ホワイトホース ファインオールド 1970年代初頭流通 ”ウイスキー特級” JAPANTAX
ホワイトホースはラガヴーリンをキーモルトの一つとするブレンデッド。
スモーキーなフレーバーが避けられたアメリカ市場とは異なり、日本市場にはジャーディン社主導のもと大量のストックが70-80年代にかけて入ってきたようです。
先日紹介したデラックスなど日本限定品のリリースを始め、今回のボトルのように1970年代前半からラベルに直接"特級表記"が印字されているのも、それだけ日本市場が大きかった事が伺えます。
WHITE HORSE
Fine Old Scotch Whisky
JAPAN TAX
1970's
43% 760ml
構成原酒:ラガヴーリン、グレンエルギン、クライゲラヒ
評価:★★★★★★(6)
香り:焦げたカラメルソースのような甘くビターな香り立ち、オールブラン、オレンジピールチョコ、ヨードチンキ、スモーキーでピート由来の土や微かな草っぽさ。 奥には蜂蜜や煮たリンゴを思わせる熟成香も。
味:とろりとした濃厚な口当たり、カラメルの甘みと苦味、オールブラン、古酒特有の微かなヒネがママレードジャムのよう。底支えにどっしりしたピートフレーバー、後半にかけて存在感が増してくる。鼻抜けはスモーキーで焦げた薪の香り。
フィニッシュはピーティーで、ほのかなスパイス。苦味が沸き立つように戻る長い余韻。
カラメル、ピート、麦芽の3拍子で構成されていると言っても過言ではないボトル。濃厚でラガヴーリンを思わせるピーティーなフレーバーに、まったりとしたカラメルや蜂蜜系の当時のグレンエルギンの風味もある。一見すると単調であるが、個性的であるゆえそれが強みでもある。たとえるなら素材の味を生かしたど直球料理。
ボディのある酒なので、ハイボールにすると程よいコクにスモーキーさがマッチして、オールドブレンデットのハイボールでは定番と言える。
ボトルの見分け方ですが、流通していたラベルの時期で分けると・・・
1970年代初頭あるいは1960年代後期頃
・4頭引きの馬車が書かれたラベルでスクリューキャップ
・白馬が1頭のみのラベルでFine Old表記が無い
1970年代初頭から1970年代後半
・Fine old表記あり(JAPAN TAXがあれば70年代初頭、なければ中期)
・白馬のマークが一回り小さくなる(70年代後期、750mlなら80年代流通)
こんなイメージ。
この時代はラガが効いててスモーキーな風味が際立っているのが特徴なのですが、特に上に行くほどそれが濃くなる印象。4頭引き時代でメタルスクリューキャップはレアですが、濃いですね。状態も下手にティンキャップ時代(60年代以前)に手を出すより断然良いものが多いです。
後はバランス型ですが決して悪いわけではなく、全体的な完成度が魅力。今回のボトルも良い感じです。
1980年代に入ると、ホワイトホースはライトタイプにシフトし、上述のように白馬のロゴが一回り小さくなって750ml容量に。スコッチオデッセイによると、アメリカ市場向けにキーモルトをクライゲラヒに変えて、味わいをライトにしたという話です。飲み比べると、ピートの重さなどだいぶ違いがあります。
なお、ジャーディン社取り扱いのホワイトホースは、日本の代理店として長い歴史がある関係で、特級表記と合わせて記載されるコードが80年代に入っても3ケタのままです。
コードが少ないから古いというワケではありませんので、判別の際にはご注意ください。
コメント
コメント一覧 (6)
手持ちのボトルが760mlなのですが、馬が小さいです。
この場合ってどうなりますか、、?
コメントありがとうございます。
馬のロゴが小さく760mlということは、1970年代末期あるいは1980年頃のものと思われます。
このブログ発見して感動しています
手持ちのボトルが760ml、43度
馬は大きめ 馬が書かれている黒四角の端っこが
下の赤字のWhiteのiの左端か少しはみ出すくらい
これはいつ頃でしょうか
Japan tax とよく書かれていますが、これは、裏のラベルの
従価税適用、ということなのでしょうか
実はカミュのオルダージュとxoロングネックをヤフオクで落札した時の
抱き合わせにホワイトホースがありました。
あまりウィスキー飲まないので、おかしくなければ果実酒にでも
しようか、と試しに飲んだら、えらい、美味しかったので。
勝手な質問ですが、よければ教えてください
こちらこそ、閲覧いただきありがとうございます。
ご質問いただいたボトルですと、1970年代の流通品になります。
さらにそのロゴのサイズのボトルの中で、70年代の中でも前半後半という細かい整理についてはその他の情報が必要になりますが、例えばご質問いただいたJAPANTAXの有無ですね。
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1042895272.html
上記の記事中の写真がわかりやすいのですが、キャップのところに「通関済」と書かれた紙の封印シールが貼られていて、これがJAPAN TAXです。記事にも書いておりますが、これは1974年まで使われていたもので、日本流通品でこれが貼られていればその時期より古いボトルということになります。
日本以外にもイタリアやアメリカなど様々なTAXシールがあるのですが、国によって模様や使われている時期が替わるので面白いです。
また、その他、ロゴのサイズやラベルの大まかな変革については以下の記事に比較の写真がありますので参考にしてみてください。(写真に無いですが、Fine Old表記があるボトルと、SotchWhisky表記のみのボトルがあり、後者のほうが古いです。)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1061036177.html
カミュのオールドはおいしいですよね。ブランデーのオールドは今より濃厚なものが多く、自分もウイスキーの合間に飲んでいます。その濃厚さでいくと、ウイスキーのオールドにも同じように濃厚さやまろやかさがあり、現行品とは異なる味わいが魅力だと感じています。
今後ともよろしくお願いします。