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LAPHROAIG 
1991 Vintage 23 years old 
Distilled 1991 
Bottled 2014 
52.6% 700ml 
評価:★★★★★★★★(8) 

香り:バニラを思わせるヨード香に香ばしいピートフレーバー、磯の香りを含む強いアロマ。そこにオレンジやドライパイナップルなどの色鮮やかなフルーティーさもあり、非常に充実している。

味:コクと粘性のある濃厚な口当たり。香り同様にヨードを強く感じる。ピート、燻した麦芽のほろ苦さ、ダシっぽさもある。
中間からは余韻はフルーティーで、果実というよりはトロピカルフルーツの皮。微かなスパイス。
フィニッシュは強い塩気とナッティーなピートを感じる長い余韻。


ドイツ向けのラフロイグ。単一年度のシングルモルトで、カスクストレングスのハイプルーフ。厚みがありつつバランスも良く、昨年リリースで今さら感はありますが、最近飲んだラフロイグの中で一番うまいボトルでした。
ラフロイグらしさがしっかりあるのはもちろん、200周年の15年、21年とも共通するフルーティーなニュアンスがありますが(32年は飲めてないので保留)、1991が頭一つ抜け出ている印象です。


こういうボトルはハイボールでも旨い、間違いなく旨い。ってことで暗黒企画発動、ラフ1991ハイボールです。
グラスは某氏にならってシャンパングラスでスタイリッシュに(笑)。
ハイボールは邪道という意見もありますが、このモルトのようにフルーティーな戻りがしっかりあるウイスキーは、ハイボールにすると飲みこんだ後に炭酸の刺激とともに湧き上がるフルーティーさが本当に秀逸です。

そう、このボトルが評価されるゆえんはフルーティーさでしょう。
オーク樽由来のとってつけたようなフルーティーさがあるモルトは近年数多くリリースされていますが、評価されるボトルはそうしたとってつけた木材系フルーティーさではなく、余韻にかけて湧き上がってくるような、所謂1960年代蒸留のモルトに多く見られた、トロピカルフレーバーとされるフレーバーがあります。
また、異なるタイプの原酒をバッティングしているためか、序盤から中盤にかけても厚みと多様さがあるのもポイントで、ラフロイグらしいスモーキーさと合わさって、ある種妖艶な陶酔感を生み出しています。
調味料ぶっこんで作られた味だけ濃いインスタントではなく、しっかりダシのとられた厚みのあるスープと例えれば、イメージは伝わるでしょうか。

以前の記事でラフロイグはスタイルの安定している偉大な蒸留所だと書きましたが、こうした味が1990年代に入ってからの蒸留、最近のリリースでも出てくるという点も、ラフロイグの凄さを物語っています。