ピンチ(ディンプル) Haig & Haig 1960年代流通品
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開封してオフフレーバーがあったので、放置していた1本。
このボトルは自分も妻も好物で、いくつかストックしてあるのため、ながーく付き合うことになりそうな銘柄です。
PINCH
HAIG & HAIG
86Proof 4/5QUART
(43% 760ml)
1960's
評価:★★★★★★☆(6)
(香りに金属臭がちょっとあるのが・・・無ければ文句なし★7なんですが。)
香り:微かな金属臭があるが、時間で軽減される。その裏にオレンジママレード、モルティーな麦芽風味とバタークッキーを思わせるコクのある甘い香り。ひねたカラメルっぽさも感じられる。
味:口当たりは香り同様にモルティーでコクがある。お菓子のカスタードパイの焼いた生地の香ばしさ、オレンジピールの苦み、そしてとコクのある甘さ。徐々にスパイシー。
フィニッシュはビターな麦芽風味と蜂蜜入り紅茶の甘さ、そしてハイランドタイプのピート香、微かなスモーキーさが余韻に香る。
ヘイグの上位版であるディンプル(ピンチ)のアメリカ・グアム流通品。
ヘイグ家のブレンデットに対する功績、「ヘイグを飲まずしてブレンデットを語るなかれ」については・・・もうコピペになっちゃうんで、ぐぐってください。もしくはツッチーのブレンデット大全を参考のこと。
ディンプルの構成原酒はグレンロッシー、グレンキンチー。どちらがこのコクと余韻のピート香を生み出しているのかはわかりませんが、状態さえよければかなり旨いブレンデットです。たぶんロッシ―だと思いますが、昔のキンチーもめちゃ旨いので一概に判断できません。
当時ディンプルはイギリス方面、ピンチはアメリカ方面の流通としてブランドが分かれており、1980年代ごろにディンプルに統一されました。"くぼみ"という独特なボトル形状を指した意味である一方で、アメリカ方面では"危機"のピンチと語呂が同じだったため不評だったという説は有名な話。まぁだったらなんで発売から10年以上ほっといたんだという疑問もあるわけですが(笑)。
1960年代以前のディンプル(ピンチ)は、通常ティンキャップですが、このボトルのようにスクリューキャップのものも存在します。ティンキャップのボトルは一目でわかる特徴や、マニア心をくすぐる仕様だからかオークション等で高値が付きやすい傾向にありますが、こちらのスクリューキャップ版1960年代流通はその半値以下で取引されることが多いです。
特徴はシルクプリントの文字。キャップは金塗りのプラキャップか、数は少ないですがメタルスクリューキャップの仕様のモノも存在します。これらもまたれっきとした1960年代流通ですので、中身重視の方はこちらの方が断然お得です。
"ピンチ及びディンプル。左のピンチはサントリー正規だがJAPANTAX付き。おそらくサントリーに輸入が移った1970年代初頭の頃のモノ。右のDIMPLEは1968年通関の通関印が押されている。真ん中のDIMPLEは通関印がブレて読めないが、キャップ等の形状から、おそらく今回のPINCH及び右側のDIMPLEと同じ時期の流通と推察される。"
注意事項として、ディンプル(ピンチ)のボトルは一部例外の仕様を除いてキャップの裏面に鉛と思われるシールが張られています。
以前チェッカーズの記事でも書いたあの悪名高い鉛シールです。
これは1970年代に入ってサントリーが流通させているボトルにも引き継がれてしまっているのですが、テイスティングノートに記載した「金属臭」、付いてしまうことが多いんですよね。まぁ鉛シールはティンキャップのボトルで標準装備ですので、仕方ないと割り切るのも手ではあります。
ただ、状態が良いボトルの味わいは素晴らしいの一言。オールドブレンドの良さを味あわせてくれるボトルのひとつです。
おまえオールド好きだからひいきしてるんじゃないよこの懐古厨め、なんてご意見は甘んじてお受けいたしますが、まぁちょっと飲んでみてくださいよと。
ストレート、ハイボール、そして水割り。何でもござれの素晴らしいクオリティを堪能させてくれます。
安いうちにもうちょっと買っておこうかな(笑)。
コメント
コメント一覧 (13)
以前シーバスリーガルなどについて質問させて頂いた者です。その節は有難うございました。
その後70年代と思われるシーバスリーガル12年を入手することが出来ました。
先日教えて頂いたアウトレットお酒のショップのシーバスリーガルの欄で載っていたこちらのものを他の方法で入手出来ました。
http://アウトレットお酒.com/products/detail.php?product_id=259
ボトルも、首の部分の騎士が大きい、背面バーコード無し、4/5QUART 86Proof表記で、正面エンブレムのライオンがこっちを向いております。が、シールで従価&特級表示は無いですが・・・。
それで付属の箱なんですが、画像と同じで正面に盾エンブレムやボトルの写真・両サイドにひも付きです。これは70年代と思ってよろしいのでしょうか?70年代でも3~4回変わっていると旧ブログで記載があったので結びつけが難しいかと思いますがご意見伺えたら幸いでございます。
宜しくお願い致します。
また、無事発見できたようで何よりです。
記載のボトルですと、1970年代流通は確定です。
特級表記が無いのは日本流通品では無いからですので、あまり気にされなくても大丈夫です。箱については流通地域の差というか、紐付きでそのデザインは確か免税向けだったと思います。後は状態が良いことを祈っております!
また何か不明な点がありましたら、なんでも質問ください。
明日、オクで購入した、くりりんさんの写真の左側のピンチが届きます(^◇^)
何回か飲んでいるんですが、あのどっしりした重厚感と土の香りの中の甘い香りがたまらなく大好きです。
オールドブレンデッドが案外格安で入手できるので、内容以上に高騰したシングルモルトよりは、断然お勧めですね。
そういえば、同梱包で70年後期~80年初期の760ミリ トーメン ジョ二赤も到着します
こちらの商品は初めて飲むので、外れない事を願ってます。
でも、80年中期~90年台までの43度のジョ二赤でも十分に美味しいですよね!
外れが少なくて、値段も安いからそちらの方がお勧めだったりして(^^)/
お久しぶりです!
状態のいいオールド・ピンチは本当に旨いですよね。
大概の現行品はお察しレベルですが、おっしゃる通りこの古酒的な味わい、クセに抵抗がないならこのジャンルは断然おすすめだと思います。
ジョニーウォーカーの1970年代以降は、よほど液面が下がっているなど無い限り、一番外れないオールドボトル銘柄だと思います。今回も大丈夫じゃないでしょうか!
好みの問題もありますが、自分はジョニ赤は1970年代初頭が、ジョニ黒は1980年代後期の12年表記時代が一番バランスよく安定して旨い気がします。もちろんほかの年代もおいしいので、仲間内でも結構評価が分かれています。
80年代後期のジョニー赤も、シェリー系の風味が少ない代わりに麦芽系の素朴な風味が結構強くて、ハイボールなんかには持ってこいなんですよねー。
おすすめやこの年代!という感想がありましたら、ぜひ教えて下さい!
実は たった今 オールドピンチ 開けて飲んでるんですが、大当たりでした。
こればかりは開けてみないと解らないんですが、オクで購入する際は破れていても良いから、箱入りが良いのではと考えます。
同梱のジョ二赤も、くりりんさんの検証で ジャパンタックス付いてましたので、昭和45~49年辺りと推察しました!! 本当にありがとうございます(^◇^)
お勧めはかぶって申し訳ないんですが、 ドットウェル・レミー時代のグランツ 「基本外れ無し。お勧め」
スクエアボトルのベル「飲みやすさとバランスが秀逸」
特級表示のついた(従価税表示無し)サムシングスペシャル「ピンチに似た力強さ」
カティサークの70~90年代初頭 (特に12年物)「上品かつ飲みやすいけどスコッチのすべてを内包 現行品とのギャップ極大なり」
ジョ二黒の43度 750ミリ 90年前後でキャップが黒と金ツートーンの品「安く手に入り、まず外れない。 現在2本ストックしてるが、気安く開けて乾杯できる 置いておくと何時の間にか親父が寝酒に使用してる(笑)」
こんな感じですか?
自分福島県在住なんですが、機会があったらば是非 オールドボトルの飲み比べ大会に参加させてくださいませ(^◇^) 自営業なんでなかなかすぐには行けませんが
それでは 又
おめでとうございます!
状態が良かった時の安心感と喜びはひとしおですよね。
私も常々感じている気持ちであるため、いい意味で心中察して余りある感じです。
同封されていたというジョニ赤、これは自分のおすすめ時期の流通です。1960年代のコルク時期も良いのですが、キャップの気密性の関係かこの時期が一番安定していて、かつコクやスモーキーさ、シェリー感も濃いと。こちらも楽しんで頂けるものと思います。
おすすめボトルまで教えていただきありがとうございます。
ジョニ黒は自分のおすすめと同じ時期のモノですね、あれは良いものだ・・・(笑)。
スクウェアのベルは久しく飲んでないので、購入を狙ってみようと思います。
カティは良いですよね~、12年の特に金キャップ時代は素晴らしい。サムシングスペシャルも自分の中で評価の高いボトルで、どこかで記事にしたいなと思っています。
そして福島在住ですか!
自分も郡山に住んでいたため福島県には思い入れありまくりです。
イベント等、ぜひ機会がありましたらご一緒してください!
今後ともよろしくお願いします!
ドリンカーになりまだ日が浅いので買う時の参考にさせて頂いてます。
ピンチとジョニ黒80年代でオールドボトルにチャレンジしようと考えているのですが、
シルクプリントの無いメタルスクリューキャップのピンチは何年流通になるのでしょうか。
分かりましたら教えてください。
はじめまして。当ブログを参考にしていただきありがとうございます。
ご質問いただいたピンチは、おそらく通常の紙張りのラベルでメタルスクリューのものだと思います。
これは仕様によってさらに細分化されるケースもありますが、
1970年代後半から1980年代初頭の流通と見るのが妥当かなと思います。
(以前購入した同仕様のボトルには、1977年通関のスタンプがありました。)
ご参考になれば幸いです。
鉛シールや状態が怖いですが運試しと考え購入してみました。
届いたら現行品のディンプルとジョニ黒を買って比較して飲んでみようと思います。
ありがとうございました。
オールドボトルはその点が怖いですが、ここから先はグットラックとしか申せませんね。
良い出会いがあることを祈っております!
飲み比べはしていませんがピンチ飲んでみました。
鉛シールでは無かったので薫りも良く旨いです。
これからもテイスティングレビュー楽しみにしています。
返事が遅くなってしまい申し訳ありません!
状態良かったとのことでなによりです!
ピンチのオールドは旨いですよね、ハイボールもオススメです。
これからもよろしくお願いします!
とにかく白文字のプリントがボトルにあれば1960年代以前という解釈で宜しいでしょうか、、?
1970年代の、ツルツルしたプラ?キャップ(3本ある画像の一番左の1970年代のボトルのキャップのこと)仕様で、ボトルに白文字のものがちらほら出ていて安値で取引されているので、1960年代以前ならお買い得だなぁ、と思っています。
スクリューキャップでも白文字ないものは1960年代以前ではないんですよね?
(スクリューキャップでも、キャップが無地のものと、キャップに黒く印字がしてあるものとあって、印字してある方が古いのかな~とか勝手に思いつつ、、)
結局は白プリントがないと1960年代ではないのですよね、、
最初スクリューキャップなら1960年代だと思って漁ってました。シクジッタ
今は知識が曖昧な状態で冒険していて、それ故に年代の同じようなボトルを少しの違いで別けて、あれもこれもと買ってしまい、結局オールドボトル山積みになる癖があるので、ちゃんと理解して見極めてから買おうと思います、、飲み切れない(T-T)
あとは中身の状態を見極めるセンスも磨かないと、、ですかね?