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自分のウイスキー歴を振り返ると、なんだかんだ一番飲んでいるのは余市かもしれません。
特に余市10年。初任給で買ったモノのひとつで、それだけでも思いいれがあるんですが、このしっかりとした麦芽風味は、なんだか凄く懐かしい気持ちになります。
特に心に残らないボトルは旨くてもその後「アレが飲みたいな」と思うことは無いんでしょうけれど、この味わいは時々飲みたくなるボトルの1つです。

NIKKA WHISKY
YOICHI
10 years old
45% 700ml
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評価:★★★★★★(6)

"香ばしい麦芽香、そこにほのかにチーズのような乳酸と、 赤い果実を思わせる甘酸っぱさ、ヨード香がある。
口当たりはややオイリーで力強さがある。香り同様に香ばしい麦芽香、松の実、かすかに硫黄のアクセント。
フィニッシュはビターでピートがしっかり感じられる長い余韻。ハイランドというよりは島(ジュラやタリスカーなどのアイランズ)地域を連想させる構成。
加水よりもストレートでのバランスが一番良いと感じる。ハイボールも水割りもあまり合わない印象。"

日本のウイスキーの父、竹鶴政孝の夢が結実した理想の蒸留所、余市。
スコッチに習い、スコッチを目指した彼の想いは、 しかしながらスコッチとは異なる独特の個性を身につけ、 世界に認められることとなります。
ジャパニーズの現行各種シングルモルトの10年、 ないしノンビンテージクラスと比較すると、まず余市が際立つのは良い意味でのフレーバーの粗々しさ、力強さ。
度数が若干高いというのもあると思いますが、 それを除いても十分な強さがあり、山崎や白州が正三角形なら、
余市は同じ面積の直角三角形、 突出した個性的なキャラクターを打ち出しているというのが持論です。

また、香味の中に感じられる硫黄やピートの土っぽさが"石炭" のようなフレーバーとして結びつき、香ばしい麦芽フレーバーと合わせて、 余市蒸留所らしさを演出しているように感じます。
ピートも強く、どちらかと言うと通好みの味ですね。

オフィシャルラインナップでは、12年、15年、20年。 年数が増える毎にシェリー樽の比率が増すのか、 硫黄香が強く感じられる傾向があります。
ただし20年は度数の高さから、他の香味とのバランスが取れていて中々"らしい"仕上がりです。
自分が硫黄系のフレーバーが苦手ということもありますが、余市の通常市販ラインナップでは、 価格も考えると様々なフレーバーが感じられる10年が一番好みで す。

なお、アサヒビールが販売する前の、 旧ニッカウイスキー販売時代(1980年代、1990年代) のシングルモルト余市は、度数も違いますが今ほど硫黄は感じません。
松の樹皮系の樽香と今よりも強いピートが特徴的で大きな満足は得られないかもしれませんが、「おっ」 という新しい発見には繋がると思います。 


※この投稿はWhisky linkに投稿したものをベースに再編集したものです。