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NIKKA WHISKY
PURE MALT WHITE
Lot 2014.6
43% 500ml
暫定評価:★★★★★(5!)

香り:スモーキーで華やか、オークの乾いた木とバニラのアロマ、時間共に若さのある麦芽風味、チャーオークのニュアンスも微かに感じられる。

味:口当たりは加水らしく軽やかな飲み口だが、舌触りはやや荒さを感じる。
麦芽の香ばしさ、ヨードを伴うピートフレーバー。余市原酒らしい焦げた樽香、蜂蜜の甘み、ほのかにドライアプリコットの華やかさ。
余韻はピーティー、若い原酒のえぐみ、ドライで長く続く。

余市蒸留所のヘビーピート原酒をメインに据えたバッテッドモルト。西のほうのIさんに幾つかサンプルをお送りしたところ、お礼にと頂いた1つ。こいつをテイスティングするのは久しぶりです。
加水の軽さゆえか少々浮ついた感じのあるフレーバーですが、若さも目立たないレベルで、ピーティーな余市モルトの特徴が分かり易い。価格を考えたらその辺のオフィシャルスタンダードを喰える、素晴らしいコスパだと思います。
そして悲しいですが、終売になるのも納得でした。これがあったら新余市なんて売れませんよ(汗)。

元々ピュアモルト白は、1987年の発売時は「輸入したアイラモルトを使った」というPRで売り出していました。つまり特級表記があるピュアモルトホワイトは、1980年代流通のアイラモルトとジャパニーズのバッティングということに。
うはwww夢が広がるwwwと期待して手に入れてみた特級時代は、パフュームフレーバーでした。そうです、ボウモアが使われていると見て間違いないでしょう。

その後1990年代、2000年代はメーカーPRがアイラモルトのままでしたが、2010年ごろだったかしれっと切り替わったんですよね。あれは2007年、大学の研究室で飲もうとスモーキーじゃないのをくださいと言って某酒屋の店員に間違えて白を売りつけられたことがあるので、その当時のWEBサイトの記述は良く覚えています。
今回、その旧ロットに当たる1999年製造の同銘柄も頂きましたので、飲み比べもさせていただきました。左が2014年、右が1999年です。
もうまるっきり別物ですね。アイラモルトと言われるとそれっぽさを感じるというか、少なくとも直近製造のような余市らしさではありません。
色々混じってる味わいで、奥に感じるのはボウモア…いやラフロイグでしょうか。
以前ニッカの方に「一時期だがラフロイグと繋がりがあったんだよ」と聞いたことがあり、それはこれだったのかなと思ったところ。

9/1の大変革から既に2ヶ月、元々扱い店舗が少なかったことと、乱獲のため都内ではずいぶん長くこのボトルの姿を見ていません。
赤と黒は生き残ったようですが、ニッカって本当に面白いリリースが多かったですよね。