カーデュー12年 1980年代初頭流通 トールボトル
オールドボトルのシングルモルトは比較的高値が付きやすいですが、その中でも手に入りやすいのがカーデュー。特にジョニーウォーカーとひっかけて日本に流通が多かった1980年代後期のダンピーボトル12年は安価で入手できます。
しかしそのほかの蒸留所がそうであるように、カーデューも例に漏れず1960年代から1980年代にかけて味の変化が激しく、80年代後期だけで終わってしまうのはもったいない。飲み比べてみると実に面白い蒸留所です。
本ボトルはGSさん宅での持ち寄り会で飲ませていただきました。いつもありがとうございます!
CARDHU
Highland malt scotch whisky
12 years old
1980’s
755ml 40%

暫定評価:★★★★★★(6)
香り:品のいい麦芽香、蜂蜜、微かにドライパイナップル。土っぽい香りもある。
かすかなヒネも感じるが状態は悪くない。
味:まろやかな口当たり、序盤一瞬水っぽさがあったがボディはしっかり感じる。
広がる麦芽風味と微炭酸風のスパイス、土っぽさ。徐々にドライアップルのさわやかなフルーティーさ、余韻はほのかなピートが口の中に残る。
1980年代初頭流通、おそらくメートル法切り替えあたりの流通で、ガロンからの換算をきっちりやった結果の仕様なのかなと思います。
40%とは思えない飲みごたえがあり、味、香りとも麦芽風味主体だが嫌味がなく、かすかに感じるフルーティーさが好印象。1杯目に飲みたいオールドシングルモルトです。
カーデューやフィディック等、一部の蒸留所では消費量が増えた1980年代からシングルハイランドモルト表記を廃止し、ピュアモルト表記を採用しています。
これは他蒸留所の原酒をバッティングしたのではなく、麦芽を多くの精麦工場から融通し合ったためと聞いたことがあります。そうなると味の変化に繋がるわけですが、実際、カーデューの味の変化は相当で、これまでなかった酸味が混じる等、1980年代後期の12年ダンピーボトルと1980年代初頭12年トールボトルでは、味わいが大きく異なっています。
今回のボトルの時代が、カーデューにとって一つの節目に当たるようにも思います。
なお、1950~60年代流通のカーデューはマジでジョニーウォーカーの味がします。ピートもさらに強くコクがあり、今回のボトルと並んで一飲の価値ありです。(日本橋のIANさんにあります。)
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