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KIRIN WHISKY
FUJISANROKU
樽熟 50%
600ml
評価:★★★★(4)

香り:若さのあるクリーンな香り立ち、序盤はえぐみが強いが、徐々にバニラの甘さ、コーンスターチ、ほのかに焦げた木のアロマ。

味:口当たりは度数相応に勢いがありニューポッティーな風味、蜂蜜ヨーグルトのようなねっとりした甘さと乳酸系の酸味。舌の上にピリッとしたスパイス、余韻はピートフレーバーと焦げたオーク風味。
加水、ロックにしてもフレーバーはぶれず、サルタナレーズンを思わせる甘さと酸味、スパイシーな余韻とバーボン系の樽香へ繋がる。

先日終売とリニューアルを記事にした、富士山麓 樽熟50%。
ちゃんとテイスティングしていなかったので、今後の飲み比べ用にと1本抱えてみました。ちょうどビックカメラのポイントがあまってましたし。
今年の夏に某ビアガーデンで飲んだ時は、こんなにバーボン感が強いのかと思ったのですが、こうして1本抱えて飲んでみるとそんなに感じません。これはロットというより季節(気温)の違いもあるでしょう。
富士山麓樽熟50%は比較的若い原酒が主体で、それゆえに賛否は分かれるものの、個人的には他の同価格帯ウイスキーよりも個性的な仕様で、見るところがあると思っています。
 

富士山麓が採用している50%の高度数は、価格帯1000円前後のスコッチタイプブレンデッドウイスキーでは異色であり、まさに他に例を見ないウイスキーです。
低価格帯は一般的な消費者のアルコール耐性はもとより、税金関係からアルコール度数を抑える傾向にある中で、50%のハイプルーフを出てきたのには驚きました。 

販売好調だった同製品を見て、サントリーが北杜50.5%をリリース。低価格ウイスキーが高度数戦争に突入するのかと思った矢先、ニッカはそれをスルーして今は無き余市NAを市場投入。
2000年代、まだハイボールブームの燻りすらなく、ウイスキー消費量が低迷する中で低価格市場の競争がにわかに熱を帯びた、その呼び水となったウイスキーでもあります。
その後北杜は消え、余市も消え、しかし富士山麓は残った。富士山麓は文字通り、キリンウイスキーの顔となっています。

キリン 富士山麓 樽熟50% ほか2銘柄を終売!(画像追加)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1046248563.html

その富士山麓が、このたびリニューアル。
来年3月にリリースされる富士山麓 樽熟原酒50%は、非オープン資料からの情報も含めると、「ノンチルフィルター仕様」に加えて「熟成感も増した」「円熟味アップ!」との話で、原酒配合も変えている模様。 価格は1500円程度が予定されているそうです。
正直この手の新商品に発売前から期待するとろくなことが無いというのが経験論、過度な期待は禁物ですが、ただの値上げというワケではないようです。