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余市ヘビリーピーテッドがリリースされるとなった時、蒸留所限定の「余市12年ピーティー&ソルティー」と何が違うんや?と思った方も結構いらっしゃると思います。
私もその1人です。
余市は原酒足りないらしい、この限定シリーズもそのうち買っておこうと思っていたら、蒸留所からモノが無くなっていた方、結構いらっしゃると思います。
私もその1人です。
こうなったらニッカBARで飲むかと思っていたら、イベントの打ち合わせで伺ったお店にちょこんとおいてあり、ありがたく飲ませて頂きました。


NIKKA WHISKY
YOICHI
"PEATY & SALTY"
12 years old
500ml 55%

暫定評価:★★★★★★(6)

香り:チャーした新樽の強い香りとフルーティーなアロマ。メイプルシロップ、リンゴのカラメル煮、焦げた松の木、微かに葡萄、そしてパイプ煙草を思わせる甘みのあるスモーキーさ。

味:口当たりは厚みがありスパイシーでピーティー。ブラウンシリアル、キャラメル、香ばしい麦芽風味とほろ苦い甘さ、そしてピリピリとした強いスパイスを伴いつつ舌に染みこんでいく塩分。
樽感は強いが熟成感としては12年相応、荒さも残している。余韻はピートからヨードへの変化。ドライで勢いがあり、噛み応えがある。

ピーティー&ソルティーを飲むのは1年ぶりくらい。
購入時期はここ半年~1年前くらいで、比較的最近のロットです。
まずこのボトル単独での評価ですが、普通に旨いと思います。
ちょっと荒さはあり通好みというか、ウイスキーを飲み慣れた方向けな構成ですが、飲み応えがあり余市らしさは充分に感じます。またヨード系の風味があるのは、このタイプの原酒がピュアモルトホワイトに使われていたんだなぁと、原酒の繋がりを感じさせる要素も。
500ml 6000円ですか。今となっては買っておけば良かった。通常12年より断然こっちの方が好みです。
 
続いてヘビリーピーテッドとの比較です。
飲み比べをしたわけでは無いのであくまで記憶の中の比較ですが、ピーティー&ソルティーのほうがチャーした風味が強く出ており、ピートからヨード系に変化していきます。ヘビリーピーテッドはチャー系の風味はそれほどではなく、綺麗にピートに繋がっていくイメージ。果実味、華やかさはヘビリーピーテッドのほうがありますね。
 
余市といえば新樽。新樽と一括りに言っても、余市の新樽はパターンがいくつかあるようで、大きく分ければ長期熟成向けのチャーが薄いタイプと、10年くらいでどっしり色が付くしっかり焼いているタイプ。
ピーティー&ソルティーは後者、ヘビリーピーテッドは前者が使われているのでしょう。
かつて某ブレンダーさんが、「この原酒だけはウチじゃ作れないんだよな」と語ったという余市のヘビーピート原酒。いつかまたどこかで復活してくれることを願っています。