カテゴリ:

土曜日は家族サービスデーと決めているので、一日子供と遊んできました。
事前の準備は妻がやってますし、ただ自分は外に連れ出しただけという話。あまり誇れたことでもないんですが。
ブログ更新は1日お休みして・・・そして相変わらずのニッカ尽くしです(笑)。
先日、おすすめのウイスキー5種を書いて、続くはニッカ好きに薦めるウイスキーをテーマにまとめています。
ただ限定品2種は速報として短評こそ書いたものの、評価付きの記事は書いておいたほうが良いかなと。ボトルもちょうど手元にきましたし、余市、宮城峡の更新を先に回したいと思います。


SINGLE MALT
MIYAGIKYO
SHERRY CASK
48% 700ml

評価:★★★★★(5)

香り:ねっとりとした粘性のある濃い甘い香り。黒蜜、プルーン、微かにベリージャム、樹脂のようなクセを伴うウッディネス。その裏から焦げた木や硫黄を思わせるアロマが立ってくる。
全体的には甘口、少量加水するとドライフルーツ系の香味が感じられる。

味:香り同様に濃厚な口当たり。黒砂糖の甘さから香ばしいかりんとうを思わせるサルファリーさ。
乾煎りした麦芽、ドライジンジャー、プルーンなどのダークフルーツ。ボディーはミドル程度、刺激は少なく、序盤の濃さのまま盛り上がるような感覚は無い。フィニッシュはドライでビターで香ばしく、序盤の甘さの名残が硫黄と共に鼻に抜けてくる。

やはり宮城峡のシェリーは、どこまで行ってもこれなんだねというスタイル。いろんな意味で期待を裏切らない出来でした。
ノンエイジですが、しっかりと熟成した原酒を思わせる味の広がり、舌触りです。
宮城峡、余市とも新樽長熟こそ至宝が私の意見なんですが、このシェリー香もまた良くも悪くもニッカのキャラクターなんだと思います。飲んでいて初めて蒸留所に行ったときのことを思い出し、懐かしくなってしまいました。


今回予想以上だったのは、先日のレビューでも書いたシェリー感の濃厚さ。これくらいだろうと思っていたレベル以上の濃さがあり、48%加水のバッティングであることを加味すると、相当濃厚なシェリーカスク原酒を使ったのだと思います。
例えば蒸留所限定で販売されていた20年のシェリー、あるいは昔ウイスキーマガジンライブ向けに販売された濃厚シェリーのシングルカスク20年。ああいう原酒がベースにあるのかなと。
これまでのオフィシャルラインナップに例えると、15年の延長線上シェリー増し。元々宮城峡は熟成年数が増えるとシェリー感が増えていく構成であったこともあり、オフィシャルの流れは汲んでいるように感じます。
熟成感的には15〜20年程度の比率が多そうで、下は若くても12年クラスまでじゃないかなと思います。10年未満の原酒にある、飲んでいて舌に来るような荒さ、粉っぽさもありませんでした。


今回リリースされた余市ヘビリーピーテッド、宮城峡シェリーカスクが年数表記をしなかったのは、通常ラインナップとして新発売した余市、宮城峡の製作背景や、ニッカの立ち位置からだと思います。 
仮に一番若い原酒が12年として、宮城峡12年シェリーカスク、余市12年ヘビリーピーテッドなんて販売したら、「原酒あるんじゃねーか!出せよ!」って話になる。
ニッカとしては原酒が無いというスタンスであるため、熟成した原酒を使いつつも、あくまでノンエイジとして出したのではないかと思います。(逆の意味では年数縛りが無い以上、ここまでのモノを作らなくても良かったワケで、ニッカの良心を感じる2本でもあるんですが。)

ちなみにテイスティングの通り、ぶっ壊れ系とまではいきませんが硫黄感があるボトルです。お約束の飲み手を選ぶ子で、私の苦手要素があります。
こういうボトルは評価に悩みます。改めて飲んでみて思ったのは、シェリー感そのものは悪くなく、今は硫黄が甘さとせめぎあってる感じでなんともスリリング・・・。
熟成感と合わせて2点くらい加点してもいいレベルなんですが、それもまた個人ブログの味ってことで辛口評価になりました。硫黄感が気にならない飲み手だと、★6くらいの評価になると思います。
また、この手の濃さのある味は海外では評価されそうですし、ニッカオフィシャルリリースで見れば貴重です。こういうボトルは、後々何かの賞を取るかもしれません。