラス17年 現行品 オフィシャルボトル ブラインドテイスティング
GLENFARCLAS
Aged 17 years
43% 700ml
【ブラインドテイスティング】
地域:ハイランド
蒸留所:グレンファークラス オフィシャルボトル
熟成年数:21年(または25年)
度数:43%
評価:★★★★★(5)
香り:サルファリーでかりんとうを思わせる黒砂糖系の甘さ、所謂生臭いと言われるシェリー香、微かな青っぽさもある。スワリングするとレーズントースト、焦げたパンのように甘いドライフルーツ香とウッディーでビターなアロマ。最初はあまり良い印象の無い香り立ちだったが、違う表情も持っている。
味:粘性のある口当たり、フルボディで香り以上に生木っぽさの強調されたシェリー風味、グリーンレーズン、カカオチョコレートの苦味、サルファリー。余韻はビターでウッディーな渋みが口の中に長く残る。
香り、味とも蒸留所の力は感じるが、樽で苦労している印象は否めない。
先日の持ち寄り会でYてーとくから頂いたブラインドサンプル。
その場で軽く飲んで、解答しないまま持ち帰ってしまい、改めて飲んで「あぁこれオフィシャルのファークラスじゃね?」ってことで回答。
正直あまり自分の好みじゃないシェリー香が強く、熟成年数判別は相当いい加減になりました。
まぁ、蒸留所とボトルについてはほぼ正解していたから、良しとしましょう(笑)。
メーカーコメントが正しければ、17年は現オーナーのグラント氏がもっとも気に入っているという事なのですが・・・確かに香味の複雑さや幅は流石オフィシャルと思う部分があるものの、往年のファークラスマジックと言われたころの味わいからすると、これはちょっとという感じが否めません。
良い部分もあるのですが、それ以上に嫌味な部分も強い。久しぶりに飲みましたが、改めてこれは自分にとってはお気に入りにはなりませんでした。
グレンファークラスは100%シェリー樽を現在もなお貫いているそうで、聞いた話では熟成庫には本当にシェリー樽しかないそうです。しかもまだ50年代、60年代の樽を持っていると。(でもボトラーからなんか出てなかったっけという話はさておき。)
シェリー100%を公言していたマッカランが、実はバーボン樽を持っていたとかそういうことはなく、バーボンのように見えたいくつかのリリースは、4回以上使い込んだ樽、プレーンオークによる熟成であると。
これだけ聞くと、ファークラス拘ってて素晴らしいやんって思う方もいるかもしれませんが、問題は最近使っている樽の質ですね。
参考:シェリー樽の真実(ウイスキーマガジン)
http://whiskymag.jp/jmm_2/
これを見るとファークラスのシェリー樽は5ヶ月しかシーズニングしていないということになります。
しかも使われているのはかつてのシェリー樽のそれではない、擬似的なオロロソシェリー風味液。
そりゃ味も変わりますよね。妙な嫌味が強く感じられるのも納得です。
今ウイスキー業界全体で樽不足が叫ばれている中で、バーボン樽はある一定の品質を保つことに成功しているように感じます。
ただ、シェリーに関しては明らかに特別な樽を除いて、劣化が著しい状況。
往年のウイスキーファンからすれば、シェリー樽熟成のウイスキーは特別なものです。熟成を早める技術の開発は色々話を聞きますが、是非良質なシェリー樽を短期間で作る技術の開発も、進めてほしいと思うところです。


コメント
コメント一覧 (4)
ウイスキーマガジンの嵐を乗り切れ【全2回・後半】を読んで思いましたが、ジョージ・グラントは記事中にあるとおり、ドロナックのようなシェリー系を作ろうとは思っていないようですし、そういうシェリー系は高価格ラインナップでフォローしているようですね。また、モーレンジのようなフィニッシュスタイルも否定的なようです。
シェリー樽の作り方はビジネスが大半の原因でしょうが、こういう人ですからね。時代に合わせつつ、自分の思うシェリーのニュアンスが出せる樽で、かつ安定的に大量に供給できて、まともな値段で出すには?
最善策なのでしょう。後ろめたさがあれば、そもそも記事にはさせないでしょうから。私も17年はあまり好みではないですが、本人の趣向がコレなんだと思います。普段飲みのシェリー系なら俺はコレ!! という感じだと思います。
おっしゃるとおり、ファークラスは良くも悪くも正直と言うか、質実剛健という印象があります。
同じくシェリー系のマッカランがアレだけ値上げしているなかで、オフィシャル普及品を良心的な価格設定に押さえてくれているところもありがたいです。ファミリーカスクシリーズも買って買えない値つけじゃないですし。
時代に合わせるのもまさにですね。出来る範囲で俺はやっているぞと、そういう感じなんでしょうか。
ただ、自分としては最高のファークラスをいくつも知っているだけに、別に71ドロナック系のベリーな風味でなくても良いのですが、極上のシェリーカスクをリリースしてほしいなという思いは強いです。
ちなみに海外の方は特にサルファリーなフレーバーに許容域が強いため、現行のファークラスでもかなり受け入れられるのではないかと思います。
文中に「擬似的なオロロソシェリー風味液」とありますが、リンクの記事中では「オロロソシェリー」と記載されています。リンクの記事以外にそういった情報があったのでしょうか?
そして私もそれほど詳しいわけではないので(かつうろ覚え…)私の認識ではファークラスはシェリー専業メーカーに依頼して本物のシェリーで5ヶ月。
マッカランは樽から自社制作で、自社製の疑似シェリー液で2年。と言う認識です。
そして古のシェリー樽と言う物も、本来はスコットランドへの「移送用」に使われたものが、中身を取り出した後再利用されたものと言う認識です。そうすると本来は当時の船での移送期間くらいの貯蔵期間だったのでは?
ソラレシステムで使われているような樽が、おいそれと(しかも大量に)スコットランドに渡るなどと言う事は考えられないですものね。
まあかつてのファークラスと現在のファークラスで香味が異なるのは事実でしょうし、それがシェリー樽の素質に由来するというのも事実なのでしょうけれど。
もしドロナック、ベンリアック等、他社の事情もご存知でしたらいつか教えていただけるとありがたいです。
・・・シマジのファークラスは入手されましたか?もう試されてましたら是非レビューをお待ちしております。
コメントありがとうございます。
擬似的なオロロソシェリー風味液についてですが、これは某企業の関係者から伺った話です。
ただ、ファークラスが、という話ではなくスコッチ用に製造されているシェリー樽全般についてという事での話でしたので、ファークラスは違うのかもしれません。しかしどの蒸留所にしても現在大多数を占めるシェリーカスクが似た味に仕上がっているのは、結果だけ見れば風味液であっても本物のシェリーであっても、あまり違いはないのではという認識です。
そして昔のシェリー樽についてですが、これは諸説あるんですよね。ソレラから出たという話、輸送用樽だという話。自分はどちらもあるんだと思います。
単に輸送用樽だとすればこれは今でも再現可能という事になります。それこそ製品用に樽だしするシェリーを詰めておけば、あの味になるはずですが、そうならない。
1950年~70年代は英国における一大シェリーブームの時代。シェリーの競争が激化し、多くの長熟なシェリーが消費された時期です。増産につぐ増産、設備投資も盛んだったでしょうから、多くの古酒ベースのシェリーが払い出され、その入れ物として、ソレラで使い古した樽を入れ替えて輸送用に回していたという可能性もあるのかなと。
1990年代に入ってからでも、たまにオールドシェリーの風味をまとったものがリリースされることがありますが、これはソレラシステム払い出しのシェリー樽なんじゃないかと見ています。
(伝聞ですが、ドロナックの1971や1972など極上のシェリーカスクウイスキーは、ソレラ払い出しの樽だという話です。)
シマジのファークラス、まだ飲めておりません。
シマジさん本人は「あれは良い樽だ」とオススメされていましたので、どこかで飲んでおかないと。飲めましたらもちろんレビューは掲載させていただきます!