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ブラインドテイスティング第4問目。
3問目が飛びましたが、3問目の答えは台湾のナントウ蒸留所のシェリーカスク。スコッチではなくジャパニーズの若いヤツ、余市あたりじゃないか。として撃沈しました。
台湾は、言われて飲めば傾向はなんとなくわかるんですが、ブラインドだとジャパニーズほど自信を持って絞れないですね。個別記事にしてないのは、単にボトルの写真が無かったので・・・。
そして4問目のダルモアはボトル指定での正解でしたので、以下は通常の流れでまとめます。
これまでの経験を活かせたブラインドでもありました。

OLD MALT CASK
DALMORE
Aged 32 years
distilled 1976
Bottled 2009
700ml 50%
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評価;★★★★★★(6)

香り:エステリーな華やかな香り、甘いバタークリームっぽいアロマもある。少し青みがかった麦芽風味、サトウキビ、乾燥した牧草を思わせる植物感。スワリングするとドライなオーク香と、溶剤を思わせるセメダイン系の香りが強く感じられる。

味:ドライでスパイシーな口当たりだが、ただスパイシーなだけではなく熟成感のある味わい。
中間から粘性のある盛り上がりがあり、フレーバーは多様。ママレード、ナッツ、麦芽、紅茶、軽く焦がした木の渋み。
フィニッシュはドライで徐々にピートが存在感を増してくる。 少しケミカルな要素も感じられる。
少量加水するとスパイシーさが引っ込み、その他要素の要素がはっきりと前に出てくるようになる。

 
ダルモアはオフィシャルを中心にシェリー系の味付けが強い蒸留所。
ボトラーズからのリリースはそう多くないものの、少数リリースされた70年代蒸留などを飲んでみると、その時代の傾向さながら麦芽風味や樽香の奥にフルーティーなフレーバーが広がる、旨いボトルが多い印象です。
今回のボトルはラムフィニッシュという変わり種ですが、むしろ良い意味で複雑さを風味に与えている感じ。また、リチャーを軽くしたのか、チャーオークにある特徴の少し焦げた要素や溶剤系のアロマが特徴的でした。
最近若いボトルのテイスティングが多かったので、しっかりと熟成されたボトルのテクスチャーには癒されます。
 
今回のブラインドテイスティング回答はボトル指定でしたが、過去私はこのボトルを飲んだ事はありません。
ただサンプル提供者のHP氏がこのボトルを持っていたことは、以前の会話の流れの中で知っており。
長期熟成で70年代頃のスペイサイド、あるいはハイランド・・・樽は少しいじったような…って、これダルモアじゃないか。と行き着いたところでボトルを邪推してしまいました。
しかしこれまでの経験が無ければ、シェリーの印象が強いダルモアを、このサンプルから紐解く事は出来なかったと思います。特に先日Y氏から頂いたダルモア1979カスクストレングスの経験がバッチリ効きました。
自分の成長を感じると共に、色々飲ませて頂いた皆様には感謝しかありません。