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やあ、くりりんのウイスキー置場へようそこそ。
昨日の流れで今日の更新は余市と宮城峡の新製品のコメントだろう。そう思った人は多いと思う。
すまない、今日はアードベッグなんだ。

裏をかきたくなった、なんてかっこいい?話しじゃない。
単に昨晩は飲みに行ってしまって、理想的に飲める環境・体調では無かったということで今夜にスライド登板となったのです
折角ですからね、ちゃんと飲みたいですし。
帰ったら飲もうと思って居たのに、相変わらず意志の弱い人間です(笑)

しかしだいぶ砕けた書きぶりになりましたが、今回の記事で紹介するボトルは姿勢を正して飲むレベルの1本です

DUTHIE'S
ARDBEG
Distilled 1975
Bottled 1993
700ml 46%

評価:★★★★★★★★(8)

香り:燻ったピートのスモーキーさに、削り節や木くずを思わせる乾物の香り。
どっしりとしたタールのようなピート香とヨード、まさにアイラのアロマだがカドは取れており香り立ちは芳醇で滑らか。ピールの爽やかなさも微かに感じられる。

味:香り同様にカドは取れているがオイリーで主張のある口当たり。薄めたダシ醤油、いぶった魚介、ひじきの煮物。中間は麦芽風味とママレードジャムのような甘さのあるフレーバーに、どっしりとしたピートフレーバー、スモーキーでコクがある。
後半にかけて微かに黒コショウのスパイスを伴う。フィニッシュはピーティーで土っぽさを伴う長い余韻。


先日の飲み会でTさんから頂いた1杯。1杯といいつつストレートでダブル以上、さらにはハイボールまで飲ませて頂きました。ハイボール旨かったですw
こんなに飲んで良いのかってくらい堪能させて貰い、口の中どころか食道から胃まですっかりアードベッグ臭に。何が素晴らしいってアイラらしい複雑さなんでしょうね。無骨の極みというか、完成度の高さを感じます。
またダッシーらしさ(あまり飲んでいない自分が言うのもおこがましいですが。)として、いじっていない蒸留所ストレートな味わいと感じるのも好印象です
こういうウイスキーを美味しいと感じるのは幸か不幸か・・・。飲んでる間が幸せなのは間違いありません。

アードベッグ蒸留所は1980年代に入り生産縮小と閉鎖から1989年に一時再開するも再度閉鎖、ということで1980年代の原酒はほとんどありません。
とするとアードベッグ蒸留所の比較は1970年代以前と1990年代以降になるわけですが、違いを述べるなら、上述でいう完成度に直結するのは中間にある複雑さ、フレーバーの盛り上がりでしょうか。
もちろん瓶熟による変化でカドが取れている等の違いはある程度あるものの、同じようにピーティーでパワフルな味わいでも中間以降の味わいは決定的に違うと感じます。

とはいえフレーバーの方向性が違うということでもないので、現行品のボトルに近い要素を感じる事もあります。
現行品に期待が出来る一方で、求める味わいとの差にむずむずしてしまうもどかしさも。
開高健氏の言葉を借りるなら、lこれもまた「知る悲しみ」ということなんでしょう。