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グレンドロナックソーテルヌカスク

GLENDRONACH
12 Years old
Sauternes Cask finish
700ml 46%
暫定評価:★★★★★(5-6)

グレンドロナックの2015年ニューリリース。
ヨーロピアンオーク樽で熟成させた後で、甘口白ワインであるソーテルヌワインの空き樽で追加の熟成を行ったもの。もはやハウススタイルとかシェリーとかどこに行ったって感じですが、新しい挑戦をしていかないとやっていけない今のウイスキー業界のリアル。
香りはフルーティーというか人工的なニュアンスのあるお菓子のフルーティーさで、平均的なハイランドモルトのいじった系の域を出ないものでしたが、口に含んだ後はバニラと麦芽風味からフルーツポンチのようなフルーティーさ、じわじわとスパイシー。
余韻はウッディーな渋みとべたつく印象があるものの、非常にわかりやすい構成。こりゃドロナックはすごいものを出してきたぞ、と即買いしそうになりました。

ところが2口目からそれが浮ついて作為的になり、3口目以降は驚くほど薄れて感じられなくなってしまった。
口の中が味に慣れるのは、ウイスキーのみならず食べ物飲み物全般に共通することですが、慣れた後でもフレーバーが積み重なって美味しく感じるか、印象がボケてしまうかもまたそのウイスキーの個性のひとつ。
この銘柄は後者で、チェイサーを入れてもあまり改善しなかったことからも、かなり口の中に影響を与えるウイスキーのようです。

とはいえ、先日の山崎もそうですが、最近ワインフィニッシュに関するノウハウがメーカーに蓄積したのか、フィニッシュでもまとまった味わいのモノがリリースされることが増えていると感じます。
このボトルに関しては、コアなファンはともかくとして一般的なユーザーの満足度はそれなりに得られるものと思います。特に1口目のフルーティーさは、一飲の価値アリです。