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昨年12月1日に熟成を開始した、我が家のミニ樽5リットル。
ひと夏を押入れの中ですごし、いよいよ追加熟成1年間まで1か月を切りました。
ここの所イベントだなんだと忙しく、中身を見るのをすっかり忘れていたので状況確認をしてみます。

まず樽の重量。
6月の時点では中身入りで9.3㎏でした。
11月現在、8.5㎏。夏の揮発は凄いのですがこれまで測ったことはなく、なんと800ml、約ボトル1本分も我が家の天使様が飲まれてしまったようです。4500mlほど詰めていたので、残りは3700mlになりました。
1月から6月まではほとんどと言っていいほど変動がなかったのに、ひと夏超えただけでこの変化。夏は木材が膨張してエキスの出が良くなるため、原酒の色もだいぶいい感じになってきました。
そういえば夏の間、押入れの中がセラーハウスのごとくウイスキーとオークの甘い香りで満たされてましたっけ。

当然、味もかなり変化がありました。
これまでは未熟香も目立っていたのが、だいぶ丸みを帯びた気がします。
味のほうは甘酸っぱさとオーク風味が強くなってきました。
このままウッディーな渋みが出ないで、濃厚な方向に向かってくれれば最高です。
(以下の写真は上が今年の7月1日時点。下が11月7日時点。小瓶が詰めた直後です。)


これまでも何度か書いていますが、この樽は2010年に新樽チャー済みで購入し、その後ホワイトリカーやバーボン等、いろいろ詰めてリフィルにしたものです。これくらい置かないとサイズの小さい樽での年単位の熟成は難しく、今のところは狙い通り(これでもちょっと出すぎているくらい)の成長速度です。
中身はマッカラン、ハイランドパーク、クライヌリッシュ、秩父のショートエイジのカスクストレングスをバッティング。度数は55%ほどで、自分好みなミディアムからフルボディでハイランド系のスモーキーな味わい。

なお、このまま熟成を続けて樽感が過剰になりすぎた場合、追加で入れるウイスキーも考えています。
商品ならこういうことはできませんが(どうもカスクマネジメントの一環としてやってるような話も聞きますが)、自宅熟成ですから、とにかく目的はおいしく仕上げることのみ。

追加候補はロイヤルブラックラ1979 62%、プライベートボトルで、原酒の出元はキングスバリーでしょうか。
適度な熟成感がありつつ樽感は控えめ、ボディも平均値以上ある。味に変な癖はなく、プレーンでトーンの高い甘さに麦感しっかり。まるで割水のように強い樽感を伸ばしてくれそうなシングルモルトです。
ロイヤルブラックラは、かつてブレンデット用の原酒としてロイヤルの一角を担った蒸留所。確かにこれはブレンドで使いやすい原酒だと感じます。
このため知人に「いらないから飲んでくれよ」と、押し付けていたボトルを再度引き取ってきました。
うーん、なんて蛮行(笑)。

熟成途中に仕上がりをイメージする。そしてその仕上がりを確認できる。これはマイ樽だからこその楽しみであり、非常に良い経験になっています。
追加原酒を投入するかは今後の仕上がり次第ですが、いろいろ試していきたいです。